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私の推しはモブ文官  作者: 橘可憐


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新年祭です3


教会前広場に着くと、炊き出しに並ぶ人々の列は途切れる様子を見せず大盛況のようだった。


「例年にない反響のようです」


「そうなんですか?」


例年を知らないのでなんとも言えないが、いつもならこんなに並ぶことはないってことなのだろう。


「今年は聖者様のお披露目があると言う噂が広がってますからそのせいもあるのではないですか」


「ミックさん詳しいですね。でも私は噂では聞いていないのでその内容がちょっと気になります」


「癒やしの能力者が見つかったのでお披露目すると言う内容です。しかしここに居る皆さんはもっと別の期待をしているのではないでしょうか」


「別の期待?」


「先代の聖女様は噂には聞いていても実際にその能力を目にすることはありませんでしたからね。その能力を間近で見られるかもしれないと言う期待も大きいのでしょう」


なるほど、先代の聖女様の奇跡の能力は実際平民に使われることはなかったと言うし、話で聞いていただけの能力がどんなものなのか実際に見られるとなれば私も見たくなるかも。


それにゲーム内でもその能力を使うのは王様の病気を治すイベントの時だけだったし、ぶっちゃけスチルでしか見たことの無い能力は現実となるとどんな感じなのか興味もある。


でもそれじゃまるでリオンが見世物にされているようで面白くないって思うのは自分勝手すぎるかな?


「おう、来たな」


「あっ師匠。師匠は炊き出しの手伝いをしなくて良いんですか?」


炊き出しを提供している協会関係者の中に何人かの貴族のご婦人とヘザー様の姿もある。エスコートしていたのなら当然手伝うべきだと思うのだがどうなんだろう。


「俺はほらあれだ。人が多いからな、見つけるのも大変だろうと思っておまえが来るのを待っていた」


「ヘザー様の隣に居れば嫌でも目に入りますよ?」


炊き出しの列でにこやかに料理を提供しているヘザー様はすぐに見つけられた。だってそこだけ明らかに雰囲気が違うしね。


「あそこに居たんじゃおまえも声を掛けづらいだろう」


「そんなことないですよ。って、もしかして師匠…。邪魔だから大人しくしとけとか言われたんじゃないんですか」


「悪かったな。慣れないことは普通そう簡単にできないもんだ」


どうやら図星だったようだ。ヘザー様を見るといつも以上に張り切っているみたいだし、普段やり慣れていない師匠の手際じゃ相当イライラしたんだろうな。それにしてもどんだけだよ。師匠って案外不器用なんだな。


「それよりミックも一緒だったんだな」


「ええ、迷っていらした時に偶然お会いしたのでそのまま一緒に行動させていただいてます」


「そうなの。本当に助かっちゃった」


「おまえ、やっぱり何かやらかしたな。ジェーン大変だっただろう。ご苦労様」


「そんなことありません。とても楽しませていただいてます」


何よ師匠ったらその疑いの眼差しは。ホント失礼しちゃう。まぁ実際ジェーン兄さんには迷惑かけたけどさ。


「それよりおまえ達これからどうする。コイツは弟のお披露目イベントを見に来たんだが、おふくろはなんなら席を用意すると言ってるぞ」


「席って?」


「舞台脇にわざわざ席が設けられてるのが見えないか? 今日はどうやら王女様もお見えになるらしくてな、貴族席が急遽作られた。あそこにオランジュの席も用意させるつもりらしいぞ」


なんだなんだ、どんどん仰々しくなっていくなこのイベント。それにゲームではまだまだ出会うはずもない王女とリオンがここで出会うってことか? 出逢いイベント早すぎないか? もうホント訳が分からないよ。


「それってもしかして私だけ?」


「俺は元々そんな貴族席に座る気なんてないし、多分そういうことになるな。まぁ俺の代わりにおふくろの隣で貴族ぶってるのも良いんじゃないか」


ヘザー様だけでも持て余し気味なのに、王女様まで近くに居るだろう貴族界隈に平気で座ってるなんて無理だよ。それじゃ肝心のリオンの活躍も絶対に緊張して楽しめないよ。


「じゃぁやめておきます。ミックさんもジェーン兄さんも嫌でなければこのまま私の弟の活躍を一緒に見て行きませんか」


ここまで三人でとっても楽かったのに、ここで私からお役御免ですなんて態度は取れないよ。もっと一緒に居たい。もっともミックさんもジェーン兄さんも今から他に用事があるって言うなら別だけど。


「私は構いませんよ」


「僕も別にこのあと用事なんてないですし、今日一日お付き合いするようにと言うご要望だったと思うのでそうしたいです」


「まぁ、おまえならそうするだろうとは思っていたけど一応おふくろの意向を伝えたまでだ。それより俺も一緒させて貰うぞ」


「え~ぇ、師匠も一緒ですかぁ」


「おまえはまたそ可愛げ可愛げの無いことを言って」


「痛いっ、痛いです。もう、冗談ですってばぁ」


師匠はすっかりサド体質にでもなったのか、最近はやたらとゲンコツグリグリ攻撃を仕掛けてくる。ホント困ったものだ…。


でも、このまま楽しく新年を迎えられそうで、なんだかとってもウキウキするよ。



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