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ゴブリン、頑張って生きる。  作者: はちみやなつき
Ⅲ 引越し、そして進化
98/222

98.部屋を装飾してみました。

 さて、【細工】を早速始めていこう。

 まずはこの植物から。



 フワンネツゴウ草

 フワン大陸の熱帯に生息する植物。

 高温と湿気が必要なため、熱帯でしか見ることはない。

 だが生息地ではとても力強く生え、中には二メートルを越すものもある。



 この地に来てから、初めて出会った植物。

 フワンネツゴウ草。

 これで何が作れるんだろうか?

 細工リストを見てみよう。



 グリーンリース

 グリーンペンダント



 少なっ!?

 うん、そういうこともあるか……

 とりあえず後でグリーンリースだけ作っておこう。


 その次の植物はこいつだ。



 フワンネツフワ草

 フワン大陸の熱帯に生息する植物。

 高温と湿気が必要なため、熱帯でしか見ることはない。

 上質な綿状がこの草から採取できるので、頑張って取りに行く価値はある。



 うん、これは期待できそうだな。

 細工リストを見てみよう。



 極上綿花

 地獄綿花



 綿花きた!

 フワンポイズ草の代わりに使えそうだな、これ。

 クッションとか色々作るのに役立ちそうだ。

 この草の事は覚えておこう。


 さて続いては……



 フワンネツド草

 フワン大陸の熱帯に生息する植物。

 高温と湿気が必要なため、熱帯でしか見ることはない。 

 この草の成分は土を固くする効果があり、建築に有用な植物である。



 ケロマが大量に取ってきていたこの草。

 まあここに置いてあるのは俺自身がとってきた物だけど。

 何か大量に取ってくるだけの理由があるんだろうか?

 あまり【細工】には向いてなさそうではあるが。

 とりあえず細工リストを見てみよう。



 グリーンタイル

  


 一種類だけか……

 でもタイルか。

 壁とかに埋め込むともうちょっと部屋っぽくなるかもしれないな。

 ちょっと考えておこう。



 こんな感じで全五十種類、様々な植物を見ていった。

 すると目ぼしいものといえば、



 グリーンリース

 極上綿花

 グリーンタイル

 ペイントインク

 グリーンキャンドル

 ウッドタイル

 グリーンクローゼット

 グリーンハンガーラック

 グリーンハンガー



 これ位だろうか。


 まあ柔らかい系の家具、ソファーとかクッション、ベッドなどは極上綿花で何とかなりそうだ。

 まさかのハンガーとそのハンガーをかける家具も作れそうだ。

 これで服を大量に作っても収納できるな。


 どうしても植物由来だからか、緑色のものばかりできそうだな。

 だがそこは塗料に使われるという植物からできるペイントインクというもので着色はできそうだ。

 それで色のバリエーションも増やしていけたらいいかも。



『何か作れそうか?』

『ああ、何かしらは作れそうだ。とりあえず役に立ちそうなものを一通り作ってみるか?』

『そうだな。そうしてくれた方がオレ達も助かる』



 一人で悩んでいても仕方ないもんな。

 まず作れるものを作って、それからどうするか考えるか。



 こうして俺は家具有力候補となる物を一通り作ることにした。



{ グリーンリースを入手しました。 }

{ 極上綿花を入手しました。 }

{ グリーンタイルを入手しました。 }

{ ペイントインクを入手しました。 }

{ グリーンキャンドルを入手しました。 }

{ ウッドタイルを入手しました。 }

{ グリーンクローゼットを入手しました。 }

{ グリーンハンガーラックを入手しました。 }

{ グリーンハンガーを入手しました。 }



 ふう、疲れた。

 一つ作るのに一分かからないとしても休憩を挟んだりして十分位はかかってしまうからな。

 その間集中しないといけないし、結構疲れるもんだ。



『結構色々とできたな。何かしらは装飾できそうだ』

『だが、あんまり拙者には芸術的センスに自信はない。飾りつけは任せる』

『カンガやケロマにお願いした方が良さそうだな。オレもそういうことには疎いんだ』



 ブルールもグリザーもあまり装飾に興味がないようだ。

 まあブルールはそもそも部屋みたいなもの自体作らないもんな。

 グリザーに関しても、リザードマンという種族自体があまり部屋を飾らないのかもしれないし、興味ないのかもしれない。

 リザードマンの村にあった建物は結構飾り気がなくてシンプルだったしな。


 でもだからといって俺に任せられてもなぁ……

 俺、そんなに芸術に興味なかったし、うまく装飾できる自信がないぞ。

 ケロマに任せきりにするのも危険すぎるし、やるしかないんだろうけど。



『分かった。じゃあとりあえず俺の考えを言うから、何かおかしな所があったら言ってくれ』



 俺の言葉にうなづく三人。

 ケロマが何だか上の空になっていて、返事が遅れていたのが気になるが、まあ大丈夫だろう、きっと。



 俺の考えはこうだ。


 まず、基本的に床や天井、壁などはウッドタイルで埋め尽くす。

 前世でいうフローリングみたいな感じに敷き詰められたらいいなと思っている。

 ウッドタイルは形がタイル状なだけで、肌触りは木造建築で使われる木とほぼ変わらないので、ログハウスみたいな風にできるのだ。

 そうすることで落ち着いてくつろげる雰囲気になると思うんだよな。

 

