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女騎士の大任 ~乙女の恋が帝国を滅亡の危機から救う~  作者: へるきち


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32. ドラゴンと子作りをせよ

 聖国側に出ると、そこは監獄の中でした。


「この国の、建築は随分と短工期ですのね?」

「早い分、安普請なんじゃないか?」

「監獄だよ? そんな事ないでしょ」

「確かにな? 俺が殴ってもびくともしない」


 スズメが、ごっすんごっすん壁を殴っている。

 壊れちゃったら、どうするのよ? 脱獄罪になっちゃうかな?


「ミーナさんの、魔法で牢の鍵は開きませんの?」

「魔法は、そんなに便利じゃないよ。特に、こっちの世界ではね」

「そうでしたわね。では、寝てましょうか」

「そうだな、何も出来ない時は寝るだけだ」

「お前ら、のんきだなー。帝国の騎士なんだっけ? 大物だわー。ワシも寝るか」


 みんな寝てしまった。

 ま、確かに何もする事がないもんね。

 魔獣国に戻りたければ、猫魔獣が鍵を開けないといけない。

 でも、スズメはニンゲンに戻ってしまった。

 尻尾もあるから、パンツ履けないんだよね。

 ヒロインのスカートの下がノーパンって、ラブコメの定番なんだけどね。

 スース―して落ち着かないって、スズメが言うから。

 魔女っ子ステッキは向こうに置いて来ちゃったし。


 私も、寝ちゃおうか。


「随分とご無沙汰でしたね? ミーナさん」


 見回りに来た看守に救出されて、すぐに聖女との会談となりました。

 そういえば、私はこの国の終身名誉聖女でしたね。


「生きてたんだ。聖女ちゃん。黒焦げかと思ってた」

「んん? 聖なる都が大火に襲われた時、上空にフェニックスが居たけどー。あれは、どなたの使い魔だったっけ? まさか、自主的に投獄されたの? 檻の中に戻る?」

「過ぎた事はいいじゃないの。私達に何か用なの? 忙しいんだけど」


 私達は子供を作るって任務の最中なんだよね。

 もはや絶望的なんだけど。


「ミーナちゃん、なんか性格かわってない?」

「そうかもね? 会わない間に、いろいろあったのよ」


 それは聖女も同じじゃないかな? そんなに長い時間が経ったかな?

 異世界ゲートを通ると、時間のずれがちょっとある。 

 今回は、それがちょっとで済まなかったのかも。

 だって、フェニックスがゲートのある建物を焼いちゃったからね。

 ゲートも壊れちゃってるのかも。やっば。


「ドラゴンがね、子供をくれるってさ。ちょっと行って来てよ」


 なにその、ちょっとお使い行って来てみたいなの。

 初めて聞いたわ、そんなお使い。はじめてのお使いだよ。


「どうゆうこと? ドラゴンって子供くれんの?」

「ん-っとね。正確には、ファイヤー・アイス・ドラゴンがね、代替わりするんだって。幼生体に戻って、やり直しするんだってよ。ドラゴンの生態は我が国でも謎だから、よく分かんないだけど」

「そのドラゴンの幼生体を預かって育てろって事?」

「そういう事。帝国の騎士の遠い祖先は、ドラゴンだからさ。実質、騎士の子供でしょ」

「すげー解釈だね。でも、まあそうかも? 騎士じゃなくて、ドラゴンそのものだけどね?」

「幼生体になるには、処女の魔導士が魔力を捧げる必要があるんだって。これもう、ドラゴンの幼生体は、魔導士と騎士の子供って事でしょ」


 なんかスゴイ事言い出した。つまり、私にドラゴンと子作りをしろと?


「ん-? 処女って何よ?」

「あたしもよく知らないわよ。知ってたら子作りの秘術も分かる気がする。伝説だと、ユニコーンに乗れたら処女みたいよ? だから、ミーナちゃんは処女ってやつだと思う」


 あー、なるほど? 似た伝説なら、私も知ってるし、確かに私はユニコーンに乗れるどころか、使い魔にしているね。きっと私は、処女なのでしょうね。


「で? それってどこ情報なの? あやしい話には乗れないんだけど」

「ファイヤー・アイス・ドラゴンに伝言を頼まれたワイバーンが精霊を通じて妖精をうちに寄越してきたの」

「ドラゴン遠いなあ。伝言ゲームで大喜利みたいになってない? 大丈夫なの?」

「ん-、まあ、信頼できる筋だとは思うよ? 嘘をついたり、人を騙したりするの居ないじゃない?」

「知らないわよ。ドラゴンはともかく、他は知り合いに居ないもの」

「そりゃそうか。ああ、でもドラゴンは知り合い、っていうか使い魔が居るじゃない。 何か知ってるかもよ? ドラゴン・ネットワークを通じて」


 そんなネットワークがあったら、うちのドラゴンから直接聞いてるでしょ。


「まあ、いいか。行ってみるよ。何処に行けば会えるのかな? ファイアー・アンド・アイスに」

「それは聞いてない。自力で探し出せる者じゃないとダメだって」

「依頼したくせに、選考するんだ。まあ、ドラゴンだもんね」


 そういうわけで、ドラゴンと子作りをする事にになりました。


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