第4話 近接戦闘
『幸運:12』ってなんなんだ……俺がいつもプレイしてた時にはそんなステータスなかったぞ!
もしかして、これのせいで俺は追われてるのか!?
でも他のステータスにおかしな所は──【称号】に「ボス殺し」があるのは100歩譲ったとして、特にはない。意外にいい方なんじゃないか? このまま奴らを蹴散らすこともできるのでは。
そう思い、俺は後を追ってくる兎たちの詳細を調べるべく、心の中で「ステータス表示! 」と叫ぶ。
すると、案外早くそれは確認出来た。
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〘ナックル・ラビット ♂〙 【種族】:魔物・ラビット族
Lv :15
HP :320/320
MP :30/30
筋力 :126
耐久 :35
魔力 :8
敏捷 :153
幸運 :25
【状態異常】
憤怒
【スキル】
「体当たりLv5」「疾走Lv8」
【特殊】
なし
【称号】
「ラビット王子」
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〘ブラスト・ラビット ♂〙 【種族】:魔物・ラビット族
Lv :8
HP :210/210
MP :53/53
筋力 :35
耐久 :210
魔力 :13
敏捷 :80
幸運 :23
【状態異常】
憤怒
【スキル】
「体当たりLv3」「身代わりLv1」
【特殊】
なし
【称号】
なし
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〘ホーリー・ラビット ♀〙 【種族】:魔物・ラビット族
Lv :7
HP :80/80
MP :153/153
筋力 :32
耐久 :12
魔力 :65
敏捷 :83
幸運 :27
【状態異常】
憤怒
【スキル】
「回復魔法Lv3」「白魔法Lv2」
【特殊】
なし
【称号】
なし
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こんな感じにもろもろと……こいつら俺の幸運度12を軽々しく超えやがって。雑魚ばっかりだが、防護術だけでやりきれるだろうか。それにしてもラビット王子にパンチをくらったってのに、俺のHPは少しも減ってない……単なる偶然か?
混合した不安だらけだったが、俺は覚悟を決め兎たちの方を振り向く。
さあ、転生して初の戦闘だ! 存分に楽しもうじゃねぇか!
「こいっ! 」
「キュキュキュッ! 」
まずは群れのボスと思われる白兎、【称号】に「ラビット王子」をもつ〘ナックル・ラビット〙を仕留めようと思った矢先に襲ってきたのは、俺の体並に大きく一体しか見受けられない黒兎。耐久力がちょいとずば抜けている〘ブラスト・ラビットLv8〙である。
対面したら、これは……まあ怖い。
「だが俺は負けねぇっての! 」
幸先良く、俺はまず黒兎の胴体目掛けて軽めにパンチする。すると、俺の拳は面白いことに丸々太った腹に深くめり込む。その黒兎のHPはあっという間に0となり、その場に倒れた。さすがは「防護術Lv52」、LvMAXにまで上げてみたいものだ。