箱の中の人、考えてみたっ!
レベルアップの条件について俺はあれこれと考えていると、再び入口の方から足跡が聞こえてきた。様子を伺っていると扉の影から先ほどと同じようなゴブリンが姿を現す、今回は一匹のだけ様だ。
そしてそのゴブリンは部屋を見渡し俺を見つけると先ほどのゴブリンと同じように俺に近寄ってきた。俺はすかさずそのゴブリンに《鑑定》を使用する。
名前:名無し
種族:ゴブリン
クラス:ゴブリンファイターLv3
HP:10/10
MP:4/4
装備:皮の鎧、短剣
先ほどのゴブリンより若干レベルが高いそれに装備も質が良い様だ、先ほどのゴブリン達のリーダーなのだろうか、しかしこのくらいの強さならレベルが上がった俺なら問題なくやれそうだ。レベルアップの条件についてもそう急に確認が必要だしな、ソロなのは丁度いい。
『良し、こいつで検証してみるか』
そう決めた俺はそのゴブリンが近づいてくる様子を静かに見つめる、そのゴブリンは先ほどのゴブリンと同じように警戒する様子もなく俺に近づいて来て蓋に手をかける。俺は抵抗せずに蓋をあけるとゴブリンは箱の中に頭を突っ込み中を覗き込んでくる。
その瞬間俺は《噛みつき》を発動した。頭を蓋の中に突っ込み無防備な状態のゴブリンの首をそのまま噛み千切る。完全に油断していたゴブリンは何の抵抗もできずに頭を千切られ、頭を千切られた胴体だけが俺によりかかりビクビクとしている。俺は一旦そのゴブリンの死体を舌を使って吐き出してステータスを確認する。
名前:名無し
種族:ミミック
クラス:コモンミミックLv2
HP:15/15 MP:20/20
筋力:4 耐久:9 敏捷:0 器用:3
知能:4 精神:2 魅力:0
スキル:噛みつきLv2、捕食Lv1、舌Lv2、鑑定Lv1、収納Lv1、アイテム作成Lv1
収納品:錆びたナイフx1
『ぐふっ、レベルが上がっていない・・・』
倒しただけではレベルが上がっていない状況を確認し俺は絶望を覚えた。しかし、まだわからない、たまたま一匹では上がらなかっただけかもしれない。俺はそう考えて死体を処理に掛かる、《舌》と《捕食》を発動し目の前に転がっている死体を口の中に持っていき咀嚼する。
『ぐえ~、やっぱりクッソ不味い』
俺は吐きそうになりそうながらも何とかゴブリンを飲み込み、そして祈りながらステータスを確認する。
名前:名無し
種族:ミミック
クラス:コモンミミックLv3
HP:17/17 MP:25/25
筋力:5 耐久:10 敏捷:0 器用:4
知能:5 精神:2 魅力:0
スキル:噛みつきLv2、捕食Lv2、舌Lv2、鑑定Lv1、収納Lv1、アイテム作成Lv1
収納品:錆びたナイフx1
俺は絶望した・・・・orz。
『くうっ、この結果だけは避けたかったのに~』
どうやらレベルを上げるには激マズの《捕食》をしないといけないようだ。この結果にだけはなってほしくはなかったが《捕食》をした結果レベルが上がっているのは紛れもない事実。俺はこの結果に顔を背けたかったがそうしたところで結果が変わるわけでもない。
『仕方ない、生き延びる為だ・・・、しかしもうすこし味の方がどうにかならないものだろうか・・・』
俺はため息を付きつつこれからのことを考える。結論としては当面は同じように《捕食》をしてレベルを稼いで生存率を上げていくしかない。甚だ残念な結果にはなったがレベルを上げる方法は分かっただけでも良しということにしておこう。
だがレベルを上げる方法は分かったが他にも問題はあることに俺は気づく、それは箱の俺には足が無いということはすなわち移動することが出来ない、いつまでたってもこの場所から動くことが出来ないのだ。早急に何らかの移動手段を考える必要がある。
しかし、現状の状況や手持ちのスキルを考慮しても良い解決策がなかなか浮かんでこない、だが考え無い訳にもいかず悶々と考え続ける俺であった。
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