表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/20

第3話:測定

 ちょっとグロいので注意して下さい。


 ミカルに連れてこられたのは、たくさんの水晶がある部屋だった。


 ーあの水晶で能力(?)の測定をするんだろうか?


 僕たちが全員部屋に入ると、部屋の奥から10人くらいの男が出てきた。


 そして、男たちが水晶の前に立つとーー


 「では、能力測定を始めるよ。能力測定師の人がいるところに並んで。10人いるから4人ずつ並ぶと良いかな。じゃあ、僕はここで一旦出ていくけど、困ったことがあったら僕の代わりに来た人に聞いてね。」


 そう言い残すと、ミカルは部屋から出ていった。


 「えっ……?これ並んだ方が良いのか?」


 「まじて何がどうなってんだよ……。」


 (さっきの女神の言葉が本当なら、この測定は自分の、いやクラス全体の今後を左右することになる。だとしたら僕はーー)


 記記(ふさふみ)は、一番近くの水晶の前に並ぼうとした。


 ーーしかし、歩きだしたその瞬間、後ろから声が聞こえた。


 「なんだなんだ、ゴミどもが。なにつったんてんだとっとと測定しやがれ。殺されてえのか?」


 後ろにいたのは、女神が現れる前に少しだけいた例の屈強な男である。


 相変わらず口ば相当悪い。


 「てめぇら、なめてんのか……?お前らゴミでも列作って並ぶことくらいできんだろ?それとも主であるわれわれに逆らうのか?もっとも、逆らえば奴隷紋が反応して地獄の苦しみを味わうことになるがな!!」


 「え、まじで?」


 「ってか、奴隷紋?」


 奴隷紋と聞いて、一部の生徒は自分の体を確認した。


 ーーそして、発見する。


 「まじであんじゃん!?」


 「はぁっ!?ふざけんなよ!」


 (あっ、あった。)


 胸のあたりにタトゥーのような紋が刻まれている。


 (命令に逆らったら地獄の苦しみ……。やっぱりここは言うことをきくしかない……。)


 記記(ふさふみ)は歩きだした。


 それに釣られて歩きだす者、記記とほぼ同時に歩きだした者、未だに動こうとしない者、様々だ。


 そして、記記は測定師のもとに辿り着いた。


 「では、測定を開始します。名前をまず言ってから、手を水晶にかざしてください。」


 測定師がそう言うと、一番前に並んでいる生徒は名前を言いつつ恐る恐る水晶に手をかざした。


           *


 1列目のみんなが手をかざしたのを見て、記記も勇気を振り絞って手をかざした。


 (すごい、みんな綺麗に水晶が光ってる。)


 しかし、記記の水晶だけは綺麗な青色や赤色ではなく、黒い色の光を放っていた。


 「はい、測定終了です。結果は……、えーー……まぁ、Fランクですね。あっ……、ステータスは後で自分で確認して下さい。『ステータスオープン』と言えば見れるようになっているはずなので。……。では次の人!」


 測定師の人は何故か僕のことを哀れみの目で見ていた。


 (あっ、これもしかしてやばい?)


 測定師の人は明らかに動揺していた。


 やはりやばかったのだろうか?


 Fランクとかいかにもな感じだし……。


           *


 そうして、なんやかんだで全員の測定が終了した。


 「よーし、じゃあ早速全員のランクと職業を共有してもらう。ゴミでも相性が良い相手と協力することによって意外とマシになったりするからな。それに……」


 屈強な男が嗤った。


 「この中での力関係はランクによって決定される。ありとあらゆるものでランクによって差別があると思え。ちなみに言っておくと、この中で一番下だったやつは今日この場で処刑する。こちらが本気であることを分からせるためだ。下から1人減ったところで何の問題もないからな(笑)!」


 (えっ……、処刑ってまじ?殺すってこと?)


 (まじで無理勘弁してよ……!)


 この辺りでようやく、自分たちの置かれた状況を理解することができるようになってきていた。


 「じゃあ、早速ワースト1位を発表するぞ!」


 (僕やばいかも……)


 「ワースト1位は……、"寺田 美来(てらだ みく)"!ランクGだ。」


 そう言われて、クラス全員の視線が寺田へと集中する。


 「じゃあ早速殺すとしよう!お前らの前でぐしゃぐしゃにして殺さないと殺したと信じないかもしれないからな。」


 そう言って男は寺田の腕を掴み動きを封じた。


 「い、いや……、離して下さい!」


 「残念だがそれは無理だな〜。まぁ、運が悪かったと思うんだな!(笑)」


 男は嗤っている。


 「いや!誰か助けて!」


 寺田が悲鳴を上げた。


 ーーしかし、クラスの誰も動くことはできなかった。


 と、思われた。


 だが、1人の男が口を開いた。


 「待ってください!彼女を殺すのであれば学級委員長である僕を代わりに殺して下さい!」


 そう言ったのは、記記(ふさふみ)の親友"森 秀助(もり しゅうすけ)だ。


 「何?これは驚いたな。まさか代わりに殺してくれなんて言うやつがいるとは。そうだなぁ、じゃあここで土下座してみろ。そうすれば考えてやるよ。」


 「……分かりました。」


 秀助は土下座をした。そして、再度「かわりに僕を殺して下さい」と言った。


 「ハッハッハッ(笑)マジでやんのかよ。でもなぁ、いくらリーダーだからってこんな地味な女1人のためにここまでするか普通?


  もしかしてこいつのこと好きなのか?」


 「……。」


 「図星か。」


 「森君……」


 「良いぜ、この女な解放してやるよ。」


 そう言って男は寺田を解放した。


 それでホッとしたのか、秀助が大きく深呼吸する。


 ーその時だった。



           ドスッ!



 「えっ……?」


 秀助が顔を上げると、寺田の頭は無くなっていた。

 頭の無い胴体から、大量の血があふれ出す。


 「ハッハッハッ(笑)まじて腹痛え。バカじゃねーの!?この俺がお前らみたいなゴミとの約束なんて守るわけねーだろ!!」


 男は持っていた寺田の頭を、トマトのように握り潰した。


 「……そんな……」


 寺田は血をまき散らしながら崩れ落ちた。


 「あ゛あ゛あァァァァァァァァァァァァァァ、!?」


 秀助は完全におかしくなってしまっていた。


 「それだよそれ!その絶望の顔が見たかった!あとな、お前は能力値が高いから殺すわけにはいかないんだわ。」


 今この瞬間、僕たち1年A組は39名となった。


           *


 『寺田 美来(てらだ みく)


 クラスで目立つことはほぼなく、友達もあまりいなかった。一応三代(みよ)のグループに属しているが、あまりグループの集まりには積極的ではない。

 男に頭をもがれ死亡。



 ー第3話 完ー

 お読みいただきありがとうございます。


 次回の更新は未定ですが、なるべく更新したいと思っています。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