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トラップマスターのゲーム記録〜バグ処理のために転生します〜  作者: 鳶崎斗磨
第二章 最弱職の最強者
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第36話 寝床の整備

「すまんすまん、見せた方が早いだろと思ってな」


「危ねぇからとか何とか、少しは断りぐらい入れろよ」


「同じくだ! 」


 五体満足な俺の横で、デュラハンが四つん這いになって便乗してくる。

 奴に向け、ノーグリードはというと、


「大人しく斬られれば良かったと思うが? なあ、スケルトン=タートル」


「っ、我は不死族の王デュラハンであるぞ! さては、貴様の目は腐っておるな」


「見たまんまじゃねーか。今のお前の格好がよ」


 言われてみば……似てなくもない。


 《スケルトン=タートル》とは不死族の下位クラスのモンスターで、大きな亀が白骨化していて、かつゴツゴツとした黒い鎧を纏ったような奴だ。


 ふと思い出した《スケルトン=タートル》の容姿とデュラハンの格好を照らし合わせるなり、つい笑ってしまった。


「ヒビキ! 貴様もなぜ笑っておる! 」


 侮辱されたとしてデュラハンはばっと立ち上がり、背にしまっていた銀白色の矛を手に持ち、近距離で突いてきた。

 でも俺は、スラリスラリと避けつつ、避けきれないものには「防護術」スキルで受け流していく。


 これでも近距離戦には長けた方ではあるから、ちょっとやそっと、まして情緒不安定な奴の攻撃を回避することくらい容易いことである。


「ついでに死ぬがよい! 」


「なーにがついでだ。攻撃が当たってもないくせに」


「わ、わざと外しているだけだっ」


「わざと、か。ほんっと、可愛いやつだな」


「か、かかか可愛い、だと……っ、ふんっ、貴様の狂言で気が散った。こ、今回はこのくらいにしておいてやる! 」


 どこの悪党の台詞だよ……。


 自分から仕掛けておいて、力量の差を存分に感じたから身を引いた感じだろうが。

 こいつはたしかに可愛いやつではあるけれど、だからといって俺は容赦しない。


「で、本題に戻るとして……ノーグリード、お前はここを寝床にしたいわけだな? 」


「移動するのがめんどくさいからな」


 そんな堂々とピースサインを見せられても困る。


 まあしかし、概ね奴の言う通りだ。とりあえず寝床確保は早急に成し遂げられたから良しとするか。


 それから……今、何時だ?

 結構日が落ちてきてる気がする。


【5:00PM】


「時間を確認したい」と念じると、マップの上に現時刻が表示された。時間の確認ができるのは、正直ありがたい。

 でも、もう夕方に突入してたのか。これは、早く寝床の整備をしなければ。


 それから、俺らがまず初めに行ったのは焚き火の設置。夜に向けて、灯の設置は欠かせない。「ただの小枝(G級)」50本を取り出し、焚き火の形に組んでみた。着火はまだ後でいいだろう。焚き火は灯としてだけでない。今日のところは俺の所持品で食料面は賄えるとしても、それは全て生肉だ。焚き火で焼いて食べないとひどい目にあいかねない。


 次に、雑草諸共消え失せた広場に野垂れ死んだ魔物(モンスター)の回収。意外にもその数は多く、三人で手分けして回収し、焚き火の側に山積みにした。大中小のモンスターがノーグリードのスキル「風刃」でやられていただなんて、想像もしていなかったが。


 しかし全部が息の根を止めている訳では無い。チラホラ、図太く生き残っている奴もいる。まあそいつらを含め、食料面に俺が手を加える必要はなさそうだ。

 とはいえ、こいつらをただ喰らうだけではもったいない。



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【特殊】


「女神の加護」


 ○「女神の加護」詳細


 ・スキャリング《「発動条件」:魔物討伐「効果」:対象のスキルを奪取。固定スキルの奪取不可》



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 俺には、女神からもらったチート級の能力がある。こればかりはフィーさんに感謝するしかない……。

 息の根を止めているモンスターを除いた、図太く生き残っている奴らに、俺は早速顔面パンチでトドメを刺していく。筋力は割と高い方だし、瀕死な奴らにわざわざ「防護術」を使うまでもない。卑怯でも、トドメはトドメだ。


 結局、そうやって倒したのは10匹だった。

 しかも全て、《ユーモネラス》ばかり。


 《ユーモネラス》は冒険者の間でも『森の暗殺者』と呼ばれる、厄介なモンスターである。見た目はモグラをある程度まで巨大化させたような感じだが、とてもすばしっこく、いざとなれば上手く隠れる、まさに忍者的なやつらだ。


