第24話 お互い様
「ほう、これ避けるか」
スキンヘッドの男が感心したように声を掛けてくる。
どこからどう見てもこいつが頭だ。
隙だらけだが、はて、どうしたものか。
一応、即興で罠を仕掛けておこう。
俺は無言のまま「罠作成」「罠設置」スキルを使用する。
転生して初めての罠はりで、興奮を隠せない。
作った罠は、安定の「痺れ罠(D級)」。掛かれば、5分間は動くことが出来ない。
材料は「スパーカー」とよばれる木から採れる樹液「スパーカーの樹液(G級)」と、赤い蜘蛛の魔物「ロー=スパイダー」からとれる「蜘蛛の赤糸(E級)」だ。
それらは比較的簡単に集められるため、新人のトラッパー達は痺れ罠ばかりを作成し、使用している。といっても、戦士とかそういった仲間との連携にはもってこいの罠だろう。
それを自分の足元に設置するのはただの自爆になるから、バレることなく少し先に設置した。
この「罠設置」スキルはレベルが上がるにつれ、大型のものを迅速にかつ隠密に仕掛けられるようになるのであり、俺のは既にMAXになっているため制限自体がなく、いつでもどこでも罠を張れるのである。
「今、何かしたな」
「……は? 」
「スキルがそう教えてくれてんだよ。そこら辺に何か、仕掛けただろ」
筒抜け、か。
この男も「危機感知」スキルを保有しているとみえる。
あからさまな雑魚ではないようだ。
「さあな」
「とぼけても無駄だ。―――まあいい、どうせ今から倒される運命だ。ゲーム画面をタコみたいに吸い付くようにして見ているといい」
今はゲームの向こう側にはいないぞ。まあ、万が一のことを考えて奴らのステータスを確認しておこう。
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〘ゼロ 23歳 男性〙 【種族】:人間 【職業】:調理師
Lv :32
HP :820/820
MP :114/114
筋力 :335
耐久 :98
魔力 :15
敏捷 :48
幸運 :1
【状態異常】
憤怒(小)
【スキル】
「危機感知Lv3」「投擲Lv5」「解体Lv42」「調理Lv83」「兜割Lv21」
スキルポイント:3
【特殊】
なし
【称号】
「荒くれ者」
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〘ギル 20歳 男性〙 【種族】:人間 【職業】:魔法使い
Lv :23
HP :483/483
MP :32/280
筋力 :32
耐久 :48
魔力 :210
敏捷 :30
幸運 :16
【状態異常】
憔悴・憤怒(小)
【スキル】
「魔法操作Lv18」「光魔法Lv15」「水魔法Lv8」「白魔法Lv4」
スキルポイント:5
【特殊】
なし
【称号】
なし
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〘ラムダーク 20歳 男性〙 【種族】:人間 【職業】:盗賊
Lv :24
HP :0/629
MP :121/121
筋力 :182
耐久 :82
魔力 :13
敏捷 :135
幸運 :14
【状態異常】
死亡
【スキル】
「足払いLv4」「剣術Lv12」
スキルポイント:3
【特殊】
なし
【称号】
なし
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