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がんで入院しましたよ

夏のある日、なんか肩甲骨あたりの背中が痛くなった。

秋になり、胸の上の方が痛くなった。

左肘が痛くなってきて、薬指の先がしびれてきた。。

寒くなってきた頃、大腿部とお尻がしびれて痛くなってきて、立つのが苦痛になった。


「といった感じであちらこちらが痛いのです。先生なんとか痛くなくなりませんかねぇ。」

「どのくらいの痛みなんですか。死ぬほど痛いを10として評価してください。」

「場所によって変わりますが4から8です。あと、立っていられません。」

「それは結構な痛みですね。X線撮影してみましょう。」

「丁度今機械が空いているのでCTを撮ってみましょう。」

「脊椎に侵入している白い影が癌である可能性が高いので組織を採って調べましょう。」

「肝臓癌が背骨に転移して増殖し、脊椎の神経を圧迫してあちらこちらの痛みを発生させています。」

「癌は放射線治療と化学治療で治していって、あとは痛みを鎮痛剤で抑えていく治療をしましょう。」

「治療開始は早い方がいいと思います。現在たまたま病室が空いているので明日からでも入院できますが、どうしますか。」


例のウイルスがまた流行ってきそうな情勢なのはボクも知っていたし、そうなると入院ベッドに空きが無くなるだろうし、何よりもこのたまらん痛みをなんとかしてもらいたかった。

翌日、ボクは思い付いた限りの生活必需品を持って入院した。


「こちらとこちらとこれが痛み止めの錠剤です。痛み緩和の状態をみながら種類と強度の組み合わせを変えていきます。」


話によると、痛み止めには麻薬が入っているそうで、なんかイイ夢を見られそうな感じだった。


その夜、ボクは病室のベッドで眠った。

今日は朝からやることがいっぱいあって、ついには入院までしてしまったのだが、実は・・・

ボクは、実は魔法使いなのだ。(おおっ)

「治療」の魔法を自身に使えば癌などは8時間で治るはずなのだ。


すっごく小さい声で、「ひいーる。」と呪文を唱えてみた。

病室が4人部屋なので大声は世間の迷惑行為はいかんダロ>魔法少女セルリアンブルー!

(全部仮。げほげほ)

背中が痛いままだなぁ。

呪文が違うのかなぁ。

「れすとあ」

「ちりょう」

・・・・・・・・・


お尻も痛いままだなぁ。

やっぱし現実と脳内設定を一緒にしたってどうしようもないなぁ。

「寝よ。ああ、痛いなあ・・・。」


翌朝、体のあちこちが痛いのは変わりなかった。


厚いカーテンの向こうから、今朝は隣のベッドのご老人の体調が良いと言ってる看護師さんたちの会話が聞こえてきた。




*本作品はフィクションであり、特定の国家、勢力、制度、信条とは関係がありません。

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