 そんな奴らでもノーグリードの「風刃」は避けられなかったんだな。そこそこ強い、上位クラスのモンスターだし、その上奴らの肉は美味いと聞く。今日はご馳走になりそうだ。



 そんなふうに想像を膨らませている時だった。


 ピピッ、ピピッとチャット枠にあの時とよく似たメッセージが送られてきた。


 ──『ユーモネラスを10体討伐しました』


 ──『「女神の加護」により『ユーモネラス』のスキルを奪取しました』


 ──『スキル「鉤爪Lv25」を獲得しました』


 ──『スキル「土魔法Lv62」を獲得しました』


 ──『スキル「暗視Lv53」を獲得しました。同様のスキルを所有していたため上書きします』


 ──『スキル「危機感知Lv6」を獲得しました。同様のスキルを所有していたため上書きします』


 ──『スキル「隠れ身Lv86」を獲得しました』


 ──『スキル「土魔法耐性Lv86」を獲得しました。同様のスキルを所有していたため上書きします』


 ──『ユーモネラス10体の討伐により、6800経験値を獲得しました』


 ──『「ユーモネラスの毛皮(A級)×10」がドロップしました』



 新たなものや、より強化されたスキル、かなりの経験値、そしてドロップアイテムを手に入れられた。

 特に経験値に関しては、大量にゲットしてもプレイヤーレベルは99から100にならないことを、バジリスク討伐時同様、心の中で悟ることにした。


 また、ドロップしたアイテム「ユーモネラスの毛皮(A級)」の効果が気になる。モンスターを倒しても、ドロップアイテムはなかなか排出されにくいもので、今回は運がいいとも言える。


 アイテム欄より、「ユーモネラスの毛皮」を選択し、詳細を確認する。



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『ユーモネラスの毛皮(A級)』《「効果」:特になし。装備可。耐久+500、敏捷+3000。錬金可》


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 なるほど、そのまま装備としても使えるのか。その効果はかなりのものだ。耐久+500、敏捷+3000といった代物は、初めて見た。

 錬金してちゃんとした防具にでもすれば、まだ伸びる可能性だってありそう。後々試してみよう。


 さて、俺が何をしているのか理解しておらず手持ち無沙汰にしているノーグリードとデュラハン。一通りスキャリングは終えたし、日が落ち気味で辺りがやや暗くなっているため、そろそろ焚き火に火をおこし、この広場に罠だって仕掛けておきたい。


 焚き火に火をおこすといっても、ノーグリードやデュラハン、白兎は火魔法を使えない。似た類のものもおそらくない。

 仕方なく、俺が錬金術で何とかすることにした。


 火おこしには、火打石だろう。火打石を作るにあたって材料に困っていたが、何となく、錬金する必要がない気がした。「ただの小石(G級)」二個と、「雑草(G級)」で何とかできそう。


 そう考えては「ただの小石(G級)」二個と「雑草(G級)」をアイテム欄より二つ取り出し、一旦その場に座り込む。

 雑草は地面におき、ただの小石同士をなるべく雑草に近いところでカン、カンと打ち合ってまず火種を作ることに。

 だが、火種はそんな簡単に作れはしない。何度も何度も小石を打ち続けているのにまだ火種はできないのかという苛立ちを覚え、俺は疲労を無視して可能な限り高速に打つ。


 すると苦労が報われたのか、摩擦によって微かな火種が雑草に落ちた。この火種を失うまいと、雑草を手に持って、火種が落ちた部分に優しく息を吹きかける。

 そして幸運なことに、火種は消えることなく雑草が着火された。それを急いで焚き火に置くと、小枝にも燃え移り、立派な焚き火らしくなった。

 火魔法が使えなくても、よく火を起こせたものだと、我ながら感心した。


 続いてやらなきゃいけない事がある。

 罠の設置だ。


 良くも悪くもこの広場の周りはノーグリードのおかげで薙ぎ倒された木々による壁が構築されており、壁の内側に罠を設置するだけで何とかなりそうだ。死角もないみたいだし。


 大事なことは、どんな罠を仕掛けるのか、という点である。仕掛ける罠の種類によって、モンスターからの夜襲を防げるか否かが左右される。捨て置けない問題だ。まあ、全種類仕掛ければ問題なんて生まれないのだが。


 かなり手間はかかるが、地上型、空中型それぞれの罠を仕掛けていこう。


3000字を久しぶりに超えました。

今回はかなりまったりと書かせて頂きましたー!

会話が少ないのが欠点ですが。

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