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巨乳で、美人で眼鏡のお姉さんは好きですか?

 そこには、巨乳のお姉さんが立っていた。

実はこの塔の第一階層は、外からの出入りも物の出し入れも自由なフリー空間だった。

魔物の出現もなく、ただっぴろい空間が広がる。


 その空間を利用して、この一階層では、ダンジョンへの受付を行っている。

なので、どこかの会社のオフィスかと思うような空間が広がっているかと思ったら、食堂や、武器屋なども立ち並ぶ。


 この塔は、半径10キロなので、とても広大なスペースが広がっており、第一階層はまるで地下都市のようになっていた。

そしてその中央部分が、このダンジョンへの入り口がある中央広場。

多くのナビゲータと呼ばれる職員たちが、担当するダンジョン探索者のお世話をしたり、持ち帰ったものを換金したりしている。


「もう、予定より遅いから心配したよ? もう少しで救難依頼だすとこだったんだからね!」


 プンプンと、巨大な胸を揺らしながらお姉さんは、腰に手を当てて縦に揺れる。


「すみません、愛さん…」


 僕は謝りながらその胸を見る。

今日も一段と揺れている。


 この人は、中野 愛さん。

年齢は23歳だそうだ。

去年大学を卒業し、ここに就職したらしい。


 新人さんだが、このダンジョンのナビゲーターとしてとても優秀な人だ。

僕の担当でもある。


 髪はショートのボブで、丸い眼鏡にでかい胸。

失礼な言い方だが、でかいという表現が一番適切だろう。

なぜあんなに細身なのに、そこだけでかいのか。

全ての栄養が胸に行ってしまっているかのようなプロポーションだった。


 自然と視線が落ちてしまうのは、僕が悪いわけではない、普通の生理現象だ。


 愛さんは、なんというかとても色気がすごいお姉さんである。

もちろんいい匂いもする、嗅いだわけじゃないぞ? 漂ってきただけなんだ。


「次は、ちゃんと予定通りの時間に帰ってくること! それからEランク装備でソロなんだから絶対2階層の上にはいかないこと!」


 ソロでは、Cランク以上の装備が出なければ推奨されていない。

PTでもDランク以上でなければ命の危険がある。


「はい…できる限り頑張ります」


 行けたら行くわぐらいの気持ちで答える。

すると、愛さんが僕を冷たい目線で、睨む。


 ゾクゾクした。

愛さんは、女王様の資質を持っていそうだ。

それでも怒ってそうなので言い直す。


「いえ! 絶対守ります!」


「よろしい! じゃあ、今日の収穫品は換金していく?」


「いえ! 今日は大丈夫です! また明日きます!」


「うん、じゃあまた明日も申請してから入るように!」


 そして僕は、その場を後にして走り出す。

今日は土曜日だ、学生の僕は、土日しか長時間ダンジョンに潜れない。


 それに今日は、大事な用がある。

僕は戦場にいかなくてはならない…。



「タイムセール始まります!! 卵一つ50円! 肉のパック一つ100円!」


 僕は戦場にいた。

戦う相手は、モンスター達じゃない。


 いや、主婦という名のモンスター達だった。

まるでオークだ、戦ったことはないが…。


 くっ! なんて力だ。

押しのけられる。


「はぁぁぁ!!!」


 いつもの僕ならここで負けていただろう。

でも今日の僕は違う。

今日の僕は、騎士だ。

騎士シリーズを装備した、肉と卵を守る騎士だ。


「とったぁぁ!!」


 そして僕は卵と肉、そしていつものもやしを買うことに成功した。

妹の喜ぶ顔が目に浮かぶ。



「わぁぁ! お兄ちゃん今日は卵ついてるの!? え? これってもしかして…」


「あぁ、肉だ。しかも牛のな」


「一週間ぶりだよ! お肉と卵の両方がついてるなんて! なんかいいことでもあったの!?」


 妹が小さなテーブルに置かれた皿に盛られたモヤシと肉と卵を炒めた料理を見て歓喜の声を上げる。

我が家の一日の食費は、実に五百円。

育ち盛りの高校生二人を食わせようとすると、大体モヤシになってしまう。


 いつも大量のもやしを焼肉のたれで炒めたもので腹を満たす生活が続いていた。

なので、肉が出た日には、まるでお祭り騒ぎだった。


「あぁ、いいことがあったんだ。食べた後に話すよ。冷めないうちにたべよう!」


「うん!」



「あー美味しかった! でお兄ちゃんなにがあったの?」


「まずは、お前に言わないといけないことがある」


「えー? なに? 怖いんだけど」


 妹は、水道水を飲みながらくつろいでいた。

剣也は、言いづらそうに声を振り絞る。

真っすぐと妹の目を見て、剣也は妹に告げた。


「パパ活はやめてくれ…」


 ブーッ

奈々は、盛大に水道水を噴出した。


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