第7話 女神からの贈り物
従魔。従魔って言うと、召喚したりするあれのことだよな。前にメンテナンスで追加された職業の中に、従魔みたいなものを召喚して戦闘を行うやつがあった気が。なんか感覚がイマイチなのには変わりない。
「急で悪いがフィーさん、従魔ってやつは二体目も作れるのか? 」
【無論、作れますよ。よろしければ何体でも。ですが召喚時にMPを使用するため、作りすぎはあまりお勧めしません。適材適所のためであれば致し方のないように思えますがね……それに、手順は今回と同じですので細々しい部分につきましては何も心配ありません】
俺は従魔と聞いて、転生前に貰った水晶玉のことを思い出していた。ゲーム世界に着き次第使用してくれと言われていたはず。
まずステータス一覧からアイテムとかかれたコマンドを開く。
中には罠を仕掛けるにあたり必要なものがずらりと収納されている。
アイテムボックスの中で転生前と比べて変わったものはやっぱり水晶玉が追加されたくらいか。
あの水晶玉の名は──『魔水晶(?級)』として記録されている。
数々のアイテムはG級からS級に分類されていて、当然S級が最高級であるはずなのだが。(?級)って、どういう意味なんだ。
【ああ、もしかして(?級)が気になります? 】
「当たり前だ」
【それはですね、この世界でまだ認知されていないアイテムだからですよ。なんといっても、女神からの思し召しですからね】
上から目線に言われているようで気に触るのだが。
【それと、その魔水晶は存在してはならないはずのアイテムでもありますので、ヒビキ様が転生してから1時間ほどして自動消滅するように設定しております。お早めのご使用を】
1時間って……ひょっとしたら、そろそろじゃねぇのか!?
【ちなみにあと、1分です】
「やっぱりか!? 」
このまま魔水晶(?級)を失うのは惜しい、というかもったいない。俺は急いでアイテムボックスから『魔水晶(?級)』を取り出し、『使用する』とかかれたコマンドを操作した。
「な、なんだ!? 」
使用してみたものの、紫色の大きな魔法陣が突然前方にポワンと浮かび上がり、俺は盛大に驚く。
使用した魔水晶はパカッと真っ二つに割れ、消えてなくなっていく。どうやら間に合ったようだ。
安心したのもつかの間、その魔法陣から何やら白い光が溢れ出たと思えば、それらは集積してある一つの──それも少し見上げるくらいのものへと象っていく。
【召喚される従魔はランダムですが、これは…………ヒビキ様にとって、ある意味で当たりなのでは】
どういう意味だ? よく分からんが、女神のお墨付きだから変なのは出てこないだろう。
しかしそこに現れたのは、どちらかと言うとハズレの方だった。
「我を顕現せしめし者は────貴様か? 」
俺の目の前には立派な黒鎧や白銀の矛を装備し、全身が黒色に包まれた馬に跨っており、可愛らしい容貌に銀白色の長髪がよく似合っている──俺が唯一倒したことのない魔物、デュラハンらしきやつがいた。