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トラップマスターのゲーム記録〜バグ処理のために転生します〜  作者: 鳶崎斗磨
第二章 最弱職の最強者
39/56

第38話 ゴーレム大量生産

 ______________________________

 ______________________________



 〘ゴーレム ?〙 【種族】:?


 Lv :20


 HP :1358/1358


 MP :320/320


 筋力 :480

 

 耐久 :124


 魔力 :32


 敏捷 :13


 幸運 :0


【状態異常】


 なし


【スキル】


 なし


【特殊】


 なし


【称号】


 なし


 ______________________________

 ______________________________




 これがこのゴーレムのステータスか。敏捷がとことん低く、筋力は480とまあまあの強さ。パワー型だな。


 ところで、敏捷13ってどれほどのものなんだ?


「ゴーレム。あの長い髪の女に向かって走ってみて。それから、また戻ってきて」


 ゴーレムは従順なあまり、途端にデュラハンの方に移動を開始する――――――が。


「え、えぇ……」


 ゴーレムの足は、やはり遅かった。

 一歩一歩がスムーズに運ばず、ズシンズシンという音と微々たる揺れだけが伝わってきた。


 残念感もあったが、ゴーレムが近づくにつれてデュラハンの顔が真っ青になっていく様は、実に見事だった。


「パワー型だと空中戦には不向きすぎるのか……?」


 心に思ったことを見境なくそう口にすると、ゴーレムは項垂れて落ち込んでしまった。ゴーレムにも心があったとは、これは驚いた。


「いや、大丈夫大丈夫! 空中戦に不向きだからってそこまで落ち込む必要は無いぞ。地上戦も大事だからな! 」


 励ましの言葉をかけ、今のはなかったことにした。

 パワー型でしかも足が遅い、それはたとえどんな武器を持たせても空中戦では足でまとい、地上戦では苦を強いられるだけ。

 まあ、地上では罠を存分に活用できるからゴーレムはいらないんだがな。


 何かないか……このゴーレムを使いものにする方法は。


「あ、そういえば」


 さっき手に入れた、アレがあった。


 装備も可能で、装備による効果が耐久+500・敏捷+3000という化け物級のアイテムが。


「後で錬金する予定だったが、まあいいだろう。ユーモネラスの毛皮、これをゴーレムに装備して―――」


 ステータス一覧からゴーレムの装備欄を開き、『空き』と書かれた【鎧】の枠にユーモネラスの毛皮を装着させてみる。

 それによる反応は何も見られないが、ちゃんとゴーレムのステータスに補正は入っている。

『耐久:624』『敏捷3013』という、とてつもない急成長の跡。


「敏捷が3013もあるなら……大丈夫だな」


 耐久・敏捷ともに俺に劣るが、ステータスからすれば番人として不備のないレベルだ。


 ただ魔力が低いから、魔法武器を持たせて戦わせるのは厳しいな。地上戦に長けたパワー型の番人として使おう。


 しかし、俺の作るゴーレムって全部パワー型なのだろうか?

 どうせ後からゴーレムを大量生産する予定だったし、今からでも構わない。


 再度、「ゴーレム生成」と念じる。

 今度は一気に五体を生成してみることにした。


 すると、先程と同じように地面が波打ち、そこから巨体が段々と姿を現してくる。頭部、胴体、そして腰以下―――けれど、その巨体は全て黄土色。

 色彩によって識別できないとなると、やや困ったものだ。


 見た目と同様、ステータスまで同じなんてことは、流石にないよな……。

 半ば焦りつつ、ゴーレム達のステータスを確認した。


 幸い、その五体は試作のパワー型ゴーレムと違って、バランスがとれたステータスだった。



 ______________________________

 ______________________________



 〘ゴーレム ?〙 【種族】:?


 Lv :20


 HP :1000/1000


 MP :500/500


 筋力 :280

 

 耐久 :485


 魔力 :100


 敏捷 :100


 幸運 :0


【状態異常】


 なし


【スキル】


 なし


【特殊】


 なし


【称号】


 なし


 ______________________________

 ______________________________



 五体ともこの能力値で、特に敏捷については問題がないと判断できる。魔力も100と、魔法武器とかを持たせる際の及第点には達している。魔法武器はいくら性能を向上させても、使い手の魔力量次第でその強弱が分かれるのだ。

 だからこそ、魔力量の少ないパワー型ゴーレムに魔法武器を装備させても、戦力外になるだけ。


 魔法武器がダメなのでは、残りは弓矢とか剣や斧といった武器しかない。後々何とかしよう。


 なぜあいつがこの五体のようにバランスの良い能力値じゃなかったのか、不思議でたまらない。それでも、使いようはあるけれども。


「次に、大量生産だな」


 ゴーレムは、試作第一号含め六体だけでは足りない。

 元より決めていた目標値――100体は欲しい。


 というわけで、焚き火を囲むようにして佇んでいるノーグリードとデュラハンを背に、俺はまたまた「ゴーレム生成」と心の中で唱える。ゴーレムを作るのが楽しくなって変に叫びたい気分だが、そうすると早速魔物たちを呼びかねない。おそらく、黙って作業を行うのが善策だ。


 と気を案じているうちに、視界いっぱいいっぱいに地面が波打ち始め、そこからゆっくりと数多のゴーレムたちが出現していく。


 よく見てみるとゾンビが湧き出てくるみたいで、少しばかり怖気がした。

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