表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゴブリン、頑張って生きる。  作者: はちみやなつき
Ⅵ 真相を求めて
163/222

163.レベル上げをすることにしました。

 ショッピングをした翌日。

 再びギルドの建物の中に俺達は入っていき、情報収集を始める。

 だが、この日も残念ながら収穫はゼロ。



「ねえ、こうなったらまた今日もショッピングしない? 情報がなければ何もできないんだしさ」

『いや、さすがにそれはダメだ。たまに息抜きする程度ならいいが、それに慣れてしまっては緊張感が抜けて力が発揮できなくなる』

「うっ……確かにそうかも。あー、またショッピングできたら良いなと思ったけど、仕方ないかー」



 そう言ってがっかりとするケロマ。

 それに対し、ほっと胸を撫で下ろす俺。

 ……べ、別にまた色んな店まで付き合わされずに済んだからほっとしている訳じゃないからな!?


 息抜きはやり過ぎると、かえっていざという時に力を発揮できなくなる。

 何事もほどほどが良いのだ。

 それに進展がなくてもできる事ならある。



『ブルールの元パートナー、デュラスはとても強かった。このままの状態でデュラスと戦っても、勝てない可能性がある。だからこういう時にこそ、俺達は鍛錬が必要なのかもしれないぞ』

「鍛錬、ねぇ……。つまりはレベルアップをしておくって事ね?」

『そういう事だ。何かレベル上げにちょうど良い依頼ってないのか?』

「……ちょっと待っててね。探してくる」



 ケロマはそう言うと掲示板の方へと向かっていき、一つの紙を破って来て、こちらの方に戻ってきた。



「これなんかどうかしら?」



 ケロマが持って来た紙を見てみる俺。

 その内容は以下の通りだ。



サンドドラゴンの討伐

難易度A

報酬10000fw

内容

砂漠に出現するサンドドラゴンの討伐依頼である。サンドドラゴンの砂袋を見せる事で依頼達成となる。



 サンドドラゴン……。

 ドラゴンという位だから相当強いんだろうな。

 今まで出会ってきたドラゴンはみんなステータスを見る事ができない、格上の相手だったしさ。


 それに難易度はAか。

 今のケロマはランクBのはずだが、格上の依頼を受けても大丈夫なものなのか?



『ケロマ、これは難易度Aの依頼みたいなんだが、受けても大丈夫なのか?』

「ええ、問題ないわよ。あくまで推奨ランクというだけだから、極端にいえば、ランクEの初心者がこれを受けてもいいって訳。そして依頼を成功したらその分ランクは上がりやすくなる」

『ただそれだけ命を落とすリスクも高いという事だよな?』

「当然。だけど恐らく今のみんなならサンドドラゴン程度になら勝てるはずよ。ランクAでも問題ないわ」

『そうなのか? ドラゴンという位だからだいぶ強いものだと思っていたが……』

「ドラゴンは基本的には強いけど、サンドドラゴンはドラゴンの中でも生息数が多く、そして弱い部類に入るの。レベルにすると70台といった所かしらね」



 なるほどな。

 レベル70台、つまりは今の俺達と同じか、少しだけ格下の相手という事になる。

 確かにそれなら訓練にはもってこいの相手って訳だな。



『そういう事なら大丈夫そうだな。ちなみにどこに生息しているんだっけ?』

「北にある北メルデサーナ砂漠に生息しているわ。歩いて向かうのは厳しいから、ターニャのペガサスを借りた方が良さそうね」

『という事だそうだ。ターニャ、お願いできるか?』

「ええ、もちろんですよ、カンガ様。みんなで頑張って依頼を達成しましょう!」



 という事で、俺達は街の外へ出てから、ターニャのペガサスに乗って、北メルデサーナ砂漠まで向かう事にした。




「この辺りで良さそうね」



 そう言ってケロマは砂漠の大地にペガサスを着陸させる。

 俺達もケロマの近くにペガサスを着陸させた。


 辺りは一面砂だらけであり、そんな砂地に時々生物らしきものが動いている様子が見える。



『この近くにサンドドラゴンはいるものなのか?』

「ええ。そしてある物を使うと、飛び出してくるのよ。ちょっと耳を塞いでいてね」



 へっ、耳を塞ぐ?

 よく分からないが言われた通りにしてみる俺。

 みんなが耳を塞いでいる様子を確認したケロマは、バッグの中からとある丸い球みたいなものを取り出し、そしてそれを全力で遠くへと投げた。

 すると……



 ズドォォォン!!!



 う、うるせぇ!?

 低音の爆音がじんじんと耳の奥まで響いてくるんだが!?

 耳を塞いでいるのに、耳にジンジン響いてくるなんてどんだけうるさいんだよ、これっ!?


 こうして、とてつもなくうるさい音が砂漠中に響き渡る事になった。

 うるさいと感じるのは俺達だけではないようで……。



 ギュルワーン!?

 グリュチュチュチュ!?

 ジャロラララ……



 砂の中から次々と飛び出しては倒れていく砂漠の生物達。

 ほとんどの生物が倒れていたのに対し、倒れずにこちらに対し威嚇してくる大きなトカゲの姿があった。



「……くるわよっ!? ウィンドシールド!」



 大きなトカゲが俺達に対して砂のブレスをはいてきたが、ケロマがシールドを張って対抗。

 ブルールがバインドを使って相手の動きを封じ、グリザーとターニャが水の魔法を使って攻撃。

 そして俺が加工を使って足場を作り、空中から剣で切り裂く事によって、そのトカゲにとどめをさした。


 ……うん、あっという間だったな。

 とりあえず、本当に倒せているのか確認してみるか。



 サンドドラゴン LV77

 HP   0/6091

 MP 283/ 323

 攻撃力   1782

 防御力    824

 魔法攻撃力  378

 魔法防御力  391

 素早さ   1001

 スキル 潜伏 砂ブレス 砂魔法



 どうやら本当に倒せているようだ。

 というか、コイツ、レベル77もあるのに弱いな。

 いや、前に戦ったケルベロスが強すぎるだけなのか。

 やっぱり同じようなレベルでも種族によって強さにだいぶ差があるんだろうな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