進化してみたっ!
進化の詳細を確認してみるとそうは多く無いがクラスについての説明が書かれていたので内容を確認してみるとする。
カッパー・ミミック:全身が銅で出来ているミミック
トラップ・ミミック:スキル、魔法による罠が使える
ハイ・ミミック:コモンミミックの上位種
簡単な内容であるがそれぞれの特徴が書かれている。
情報量が少ないのは『鑑定』レベルが低いからなのかこれ以上無いのかわからないが何も無いよりはマシである。
この選択でこれからの方向性が決まる可能性があるのでここは慎重に検討していきたい。
(さてと、多少なりとも情報がわかってよかったが名前から想像したものとそこまで変わらなかったな、まあ、選んでみたら全く想定外という事が無いだけましか。)
そう考えた俺はそれぞれのクラスについて考えてみた。
(カッパー・ミミックは想像したとおり体が銅になるのか、これならいまより防御力が上がりそうだな。ただ金属になるということは自重が重たくなりそうだ、ただでさえ動けないのにさらに枷が出来るのか。)
(次はトラップ・ミミックか、スキルや魔法で罠が仕掛けられるのか、これはなかなか良さそうだけど出来れば移動するスキルがあればよかったな。)
(最後はハイ・ミミックか、上位種とあるからおそらく今までのステータス強化版になるのだろう。)
生存性で言えばカッパー・ミミックでハイ・ミミックで防御力を上げるのもいいと思うが、しかしこの二種類ではおそらく移動系や魔法系のスキルは望めないだろう。
スキルを《捕食》で増やせるとはいえ望んだスキルをもった敵が来てくれるとも限らない。
(となると、可能性があるのは魔法の罠もつかえるトラップ・ミミックか。)
結構な賭けになるが、トラップ・ミミックならかねてから望んていた移動方法を罠によって何とかできるかもしれない。
そう考えた俺はスキルを使うときと同じように頭の中で念じてみた。
(《トラップ・ミミック》へクラスチェンジ、《トラップ・ミミック》へクラスチェンジ・・・)
すると、体がうっすらと淡い光に包まれしばらくするとその光は消えてしまった。
(これでクラスが変わったのかな?)
俺はもう一度ステータスを確認してみると、以下のようになっていた。
名前:名無し
種族:ミミック クラス:トラップ・ミミックLv1
HP:39/39 MP:60/60
筋力:12 耐久:18 敏捷:0 器用:15
知能:15 精神:10 魅力:0
スキル:噛みつきLv6、捕食Lv5、舌Lv8、鑑定Lv3、収納Lv3、アイテム作成Lv3
ファイアボルトLv4、スリープLv3、音操作Lv2、隠密Lv4、物理攻撃軽減Lv1
罠作成Lv1、罠設置Lv1、魔法罠(麻痺)Lv1、偽装Lv1
収納品:錆びたナイフx3 棒x6 ずだ袋x2 ぼろい麻のロープx1 ネズミの死体X2
折れたショートソードx1 腐りかけの肉x2 虫食いローブx1 擦り切れたサンダルx1
(おお、ステータスが上がってるじゃないか特に器用と知能の上りが大きいな、トラップ・ミミックだというのが関係しているのかな。)
そしてスキル項目を見てみるとトラップ・ミミックらしい追加スキルが増えていた。
(《罠作成》《罠設置》《魔法罠》に《偽装》か魔法罠には麻痺の効果があるようだし、襲ってくる敵には有効そうだな。)
俺はそれぞれのスキルの詳細な内容を《鑑定》で見てみることとする。
《罠作成》:アイテムを組み合わせて罠を作成できる。アイテムを消費する。
《罠設置》:罠を仕掛ける、仕掛けた罠は条件に応じて発動する。
《魔法罠(麻痺)》:麻痺の効果を持った魔法の罠を作成できる。MPを消費する。
《偽装》:外見を変化させ敵を欺く。
(なるほど、作成と設置は別なのか、《罠作成》で物理的な罠が作れて、《魔法罠》で魔法的な罠が作れると・・・。《偽装》もいいなこれで見破られにくくなる。)
とりあえず、内容を確認し終えた俺は、まず他のスキルと関連性がない《偽装》のスキルから試してみることとする。
(《偽装》!)
