3話 暗澹な道を逸れる
お久ぶりです。 かれこれ一か月くらいたったのかな? わかりませんが笑
予想より、のったりのたりと話を進めてしまってる感はありますが、まぁ頭の中では道筋は決まってる!
ということで、 お時間あればぜひ読んでもらえるとうれしいです(ー_ー)!!
夕日差し込み閉め切られた教室。 涼しげな空気を放出し耳触りな騒音を奏でる空調。
静まり返った教室に響く、筆の芯を削る音。
「思ったんだけど冷泉くんって普通に勉強することもあるんだね」
その心地よくもある沈黙を不意に破ったのは意外にも りお でなく、髪を一つに束ね垂らした総髪の少女 優木 叶音だった。
「失礼だね。 せっかく居残りさせられてるんだ、時間は有効に使わないとね、うん。 星霜同宝」
「へー。 で解った問題あった? 教えてあげようか?」
「えっ、逆じゃね? 解らないところあった? じゃね。 馬鹿にしてね?」
心に刺さる毒舌に見舞われ狼狽する僕を目の当たりにして、珍しく寡黙に筆を走らせる少女はふと顔をあげ、 にたぁ と笑って追撃と言わんばかりに煽りをいれてくる。
「あれ? 雅って平方完成できるんだね」
「逆に君たちを平方完成してあげようか。 逆に」
僕の支離滅裂で意味のわからない返しに りお だけでなく優木さんまでもが大笑いしている。
笑いに一段落着いた所で優木さんが未だ顔に笑みを残しながら口を開いた。
「冷泉くんって本当に面白い人だったのね、 りお がお薦めする訳がわかったよ」
面白いと称賛され、照れくささから体温が上昇し顔が熱い。
「いやぁー、僕はまだまだですよー」
僕は照れ隠しにそう言うと、反応を窺う前に再度宿題へと手を付けた。 それに倣う様に笑いが治まった彼女らも、再び筆を取り数字の羅列を解き始めた。
数十分経過した頃、スラスラと筆を滑らす二人のうち片方が不意に筆の走りを止めさせ、短く茶色がかった髪の毛の先を指にくるくると巻きつけては、解いてを繰り返しながら設問と見つめあい始めた。
やがて、戦いに敗れた格闘家の様に腕を垂らし、椅子に凭れ明日の方向を眺めていた。
どうやら、敗北したらしい。
「わからない問題でもあったか。 教えてあげようか」
「誰が。」
僕はそんな彼女を揶揄うように口を開くと、それを横目に りお 態とらしい溜息と共に気怠げに返す。
「優木さんが。」
「えっ、私かいっ!」
僕の唐突な会話の振りを予期していなかった優木さんは、驚きの声を上げた。
「まあ、わからないし 叶音 教えておくれ」
「私にわかる所なら、どこ?」
「一番最後の問題のx軸から切り取る線分の長さのところ」
「そこ解ければ私も終わる……」
レベルの不一致から会話に混ざれたかった僕は自分の宿題へと目を落とす。
単純な問題は解ききられ、やや複雑な問題には爪痕が残してある。
“なんで僕が真面目に勉強してるんだろう”
「あー! もうダメだ。 これ悪問だよ悪問!」
「うん、悪問だね」
そんなことを考えていると目の前の少女らは自らの力不足を棚に上げ、問題にケチをつけ始めた。
「いやいや、誰かしらは解ける人いるだろ」
そう宥める様に僕が言うと、二人は何かを思い出したかのように顔を合わせ、
「凪冴さん」
「綾香ちゃん」
と、先ほどの一件があり現在僕が一番顔を合わせづらい、冷ややかで美しい才色兼備な少女の名を口にした。
一応、予定では次に 冷ややかで美しい才色兼備な少女と鉢合わせするはずです。 冷泉くん。
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