隠れてみたっ!
こちらに近づいてくる者たちに見つから気づかれないように元来た方向の通路へと静かに移動する俺たち、そして通路の途中にあった瓦礫の陰に身を竦め《隠密》で気配を隠す。
そしてそっと今来た通路の方を覗き込む。
しばらく通路の様子を伺っているとこちらに向かってくる者たちの姿が松明の光に照らされてだんだんと見えてきた。
その様子を観察すると武器は抜き身で装備しており、辺りを警戒しながらこちらへと進んで来てはいるが、動きはそれだけで他に際立った動きは見られなかった。
どうやらその者たちはこちらに気が付いてここに来た訳ではなさそうだ。
(俺たちの会話が聞こえてこっちに来たわけじゃ無いみたいだな・・・)
その人影達は何やら話しながらこちらに向かってきている、そして会話の内容はダンジョンの壁で反響して音は小さいがこちらにもその内容が伝わってきた。
「やはりこちらが本命の通路だったかっ!」
「やはりって・・・向こうは行き止まりだったし、そりゃあもうこっちしかないでしょうねえ」
「なんか俺は知ってた感出すのやめてよねジャン、それちょっとイラっとするから」
「ジャンの戯言はいつものことだろ・・・」
その話声と松明の光の陰からどうやら四人組の男女のようだ。
「それにダンジョンの中なのにそんなに大きい声だしたら魔物に気付かれるでしょ・・・」
「はっ!ここはダンジョンの地下一階だぜっ?、それに出てきたのもゴブリンやジャイアントバット程度の雑魚ばかりだしな、不意さえを突かれなきゃどうってことないぜっ!」
「油断していると足元をすくわれますよ?」
会話の内容からするとこのダンジョンを探索しに来た者たちのようだ、多分モニカの言っていた冒険者ってやつで間違いないだろう。
そしてその冒険者たちは話ながらもどんどんこちらへ向かって来ている。
だいぶ姿が見えてきたので俺はその四人組を《鑑定》してみることにした。
名前:ジャン
種族:人種 クラス:戦士Lv6
HP:35/35 MP:3/3
筋力:25 耐久:21 敏捷:16 器用:15
知能:10 精神:11 魅力:9
装備:ポールアックス、ブレストアイアンプレート、アイアンマスク、アイアングリーブ、
アイアンガントレット、皮のマント、丈夫な布の服、インナー
スキル:スマッシュLv4、罠解除Lv1、鍵開けLv2
名前:ホルガ―
種族:人種 クラス:重戦士Lv6
HP:45/45 MP:2/2
筋力:25 耐久:28 敏捷:8 器用:9
知能:11 精神:15 魅力:7
装備:グラディエーター、アイアンシールド、ブレストアイアンプレート、
アイアンマスク、アイアングリーブ、アイアンガントレット、
皮のマント、チェインメイル、丈夫な布の服、インナー
スキル:シールドバッシュLv4、スラッシュエッジLv2、物理攻撃軽減Lv2
名前:マノン
種族:人種 クラス:僧侶Lv5
HP:21/21 MP:38/38
筋力:18 耐久:15 敏捷:13 器用:15
知能:19 精神:25 魅力:15
装備:ブロンズメイス、バックラー、修道僧の服、修道僧の帽子、
チェインシャツ、レザーグローブ、レザーブーツ、布のマント、インナー
スキル:ヒールLv6、キュアLv5、プロテクションLv3、
マジックレジストLv3、クリエイト・ウォーターLv6、
ブレスLv4、ヘビーストライクLv2、ライトLv5
名前:リヒャルダ
種族:人種 クラス:魔術師Lv6
HP:15/15 MP:54/54
筋力:13 耐久:11 敏捷:10 器用:21
知能:29 精神:20 魅力:9
装備:魔導士の杖、魔導士の帽子、ローブ、レザーブーツ、インナー
ルビーリング、トパーズリング
スキル:ファイアーボルトLv6、ファイアーウォールLv4、
レイ・オブ・フレイムLv3、ライトLv6
クレイシールドLv5、サンド・ブラストLv4
リード・マジックLv5、ディテクト・マジックLv6、鑑定Lv1
鑑定結果を見ると思った通り冒険者のパーティーの様だ、しかしモニカを奴隷にしていた盗賊たちとは随分と強さが違う、装備もあの盗賊達よりも良いものを装備していた。
(これは戦ってどうにかなる相手じゃないな・・・、それに《鑑定》スキル持ちもいるし見つからない方がよさそうだ・・・)
その四人はこちらへ向かい通路を進んできて、先ほど俺たちが発見したゴブリンの死体のところで足を止め何やら話し始めた
「さっき殺したゴブリンがいるからこの先はまだ探索してない通路だなっ、俺の感はこっちが怪しいといっているっ!」
「さっきはあっちの通路が怪しいって言ってたよね?だからわざわざ戻って探索したんだけど?」
「・・・」
会話の内容だとその四人は一度はこちらの通路に来たようだがジャンという戦士の意見でいったん引き返したみたいだ。
(そのままこちらに来られてたら隠れる場所の無いところで鉢合わせしてたかもしれんな、ジャン君グッジョブ!)