何も起こらなかった。
(何も起こらないな・・・なぜだ・・)
俺はむむむと悩み原因を考えてみる。
(もしかして他に何か条件がいるのかもしれないな・・)
そして今までのスキルを見直してみるとあることに気がついた。
(《ファイアボルト》を使用したときに何も考えずに撃ったら見当違いの方向に飛んで行ったな・・、もしかしてそういうことか?)
俺はもう一度《偽装》スキルを使用してみる。
(《偽装》!)
すると今度は外見に変化があるのが分かった、木の箱っぽかった体が石のように変化したのだ。
(なるほど、これはスキルを使用するときに変化する形を意識していないといけないんだな。)
そして、俺は次に思いついたことがありもう一度スキルを使ってみる。
(《偽装》!)
何も変化は起こらなかった。
いま俺がやろうとしたことは大きさや形が変わらないかと思い意識しつつスキルを使ってみたのだが《偽装》スキルではそういったことはできないようだ。
同様に、表面が石のように見えているのでステータスに差があるか確認をしたが変化はなかった。
(このスキルで出来ることは、あくまで偽装であり表面を偽る程度なのだろうな。だが、色や模様が変化できるのは有用だな、木の箱ではこの石壁の部屋では目立ってしまうから場合によっては石壁に偽装して隠れることもできる。)
《隠密》のスキルもあるが認識されてしまえばいくら気配を消したところでどうにもならない、その前に見つからないための工夫が必要だ、きっとそのためのスキルなのだろう。
トラップ・ミミックらしく相手を罠にかけるのに適したスキルだ、相手はそこに何もないとすればきっと油断するだろう。
あとは無警戒でやってきた相手を罠で仕留める、なかなかえぐい方法だ。
《偽装》スキルの使い方を理解した俺は次にその仕留めるための罠スキルに何があるのか試してみみた。
(さて、まずは《罠作成》から行ってみようか。アイテムを組み合わせるとあるからとりあえず錆びたナイフを使ってみるか。)
俺はそう考えると、錆びたナイフを一本と《罠作成》を念じてみた。
しかし、いくら念じても何も起こることがなかった。
(う~む、何か間違っているのだろうか、もしかして錆びたナイフだけでは罠が作れないのかもしれないなあ。)
そう考えると、俺は複数のアイテムを組み合わせて念じてみることにした。
そうしてしばらく試していると、突然頭の中に文字列が浮かんできた。
《槍の罠を作成》
その時、俺が選んだアイテムは、錆びたナイフx1、棒x1、ぼろい麻のロープx1、だった。
(なるほど特定の組み合わせをするとそれに合った罠が作成できるのか。)
俺はそのまま《槍の罠を作成》を念じてみる、するとステータスの《収納品》の中に《槍の罠x1》が収納された。
そして使用したアイテムは消費されたせいか数が減っていた。
(《アイテム作成》で作ったアイテムの使用法がおびき寄せるための餌以外にも使い道ができたな。)
罠を作成した俺は次のスキルを使用してみることにする。
(《罠設置》のスキルか、さっき作った罠を使ってみたいところだが、使ってしまったら消費してしまう可能性があるな。)
そう考えた俺は《罠設置》と《魔法罠(麻痺)》を同時に使用してみることにする。
(《罠設置》、《魔法罠(麻痺)》)
そう念じると、俺の目の前の床に何かが置かれるのを感じた、これで設置できたのであろうか。
罠自体の見た目は何もないように見える。
しかし、自分のスキルで設置したからなのかわからないが、俺には罠がそこに設置されていることが認識できた。
試しに、その設置した罠を《鑑定》してみる、すると以下のような説明が表示された。
《麻痺罠》:対象が罠に触れると発動する。
(なるほど、さっきの光だと床に設置したみたいだから踏むと発動するみたいだな。)
そしてステータスのMPを確認してみるとMPが5減っていた。
(この程度のMP消費ならアイテムの減る物理的な罠よりも、魔法の罠の方が当分の間はよさそうだな。)
罠スキルを検証してみて多少癖がありそうなもののそこそこ使いやすいので、このクラスチェンジは成功のように思えた。
(あとは、レベルを上げて移動系に使えるスキルを覚えてくれれば万々歳なのだが。)
そう考え、結局はレベルを上げないと先のことはわからないので、いいスキルが来ることを祈りつつレベル上げに精をだす俺であった。
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