「ヒューマンストーリー」 四話:避難
無線「警視庁から各局 警視庁から各局 現在王子管内で大規模な暴動が発生中 自ら隊 機捜隊 遊撃隊 は付近移動願いたい 以上 警視庁 」
無線「ピ・・・」
剛さんは無線を切った。
剛「クソ!一体どうなってんてんだ!」
剛さんは声を荒げてそう言った。そう言ってると大通りに出た。辺りには血しぶきが飛んでおり、先ほどまでの起こっていたであろう惨状を物語っていた。
剛「一気に切り抜けるぞ!シートベルトしっかり締めとけよ!!!」
剛さんは一言そう言うと、一気に車を加速させた。そうこうしているうちに、幹線道路に出た。よく見てみると、検問から封鎖に切り替えられていた。そうこうしているうちに一人の警察官がこちらへ近付いて来た。どうやら剛さんと何か話している。
剛「okみたいだ、よし脱出だ!」
すると後ろの方で爆発が起こった。
警察官A「バリケードが破られたぞ!」
警察官B「おい!早く行け!」
剛「おう!悪いな。お前も気をつけろよ!」
警察官B「俺に構うな!早く行け!」
剛「あぁ、本当にありがとう・・・」
剛さんはそう言うと車を走らせた。
----- 3時間後-----
それからどれ位眠っていたのだろうか。車は止まっており剛さんは居なかった。
「剛さん?」
すると剛さんが車の外から出てきた。
剛「あぁ、すまない。どっかがイカれたようだ。ここからは歩きだな。」
「いえ、剛さん、ここまで連れて来ていただき本当にありがとうございます。」
剛「何言ってんだ、お父さんに会うんだろ?頑張るのはこれからだ!」
「はい!ところで・・・ここはどの辺りなんですか?」
剛「山梨県の樹海だな。」
「え!?なんでそんな所に?」
剛「感染者を避けるために人が少ない所を迂回して来たんだ。」
「なるほど。」
すると近くの茂みから一人の感染者が出て来た。
剛「ラジオで頭に損傷を与えると動かなくなるって言ってたな・・・。最終手段だこれをついに使うか・・・」
剛さんは腰につけていた拳銃を握りしめそう言った。
剛「耳と目を塞いでろ・・・」
剛さんがそう言うとバンっと一発の銃声が鳴った。
剛「はぁーはぁーはぁー、あぁ、すまない取り乱してしまったようだ。これで服務規律違反と殺人、更に銃刀法違反で銃加重所持か・・・」
「ぼ、僕が言うのもなんですけど、し、仕方ないですよ、き、緊急事態なんですから、だからあんまり気を落とさないでください!あの、こんなことしか言えなくてすみません・・・」
するとまた茂みの方から音が聞こえた。剛さんはまたそっちに向かって銃口を向けた。
自衛隊「こっちの方から銃声が聞こえたぞ!」
すると茂みから5人の自衛官が出てきた。
「自衛隊だ!あ、あのすみません。助けてください!」
その自衛官はこちらに気付きこっちに向かって来た
自衛隊「生存者か?まぁコミュニケーションがとれてるし大丈夫か。」
剛「自衛隊の方ですか?」
自衛官「はい、一応。」
剛「申し遅れました。警視庁王子警察署の斉藤です。」
自衛官「こちらこそ、練馬駐屯地の坂田です。」
剛「何で自衛隊がこんな所に?」
坂田「自分たち、駐屯地から脱走して来たんです。あの暴動で、出動命令が自分たちにでなくて、駐屯地が襲撃されたどさくさに紛れて武器と車両を持ち出して逃げて来たんです。」
剛「実を言うと自分たちも東京から脱出して来たんです、とりあえずお互いの情報を交換しましょう。」
坂田「そ、そうですね。えっと自衛隊の情報としては、多分都内の駐屯地は全滅だと思います。他の方面隊は出動命令が降りてないため駐屯地で待機していると思います。装備としては、食料4人分と武器が9mm拳銃6挺、弾が72発です、あとは向こうの道路に軽装甲機動車を停めてあります。その車に無線機が積んであります。こちらの装備は以上です。」
剛「武器が充実してますね。こちらの情報は警視庁、警察庁共に連絡をとっていないので、安否は不明です装備は武器がニューナンブM60が一挺、弾が5発ですと伸縮式特殊警棒です。あと無線機があり、あと食料が2人分です。あのこれからこの悠馬君のお父さんが県警本部長をやっている県警へ行こうと思ってるいるんですが、一緒にどうですか?あなたたちが居てくれれば心強ですし。」
坂田「それは本当ですか?そこの県警本部が機能しているならぜひとも同行したいです。とりあえず、今日はもう遅いので寝ましょう。明日の朝5:00時に作戦を練りましょう。」
剛「分かりました、それでは。」