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女騎士の大任 ~乙女の恋が帝国を滅亡の危機から救う~  作者: へるきち


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19. 大炎上

「え? 女騎士が減ってる理由? 今更っすか?」


 アン隊長と一緒に、離れの茶室に来ました。

 王女プリンは、服を着てますね。

 ピンク色のウサギの着ぐるみみたいなの。

 どこで入手したの?


「さっきもその話で驚いてましたわね」


 この茶室には、邪悪な存在を退ける結界が張ってあるそうです。

 アン隊長に群がって来た連中は、この茶室を認識する事すら不可能なのだとか。

 確かに、あっさりと撒くことが出来ました。

 アン隊長とスズメと私は、邪悪ではないみたいで、入れました。


「あいつら、あっしの事まで狙ってるんでやんす」

「そりゃ、全裸でうろついてるから」

「なんで、こんなスットンツルリンがいいんだか?」


 男みたいな体型を求めてるんですかねえ?

 でもアイツら自身もスットンツルリンですよ?

 どっちがどういう役割で、何をしたいんだかね?


「女同士では子供は作れませんのにねえ?」


 アン隊長は、部活の先輩っていうか、生徒会長っていうか。

 なんかそんな感じの美女です。

 縦ロールなら、悪役令嬢が似合う事でしょうね。

 サラサラのストレートのロングです。

 完全にお姉様キャラ。


 子作りの任務さえなきゃ、私もこっちがいいです。


「あの、邪悪な事考えると、部屋から飛び出しちゃうでやんすよ」


 顔に出てたかー。

 私、顔に出やすいみたいですね。


「そういえば、異世界留学に行ってから、ずっと私って言ってるな」

「そうだね。だって乙女だから」


 だからといって、誰かと恋に落ちる気配はなし。

 任務に進捗はありません。


「もしかして、アン隊長は子作りの秘術をご存知なんすか?」

「知らない方がおかしいのだけれど。公爵令嬢なら、そういう教育も受けております」


 おお、ここで一気に任務が進みますよ!


「意中の男性と酒盛りをすればよろしいのです。勢いで孕みます」

「おいーっ!?」


 今突っ込んだのは誰でしょうか、私か王女プリンか。

 どちらも同時ですかね。


「あー、なんて事っすかー。これじゃあ女騎士が減るはずっすよー!」

「あのー、女騎士って勝手に湧いてくるんじゃあ?」

「はい? それは魔女だけっすよ?」


 いや、魔女だって勝手に湧いてはこない。

 アレ? どうかな? そういえば、私ってこの世界で誰から産まれたの?


「そんな不思議な生き物居るわけないでしょ?」

「いや、王女なんて建国当時から生きてるんでしょ?」


 どこからが不思議で、どこからがそうじゃないの?


「だって殿下は魔女ですからね」

「あれ? じゃあ私も? あ、どっちにしろアレか、ドラゴン肝食べちゃったから」

「そんなものをどちらで!?」


 そんなにレアだったのー?


「あ、そうか。女騎士全員にドラゴン肝を食わせればいいっすね?」

「そうすれば、今より女騎士の数が減る事はない?」

「いえ。ドラゴンの加護は不老不死ですが、不死身ではありませんのよ」

「え、どういう事?」


 アン隊長によるとー。

 不老不死は、寿命で死ぬ事が無い、って意味だそう。

 病気にはなるし、ケガもする。


 不死身になるには、フェニックスの肉か卵を食べる必要がある。

 でも、それだけだと、どんどん老化していって、動けなくなっても死なない。


 ドラゴンとフェニックスはセットで食べるのがオススメなのです。


「うわー、どっちか片方だけだと、地獄ですねー?」

「俺達は、どちらも食べたな?」

「あー、そんな事を昔聞いたっすかねー。あっし友達が居ないんで、世間知らずなんすわ」


 王女が世間知らずなのは、まあ普通か。

 何が普通なのか分かんなくなってきてるけどね?


「ドラゴンとフェニックスは、今どちらですの?」

「ドラゴンはもう全部食べちゃったし、フェニックスはどこだっけ?」

「あ、聖国に置いて来ちゃったでやんす」

「フェニックスの加護だけでも、脅威ですわよ?」


 よし。

 フェニックスを迎えに行きましょう!

 ジャガーも預けたままですね。


「アン隊長も一緒なの?」

「ワタクシも、王女に勅命をいただきましたわ」

「なんでまた」

「ワタクシ、ミーナさんとスズメさんがお気に入りですの」


 アン隊長とスズメと私で組む事が多いなーって思ってたら、そういう事ですか。

 隊長にはメンバーを指名する権利があったのでしょう。

 これもまたラブコメではあるけど、子供は出来ませんね。


「もう騎士は除名されましたから。隊長ではありません」

「じゃあ、お姉様とでもお呼びしましょうかねー」

「どうぞ、お好きになさって」

「俺は、そんな趣味ねえぞ」

「あら、つれないわね。そこがいいのよ」


 うーん。

 何歩進んで、何歩下がっているのか?

 帝国にとっては後退だけども、人類の進歩ではあるのかも知れない。

 多様性はきっと大事。


「3人乗るとちょっと狭いかな?」

「ペガサスに乗れる日が来るなんて、トキメキますわー」

「隊長は、いえアンちゃんは高いところ平気なのー?」

「あんちゃん? お兄様みたいですわね。いいえ、ゾクゾクする程に恐怖ですわ!」

「だがソレがいい?」

「ええ、そうですわ」


 多様性はきっと大事。

 ええ、そうですとも。

 私だって、大概なんです、人の事なんか言えませんよ。


「あ、あの良く燃えている辺りが聖宮じゃない?」

「なんで燃えてますの?」


 フェニックスって火を吹いたりしたっけ?

 吹かないけど、燃えてるよね。

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