1話 転移したんか
「 どうしてこうなったんだ...」
今、俺の目の前に広がるのは中世を思わす町並み、そして騎士だろうか?
重たそうな鎧を纏った人達がちらほらと見かける。
「 おい、兄ちゃんさっきから辺りを見渡して何をしているんだ? 」
鎧を着た兵士っぽい人に声を掛けられた。
ヤバい、あまり見ていると変な奴と思われる。
「 いえ、お気遣いなく。
あまり見慣れない町並みでつい見とれていました」
取り合えずそれっぽい事を言っておこう
すると、声をかけてきた兵士は不思議そうな顔をした。
「 変な奴だな、確かにこのレイズの町はそこそこ大きい街だが、作りはなんて他と変わらんだろう」
嘘やん、これ素直に答えすぎたか。
「 まぁ、最近は物騒だからあまり変な事をしていると今回みたいに声を掛けられるからな」
兵士はそういうと人波に紛れ消えていった
物騒なのは分かったけど、ここ直近の記憶が思い出せない...
あ、目を閉じたらなんか思い出してきた。
あれは確か...
~数時間前~
「 ヤバい、最近ドール弄りしていたせいで単位が全然足りてない。
このままだと留年確定じゃないか 」
しかし、最近友人にドールを勧められて手を出してみたが、思った以上に沼だな。
ドレスやメイド服、靴に髪色と言ったり自分が1からカスタムしたら愛着が沸いて気が付いたら沼に落ちていた。
しかし、沼に嵌って現実が疎かになっていた...
「 うーん、このままだとヤバいなぁ。
何とか流石に留年したら親父になんて言われるか」
そう考えていると、家のチャイムがなった。
もう夜中の2時なのに、いったい何だっていうんだ...
そう悪態をつきながらドアを開けると段ボールが置いてあった。
1枚の紙と共に
「 なになに、人生もう一度やり直しませんか?」
真夜中にいたずらを仕掛けてくるとは、こいつよっぽどの暇人か?
「 はい なら空欄になりたい自分を記入、いいえ なら捨ててくれ、か」
送りつけておいて面倒な...
あ、でも箱の中身って何だろう?
開けようとしたが、バチクソ硬くて開けることはできなかった。
もうめんどくさいから適当に書いてみるか
「異世界でドールを作ったり作ったドールと話したり生活してみたい」
我ながら何を書いているんだ...
頭の中ハチミツかよ...
書き終えた俺は、今度こそ眠りについた。
~そして今に至る~
え?
まさかあれが原因だったのか?
そんな事あるのか、あれだっていたずらだろ?
それにあのいたずらが本当だとしたら俺のドールはいずこへ?
しばらくして考え込んだ俺は、少しその辺をぶらついて人が少ない公園に着いた。
「ここで少し状況を整理するか」
あれから俺はしばらく考えこんでいたら、ズボンのポケットに手紙が入っていることに気づいて読んでみたら面白いことが書いてあった。
内容をまとめるとこうだ。
1.この世界は紛れもなく異世界で、魔法などはあるが火や水を出したりといったことだけでそれ以外元 の世界と大して変わりないらしい。
2.ドールに関しては魔道具により自分で作成することはできるが念じてそのイメージ通りにできるわけではないらしい。
3.ドール作りはできるが、俺が願った感情を持った子は媒介となるエネルギー体が必要、今は作れても2体が限界らしい。
取り合えずこんか、ちなみに俺は異世界転移したって認識で間違いないらしい。
そう手紙の最後に書いてあったのだ、「 またお会いしましょう 」という意味深な言葉と共に
こうして俺は、よくわからないまま異世界に転移されてしまったのであった。
初めましての人は初めまして、前作を知っている方はお久しぶりです
久しぶりに書こうと思いましたので投稿していこうと思います。