表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

38/106

僕は死なないよ、絶対に。

「剣也君!」


 レイナがすぐに斬破刀を拾い剣也に駆け寄る。

そして倒れる剣也の傍で膝をつく。

胸から血を流し倒れる剣也の傍に。


 その光景をみたレイナがフリーズする。

その血に触れたレイナが表情をゆがめて悲鳴を上げる。


「い、いや…いや…いやぁぁぁぁ!!!」


 フラッシュバック。

その光景がなにかをレイナに思い出させた。

辛く、深く心の奥底にとどめておいたその記憶を。


 レイナは過呼吸になり、うまく息ができなくなる。

目は見開き、感情を表に出さないレイナの表情は恐怖でゆがむ。

血を流し、倒れる剣也を涙を流しながら、それでも触れることできず、触れてはいけないと混乱する。


「お、おい!」

「時間稼ぐぞ! 俺たちだって探索者だ!」

「あーくそ!! やってやら!」


 100人以上の探索者も彼らの行動に勇気をもらい、走り出す。

せめて回復する時間を稼ごうとゴブリンキングに駆け出した。

一人ひとりは弱くても、力を合わせれば時間ぐらいならと駆け出した。


 かわるがわる、気を引いて逃げては、切り込むを繰り返す。

正面から当たってはだめだ。

ただの一人も死人を出すな、これは倒す戦いじゃない、時間を稼ぐだけの戦いだ。


 何人もの探索者が、か細い糸の上で生存する。

いつその糸が切れてもおかしくない。

それでも今戦えるのは、彼らだけ。


「お前ら意地見せろよぉぉ!!」

「あんなガキどもだけに活躍させてんじゃねぇぇ!!」


「「おぉぉぉぉ!!!」」


 文字通り死力を尽くして相対する。

自分達ではかなわない。それでも立ち向かうことが勇気だと少年が教えてくれたから。




「はっはっはっ」


 過呼吸を繰り返し、レイナは動けないまま。

剣也に触れて介抱してあげることがレイナにはできない。

それでもどうにかしようと手を出したり引っ込めたりを繰り返す。


(ママ、パパ…いや、いや。死なないで。いやだ、いやだ、いやだ)


「レイナ、心配しないで、僕は死なない」


 しかしその手を握られた。

強くしっかりと、震える手を何もできない手を握られた。


 剣也は目を覚ます、そして起き上がりレイナの目をしっかりと見る。

傷はそれほど深くない、防御力も400はあったためだろう。

出血の割にはというだけで、重症であることには間違いないのだが。


 しかしおくびにも出さないで剣也はもう一度レイナに告げた。


「大丈夫だ、僕は死なない」


 レイナは、驚きその少年を見る。

その血を流しながら、まっすぐ自分を見つめる少年を。

まるで自分の願いを聞き入れたかのように、死なないと答えた少年を。


 そして剣也は装備を取り出した。

唯一自分だけに許された錬金という力を使うために。


 この状況で、錬金できる装備品は一つだけ。

もしかしたらこの状況を変えることができる装備品かもしれないと願って。


 だから…。


 レベルアップ♪ ゴブリン将軍の首飾りLv9

 

 そして…。


 進化♪ ゴブリンキングの首飾りLv1


 そして王の首飾りは完成した。

剣也の思いに応えるように特別な力を宿して。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

装備説明

・ゴブリンキングの首飾りLv1(Lvによる変更なし)

 Bランク レア度★★

能力

・DP獲得量が10倍になる。

・装備者の職業のレベルを1上昇させる。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


 現れたのは荘厳な首飾り。

金の装飾が輝く、まるで王の首飾り。


 そして能力は、DPの獲得量の上昇、そして


『装備者の職業のスキルレベルを1上昇させる』


 そして剣也は装備した。

自分の力、100万ptというはるか先にあるはずの力を手に入れるために。


『スキルレベルアップ♪ Lv13になりました。錬金可能ランクがAランクに上昇し、Eランクの錬金の回数制限が無くなりました。また装備品を錬金の種に変更でき、錬金に使えます』


(錬金の種? なんのことだ、しかしこの力は今は使えなさそうだ)


 手に入れたのは、次のランクへの錬金の許可。

そして最低ランクEランク装備の錬金回数が無限になったということ。

加えてよくわからないが、錬金の種というものを作れるようになったらしい。


 しかしアナウンスを聞く限り今の状況を打破してくれそうな力ではない。


 しかし、もう一つ。

まるで、祝福するかのように。

まるで、剣也の期待に応えるかのように。

まるで、絶望を乗り越えろと言わんばかりに。


 アナウンスが、新たな力の解放を告げた。

本来100万ptを獲得後に解放される破格の性能の力を。

本当の意味での錬金術師のチートスキルを。


 そしてアナウンスは告げた。


『新スキル ステータス錬金LvMAXが解放されました』


 このスキルこそが、剣也を唯一無二の存在へと押し上げる。


 いまだ殺意をまき散らす暴れまわるゴブリンの王からみんなを守る力。


 今なお震える憧れの人。

か細い糸の上を必死に耐える探索者達。

そして何より自分自身を。


 弱い人を救いたい。

ただ力によって蹂躙される人達を、かつての自分のような人達を。

誰にも助けてもらえない人達を救いたいと願った少年が得たのは、枠を外れた力。


 無能で、貧乏で、優しくて、そして何より強欲な錬金術師が得たのは、枠を外れた…いや、枠を書き換える力。

 

 そして少年は、覚醒した。


主人公ついに覚醒


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] この首飾りをすぐ勇者に渡せば、勇者のスキルでステータス二倍になるから楽勝になるのでは。
[一言] おぉぉぉ(*゜∀゜)!!大興奮!!!! ホムンクルスに戦わせるのではなく 自分を錬金してしまうとわwwwwww サイコーに燃える展開だわ(*^^*)
[良い点] ( ゜д゜)ハッ!一気に見てた!面白いです!ここからどんな力が来るのかが楽しみ!応援してます!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