 そしてアクセントにペイントインクで着色したグリーンタイルをあちこち貼り付ける。

 まあ一種の遊び心みたいなものだからほんの少しでいいんだけどな。

 ちょっと色鮮やかにするのもいいだろう。


 また、共有スペースにグリーンクローゼット、グリーンハンガーラックなどを設置して、衣服や防具を管理するスペースを作る。

 自分の部屋はそんなに広くないからそういう衣服収納スペースがないからな。

 一番広い共有スペースに収納場所を置いておくと良いと思うんだ。


 その考えをみんなに伝えると。



『大体いいんじゃないか。服に食べ物の匂いがつきそうな気もするが』

『拙者も異論はない。だが植物を置いた方が目の保養になってさらに良くなるのではないか?』

「………………」



 大筋に関してはみんな文句ないようだ。

 後はブルールの言う、衣服に付着する匂い対策を何とかしようか。

 観葉植物はその辺からとってくればいいだろ。



 匂い対策で何か良さそうなのが確かあったんだよな……

 えっと、これだ。



 フワンネツスミ草

 フワン大陸の熱帯に生息する植物。

 高温と湿気が必要なため、熱帯でしか見ることはない。

 この植物は見た目だけでなく、消臭効果がある点でも炭に似ている。



 うん、消臭効果があるって説明にもあるもんな。

 この草をクローゼットの中とか、ハンガーラックの近くに置いておけば何とかなるだろ。

 それでもあまりに匂いがとれなければ【浄化魔法】で何とかすればいいしさ。



『カンガ殿、実は拙者、こういうものを持ってきていたのだ。どこかで育てても良いか?』



 そう言ったグリザーは四つの種を見せてきた。



『どうしたんだ、この種?』

『拙者達リザードマンに伝わる植物でな。旅の無事を祈る縁起の良いものと言われているんだ。せっかくだし、そのような植物があった方が良いと思ってな』



 リザードマンに伝わる植物か……

 ちょっと【観察】で確かめてみよう。



 リザード・オラシオン

 リザードマンの間に伝わる植物。

 個体によって様々な色があり、そしてその丈夫さから、旅の無事を祈るための縁起を祈る装飾品に使われる。

 観葉植物として育てられることもある。



 へえ。

 確かにグリザーの言う通り、縁起の良いものらしいな。

 ちょうど観葉植物にもなるのか。



『ああ、是非育ててみてくれ』

『恩に着る。この植物は拙者が責任を持って育てる故、カンガ殿は気にされなくても良い』



 うん、その方が助かる。

 俺、結構忘れっぽいから、そういう継続的に水をあげないといけない植物の育成とか苦手なんだよな。

 多分俺に任されたらすぐに枯らしてしまいそうで申し訳ないしな。

 ここはグリザーに任せよう。



 こうして俺達は部屋の装飾を始めた。

 といっても、材料が足らなかったりするので、一回また外に出て、必要な植物を大量に採取するハメになったが。

 でも一回採取してしまえば、必要な道具に【細工】するまでには時間はかからない。

 すぐに装飾品を作った俺はそれをみんなで手分けして部屋を装飾することにした。


 正直これにはかなりの時間がかかった。

 部屋を作るときは勢いよく進めることができたが、装飾は一つ一つ手作業で行うため、とても進みが遅い。

 俺は【加工】と【念力】を使って同時に作業はできるが、それでもせいぜい二人分の働きにすぎないしな。

 こうして数時間をかけて、ようやく全部屋の装飾が完了した。


 もう日は完全に沈み、夜になっていた。


 部屋の中にはケロマが作りだした照明器具が部屋を照らしている。


 

『ようやく終わったな……疲れた』

『お疲れ様、カンガ。……疲れている所悪いんだが、ちょっと休んだら夕食を作ってくれないか? もう腹が減って死にそうだ』



 ぐったりとしているブルール。

 どうやらよっぽど疲れたらしい。


 そりゃそうだよな。

 結構今日だけでもだいぶ色々あったし。

 人間の町に行ったり、川の龍に会ったり、熱林に来たり。


 俺だってもう腹が減って死にそうだわ。

 力が出ないくらいに。

 どうしてこんなに腹が減っているんだ?


 ……って、そういえば今日、昼食も食べてないじゃねーか。

 色々あってすっかり忘れてたわ。


 それでよくブルールは文句言わなかったよな。

 あっ、そういえばブルールは人間の町で甘い食べ物を食べたんだっけ。

 もしかしてグリザーとケロマも食べているのか?

 俺だけ食えてないんじゃ?



 ……まあ、別にもう起きてしまったことは仕方ない。

 気持ち多めに料理を作ればいいか。



 こうして俺は小休止してから夕食作りを始めることにした。

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