狂。
少し、分かりにくいかも知れませんん(汗)
最後まで読んでいただければ、全てを見通すことが出来ると思います。
少し、凝ったものになってしまいましたw
しかし、解ったときにはきっと、『あぁ、なるほど』と思っていただけると思います。
ひらり。
ひら。
ひらり、ひらひら、ひらひらり。
周り散りゆくは紅い花。きれいなあなたの紅い花。
私の瞳にあなたの紅。
ひら、ひらり…………。
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最近、視線を感じる。
どうしてもぬぐえない視線を、背中にひしひしと感じる。
最近、いつも目に入る人がいる。
常に視界から消えることない人。そう、常に。
『 ス ト ー カ ー 』
彼女は歩きながらそう呟いた。
常に近くにいる、私の視界から消えてくれない彼。
でも、親には言えない。言わない。
ストーカーされている、何て言ったら心配させてしまう。なんだかんだ言って彼女も親が好きなのだから、極力心配はかけたくない。
ストーカーは同じクラスの男子。冴えなくて特にモテるわけでもないし、勉強ができるわけでも、運動ができるわけでもない。まさしく平凡の代名詞のような少年だ。
それにたいして彼女は世に言う才色兼備。
黒く艶やかな髪に、珍しい紅の瞳。
常に周りには人がいて、明るい空気に生きる少女。
彼女はその事も知っていた。
(そう、いいの。いつか彼もわかるでしょう…こんな行為は無駄だって。)
彼女が家に入ると、少年は自分の家に帰って行く。
心でクスクスと少年を笑いながら彼女はゆっくりと、少年の家を見る。
(彼の家はあそこ。いつもストーカーされてるから、もう覚えちゃった…ふふっ……ばかね。)
なんて、一人自分の部屋でクッションを抱き込む。
明日も明後日も明々後日も、きっと変わらない日々をなんとなく自覚しながら、少女は一人眠りについた。
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ストーカーが増えた。
二人になった。
(私、ついに女の子にも好かれるようになってしまったみたい…困ったわ……)
少女だけでなく、常に視界から消えない少女。
チラチラと私を見ている少女。
その日もゆたりと、彼女は帰路につこうと歩み出す。
いつも通り、視界に入るのは二人のストーカー…
-- ア レ ?
(お、かしい…おかし、い…おか…し、い……おかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしい)
が、キスをしている光景。
再び彼女は少女からの視線を感じる。少女からの言葉も、感じた。
ワカッタデショ?
--コノヒトハワタシノモノ--
雨が彼女を濡らしていく。
彼女の表情は、雨に流されてわからない……。
それでもなぜか、彼女は笑っているように見えた。
その日、一つの遺体が道路で見つかる。
とある高校の、しがない女生徒。
その場には靴が3足。もう一人の靴の所持者は何処へ行ったのか……未だに解明はされていない。
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いらない、私以外を見るあなたなんていらない。
私だけのあなた、私だけのもの。
あんな女に渡すものですか。
『おそろいね。』
そう言って笑う彼女の手には、赤い液体を瞳にためて、紅くなった一人の少年の瞳が映る。
『寒いよね、暖めてあげるから…ね?』
冷たい少年の体を抱き締める。
かたん、と一足だけの靴が少年の足から脱げ落ちた。
"I always with you"
わかっていただけたでしょうか?
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。