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「ヒューマンストーリー」 十六話:遭遇

-----八月二十日・am5:45・静岡県・静岡市-----


必死の思いでスーパーを後にした俺たちは、手に入れた消防車を利用して静岡県の西部地方を目指していた。

「・・・・・・」

橋川「おじさん・・・」

「おはよう。ずいぶんと早いじゃないか・・・」

橋川「うん・・・」

「・・・・・・」

橋川「ねぇ、おじさん。」

「なんだい?」

橋川「水野さんのことは・・・」

「あぁ、あいつは・・・最後まで消防官として・・・市民を守るという職務を・・・果たせていたと思う・・・」

橋川「・・・・・・」

「今は・・・それしか言えない・・・」

橋川「うん・・・」

「寝なくていいのか?」

橋川「私は大丈夫。」

「そうか・・・もうすぐで藤枝だ。2時間も走れば浜松だ。」

橋川「そこに行けば・・・お母さんたち居るかな?」

「あぁ。大丈夫だ。書置きがしてあっただろ?それにあそこは一時避難場所になってるし、多分・・・警察や自衛隊が居るから、きっと大丈夫。」

橋川「うん・・・」


-----二十分後-----


「そろそろ、ガスが切れそうです。」

谷口「丁度そこにガソリンスタンドがありますが、どうしますか?」

「入れましょう。先に進めなくなったら元も子もありませんし。」

谷口「了解です。」

俺が車を降りると谷口もそれに続いて一緒に降りた。

「よし・・・」

ノズルを給油口に通し、給油を開始した。

「それぞれ二手に分かれて、警戒をしましょう。」

谷口「了解です!」


-----五分後-----


「そろそろだな。」

給油も終わり満タンになったころだった。ノズルをはずした時だった。

金属音「カチャッ!」

「・・・・・!?」

一つの金属音が店内から聞こえた。気付くと隣で谷口さんが拳銃の銃口を店内に向けていた。しかし対象は複数居るらしい。すると自衛官だろうか。迷彩服に身を包んだ集団が店内以外の最寄の建物内から出てくる。

自衛官「民間人ですか?」

「はい・・・沼津消防本部の者です。」

自衛官「なるほど。我々は陸上自衛隊です。」

「何で自衛隊がこんなところに?感染の方は?」

自衛官「ここに居るのは全員生存者です。隊の半数以上を失いました・・・外の状況はどうなっていますか?無線も電話も繋がらなくて・・・」

「なるほど・・・私たちも詳しいことは分からないんですが、テレビで見た情報によると、恐らく関東圏は陥落しました。静岡県も東部・中部はもうダメかと・・・浜松市で住民の大規模避難が行われていると聞いているので私たちはそこへ行こうかと。今は愛知県に各行政機関が集結して、防衛線が築かれているらしいです。」

自衛官「それは自衛隊がまだ組織として機能しているということですか?」

「はい、恐らく。」

自衛官「・・・・・・」

「あなたがたはどこから来たんですか?」

自衛官「ざっと数えて既に脱出した者を含めると300程居ます。ここに居る3割程の自衛官は宇都宮駐屯地の者です。」

「3割?他の方々は?」

自衛官「我々は東京の暴動鎮圧のために派遣された中央即応連隊の第一次隊という100人ほどで構成された隊なんですが、暴動鎮圧の際に先程言ったように隊員の半数以上を失いました。ここに居る自衛官のほとんどが我々を助けてくれた。都内の駐屯地の残存自衛官なんです。」

「なるほど・・・」

自衛官「この他にも残存していた自衛官がいたんですが複数の隊に分けて別ルートで脱出を。恐らく既に脱出してるんじゃないでしょうか・・・」

「本当ですか!?」

自衛官「えぇ。」


-----新潟県・糸魚川警察署・現地対策本部-----


警察官A「おい!あれ自衛隊の車じゃないか?」

警察官B「本当だ。何であんな方から・・・」

自衛官A「すみません。生存者ですか?」

警察官A「そうですけども・・・」

自衛官A「おい!お前ら、着いたぞ。すみません、ここの責任者の方に・・・」


-----長野県・飯田警察署・現地対策本部-----


警察官A「どうも、生存者の方ですよね?」

自衛官A「はい、責任者の方に中即連の生き残りだと伝えていただけますか?」

警察官A「はい。」


-----静岡県・静岡市-----


「これから、どうしますか?」

自衛官A「そうですね、自衛隊がまだ機能しているならぜひそこに合流したいですね。恐らく中部方面隊は機能しているでしょうし・・・東部方面隊も意外にも生存者が多かったですから。」

「なるほど・・・」

自衛官A「これからどうしますか?」

「そうですねぇ・・・。この隊の長はあなたですか?」

自衛官A「はい、隊長は感染し今は代理の私が責任者です。」

「なるほど・・・」

その時だった俺たちの上空を一機のヘリコプターが飛び去った。恐らく機体の日本国旗から見て自衛隊機だろう。

自衛官A「見たところ、海自の哨戒ヘリでしょうか?」

「分かりませんが・・・偵察でしょうか?」

自衛官A「いずれにせよここ、被災地?かな。ここの状況を見に来たのは確かですね。」


-----海上自衛隊・護衛艦・いずも-----


自衛官B「今のは?旋回させろ。」

自衛官C「はい。」

自衛官B「自衛隊?」

自衛官C「陸自でしょうか?」

自衛官B「画像を拡大してくれ!」

自衛官C「はい。」

自衛官B「CRF?」

自衛官C「都内に派遣された、中央即応連隊のようです。」

自衛官B「生存者が居るということか?」

自衛官C「恐らく・・・」

自衛官B「すぐに大臣に報告だ!」

自衛官C「はい!」

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