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ホラー作品

気がついたら校舎を見あげていた


気がついたら俺は通っている高校の校舎をボーと見上げていた。


アレ、俺こんなところで何をやっているんだろ?


首を傾げていたら後ろから声を掛けられる


「おはよう」


え? となって声がした方に目を向けたけど誰もいない。


誰の姿も見えないけど人がいるのだろうか?


「おはよう、ネェ、数学の柴田が出した宿題やって来た?」


「ウン、やってきたよ」


「お願い、見せて」


って会話が始まったから。


会話してる此の女の子たちだけじゃ無く沢山の人の足音が聞こえ、アチコチで互いに挨拶してる声がする。


「オハヨーす」


「ウッス」


「先生、おはようございます」


「はい、おはよう」


何でだ? 何で声は聞こえるのに姿が見えないんだ?


俺はヨロヨロと蹌踉めきながら校舎の出入り口に向けて歩む。


でも、うちの学校に柴田なんて教師いたっけか?


柴田だけじゃ無い、アチコチで挨拶し声を掛け合っている者たちが発する教師だと思われる者たちの名前も聞き覚えが無い。


でも確かに此処は俺が通っている高校なんだよな。


夢でも見てるのかな?


まぁ()い、取り敢えず教室に行ってみよう。


4階の教室に入ってみたけどやっぱり誰の姿も見えない。


チャイムが鳴り教室に教師が入って来たのか、野太い「おはよう」の声がした後、女の子の声で「起立」の声がしてガタガタと椅子が動く音がし、続いて「礼、着席」の声がしてまた椅子ガタガタと動かされる音が響く。


そのあと野太い声で出席を取る声が教壇の方から聞こえて来たのだが、読み上げられる名前全てが聞いた事が無い、それに俺が座っている椅子にも誰かが座っているのか? 俺に重なるような場所から返事を返した奴がいる。


どういう事なんだ?


俺は頭の上にクエスチョンマークを幾つも描きながら屋上に向かう。


屋上から街の中を眺めたら見覚えの無い建物が幾つかある事に気がついた。


見覚えの無い建物の方へフラフラと近寄り、放課後俺が何時も座っている屋上の金網の外側に座り込み、見覚えの無い建物に目を凝らす。


いくら見てもやっぱり見覚えが無い。


立ち上がり金網の内側に戻ろうとして足を滑らせ俺は屋上から下に落ちた。


落ちている途中に俺は思いだす。


そうだよ、俺はあそこから飛び降りて自殺したんだった。


虐められたとか失恋したとかじゃ無くて、何となく死んでみようかなっていう感じで飛び降りたんだ。


• • • • • 


気がついたら俺は通っている高校の校舎をボーと見上げていた。






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