同じパーティーの二人の女性に攻め立てられ困り顔のジャンを尻目に俺は心の中で感謝をしておいた。
女性二人に囲まれて愚痴を吐かれるジャンを見かねて重戦士のホルガーが仲裁に入る。
「そこまでにしておけ二人とも、ジャンのことを言えない程度には声が大きくなっているぞ、ここはダンジョンの中だ、いくら序盤の階だと言っても油断しすぎだ」
「でもでもホルガー、自分の間違いを認めないこいつが悪いと思わない?」
「そうは思うがな・・・でも、こいつが馬鹿なのは二人ともよく知ってるだろ?」
「まあ、そうなんですけどね~」
「それに序盤のこんなところでもたもたしていても仕方が無い、先に進む方が重要だ」
「う~ん、ホルガーが言うなら仕方ないか・・・、ジャンちょっとは反省しなさいよね!」
魔法使いの女性、リヒャルダがジャンをキッと睨みながらそう言葉を吐いた。その言葉にバツが悪いのかジャンは「わ、わ~たよっ」と一応は反省しているような返答をした。
そしてその四人は問答が終わったからか再びこちらへと歩きだしてくる。
その四人組を見て俺はこの後のことを考える。
(やはりこちらの通路に来るのか・・・、不味いな、瓦礫に姿を隠して《隠密》スキルも使っているが体は完全に隠れていない状況だ、振り向かれたら気がつかれる可能性があるな・・・)
そして、モニカの様子を見ると俺を抱きしめる手に力が入っており若干震えている。
(怯えているのか・・う~んモニカの為にも万が一にでも見つかりたくは無いな、会話からだと前の盗賊より人格的にまともに感じるがこちらに対して友好かどうかはわからないしな、それに俺は魔物だしモニカは元奴隷だしな、そして前にモニカに聞いた話だとダークエルフの世の中の立ち位置はあまりよくないみたいだからな)
俺はそんなことを考えつつ、いまよりさらに隠れるために良い方法は無いかとあたりを見渡す。
そうすると瓦礫と石壁の間に大きくはないが何とか潜り込めそうな隙間があるのを見つけたのだった。
俺は急いで舌でモニカの肩をたたき、モニカが気がついたところでその瓦礫の隙間を舌で指した。
モニカは俺の意図に気がついたのか、俺を先に隙間に押し込みモニカがそのあとに続いて屈みこんで入ってきた。
そして先に入った押し込まれた俺だがその中で意外なものを発見することになった。なんと瓦礫の隙間の石壁側に小さいが通路が見えてきたのだ。
子供程度しか入れないような通路だがモニカの体格なら十分入れそうだった。そしてその通路の中を見ると少し先で行き止まりになっており中には何もいない。絶好の隠れ場所だ。
(この中に隠れればまず見つかることはなさそうだな・・・)
俺はそう判断しもう一度舌でモニカの肩をたたきそして通路の方を舌で指す。
モニカもその通路に気がついたようでコクコクと頷き俺を前に押し込みながら自分もその通路に入ってくる。
(これで大丈夫そうだな・・・)
俺はその通路に入ったことで、これで見つからずに済むと安心してしまった。
しかし、これがいけなかった・・・・・・・。
これで問題なくやり過ごせると、こんな怪しい通路を何も確認せずに奥へ進んでしまったのだ。
そしてそれは訪れてしまう・・・
通路を奥へ進んでいくと突然床が薄暗く光りだしたのだ。
そしてその光を見た俺はハッとする。
(なんだこれはっ、これは俺の魔法罠のようじゃないかっ、まさか!?)
その様子で罠だと気づいた俺だったが、時すでに遅くその罠は発動してしまう。
何らかの罠が発動し一瞬の間、俺たちは暗闇に包まれる。
そして、次に気がつくとそこは元居た通路ではなく見知らぬ部屋の中へと変わっていたのだった。
お気に召されたら☆をお願いします。(/・ω・)/
小説 :https://ncode.syosetu.com/n3914et/
絵 :https://www.pixiv.net/member.php?id=894727
twitter:https://twitter.com/ghost66698




