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私の推しはモブ文官  作者: 橘可憐


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22/27

考察してみる


冷静になって自分の行動をじっくりと考察してみてある事に思い至った。私があんなにあめ玉に拘ったのはもしかしたらイベントだったのじゃないかと。


ロザリアと出会ったことで起こった親密度を深めるためのイベントというか、あのままアデス様へのあめ玉プレゼント作戦を決行し本当に喜ばれていたら、私はきっと気分を良くしてロザリアにお礼を言いに行っただろう。


次に会うのは学園に入学してからだなんて暢気に考えていたにも関わらず、絶対にそうしていたと思う。


そしてさらにはもっと美味しいあめ玉を作りたいなんて考えてロザリアと試行錯誤したり競い合ったりして親交を深め、着々と親密度を高めていったあとのスチルを脳内でバッチリ妄想できたから多分間違いないと思う。


だから今回のこのあめ玉騒動は言わばゲームの強制力的な何かが働いた結果で、私はそれに従い何とも洗脳めいた行動に出てしまっていたんじゃないのだろうか。


危ない危ない。ホント危なかった。

リオンが諭してくれなかったら、私は間違いなくイベントを進めていたに違いない。


別にロザリアは嫌いじゃない。頭も良いし性格も悪くない努力家だからね。でもだからといってロザリアとエンディングを迎えたいと思うほどの思い入れはない。


もし誰かと絶対にトゥルーエンドを迎えなくてはいけないのだとしたら、私は強制的イベントじゃなく親交を深め、しっかり付き合って相手はちゃんと見極め自分の意思で選びたい。


先達者が恋はするものではなく落ちるものと言っているが、それがゲームの強制力が働いた結果だなんて絶対に嫌だ。自分の心まで操られるようなことは本当に避けたい。


それに攻略対象者と出会う度に今回のような強制イベントが起きるなんてホント勘弁して欲しい。とっても疲れるしね。


という事で、ゲームの強制力に抗うにはどうしたら良いのか考えることにした。


一番の解決策としてはまず攻略対象者と出会わなければいいのだろうけれど、きっとそれはとても難しいだろう。


それにそもそも出会い方も出会う時期も全然まったくゲームと違っているから対策のしようがない。だからその辺のゲーム知識はもう殆ど役に立たないと考えた方がいい。ホント困ったものだ。


だとしたら他に取れる解決策はイベントの見極めくらいだ。今起こっている事象がイベントかそうでないのかちゃんと見極め行動する。きっとそんな対策方法しかないと思う。


だって強制イベント無効とか、強制的な精神操作無効みたいな都合のいい魔法とかアイテムなんてこの世界には無いからね。


「……本当に無いのか?」


私が考えつくってことは古文書ラノベにあるってことで、古文書に載ってるなら実現可能ってことなんじゃないだろうか。


となると、効果を付与したアイテムはきっと作れる。例えば付与魔法とか錬金術とかで。


でも、一言で付与と言っても武具や装飾品の製作の過程で特定の素材を加えることで特別な効果が得られるとか、自分の持つスキルや魔法を付与できる特別な能力を持つとかその方法も効果も色々だ。それに特別な効果を得られる素材があるかも定かでは無い。


錬金術にしたって同様で、特別な才能を持つものが錬金釜を使ったり魔方陣が描かれた台座を使用することで錬金できたりとやはりその方法も色々だ。


もしそのすべてが本当に実現可能だとしたら、その前に魔法の他にスキルやジョブの存在が必要になって来る。だがしかしそもそもこの乙女ゲームにはRPGゲームのようなステータスは存在していない。


この乙女ゲームの世界ではウインドウで表示される身体能力を表すステータスなんて設定は無く、ただハートマークの色や埋まり具合で攻略対象者との親密度具合が分かるってだけだ。


例えば地雷を踏みまくって怒りマークが点滅すると、たとえ親密度が高くても口を利いてくれなくなるとか、そこから先のイベントが起こせなくなるとかそんな感じだった。


それに今現在能力選択の時には出たウインドウが何故かなにをどう試しても出てこないのでステータスを確認しようが無い。


ってことは、やはりたとえ古文書情報でもできることとできないことがあると考えた方が良いかも知れない。

なんだか考えれば考えるほど難しい。


しかし学園入学までまだ時間はある。出来るか出来ないかはまだ定かではないが試してみる価値はある。他に方法が無いんだから。


付与か錬金術かとにかく自分に合った方法、できるかも知れないと思える方法を探し試してみるしかないと心に決めるのだった。



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