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トラップマスターのゲーム記録〜バグ処理のために転生します〜  作者: 鳶崎斗磨
第一章 旅立つ最強のプレイヤー
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第19話 女神のメモ帳1ページ目

 だが、叶わぬ。


 欲を増幅させた所でどうなるわけでもなく、単なる絵空事で済まされてしまう。

 大方強制的に転生をさせられた俺にそんな報いを……巡り巡れば、最初に望まなかった俺自身が悪いとなる。


 いきなり転生の話を持ち出されて言語理解能力の是非にたどり着けるわけじゃあるまいし。


「……女神のくせに」


【はい、なんでしょう? 】


「なんでもない」


 小言さえも聞き逃さないのか。

 ヘルプオプションでサポートに入ってもらっている身の上ではあるが、少なくともいい心地はしない。


 なんだかんだで後腐れしてしまうのを避けるべく言語理解についての話はここらで終いにし、これからのことを考えるとしよう。



【ヒビキ様、ヒビキ様】



 そこへ早速邪魔が入る。


 タイミングがいいのやら悪いのやら。


【今後のことについて、私の方からアドバイスをさせて頂きます。まずはこれをお受け取りください】


 突如ピピッという音が聞こえる。これはチャット枠にメッセージもしくはログが追加された時の効果音。


 おもむろにチャット枠を確認してみる。




『「女神のメモ帳(?)」を獲得しました』




 女神のフィーさんより何か貴重なものを貰ったらしい。(?)がそう決定づけている。


 とりあえず慣れた手つきでアイテム欄から『女神のメモ帳(?)』を取り出した。

 メモ帳というより、水色をした無地の分厚い本といった方が合ってる気がする。


 興味本位で最初の1ページを開いてみる。





 ______________________________

 ______________________________





~感染魔物リスト~


・『ハイ=キラーアント』:蟲の山


 ○危険度5


・『メタリック=ノーム』:蟲の山


 ○危険度4


・『パラサイト=ノーム』:蟲の山


 ○危険度5


・『ギガント=ドラゴンフライ』:蟲の山


 ○危険度7


・『アジェフェルノ』:蟲の山


 ○危険度5


・『バジリスク』:ローステル草原(討伐済み)


 ○危険度7


・『ヘル=スパイダー』:ローステル草原


 ○危険度10




 ______________________________

 ______________________________




「これって全部……単体じゃなく? 」


【1から10までの危険度の内、先程倒されましたバジリスクなどの危険度7以上の魔物のみ単体です。固体種はみな強敵なのですよ。他はもちろん複数ですが】


【それとゲームの都合上魔物はいつも通り、討伐された時点から1日を経て生息地に再び姿を現すように設定しております。バグに寄生された魔物は、討伐されるとバグのない通常の魔物に戻りますので、バグの感染領域が広まるのを防ぎ、あわよくばバグそのものを除去するため、ぜひお力添えを】


 全体的に結構きついな。


 まして、後尾に載ってる『ヘル=スパイダー』は危険度10の、俺の知らない化け物。俺が知らないわけがないから、多分新手の魔物だな。

 けど、バジリスクよりも遥かに上の魔物に勝てる雰囲気は……当分ない。


 あと、よりにもよってそいつの生息地、ローステル草原(ここ)じゃねえか!?


【それらは私の現段階での調査結果ですので、変更があり次第、メモ帳のリストを更新していきます。分厚いものですが、中はまだその1ページしか記載されておりません。その他の情報も随時追加していきます】


 要するに、ゲームの中で楽しむ以前にバグをなんとかしてくれという話だな。


 転生も楽じゃないな。退屈ではなさそうだけど。


【ちなみに、『ヘル=スパイダー』はローステル草原の裏ボスです。相当手強いですよ 】


「その化け物は女神作なの? 」


【当たり前ですよ。まあ、製作者側の注意を無視して作った魔物なんですがね。おかげさまで、「この世界に存在してはならない化け物」として秘匿され、万が一にも起きないようにと、地中深くに封印されてしまいましたが】


「え、ならどうやって戦えと? 」


【それは、お任せします。しかし、『ヘル=スパイダー』にバグが寄生しているのは間違いありません。もしかしたら、その影響で目を覚まし、大暴れしてしまうかもしれないです】


 それは可能性ではなく、実際に起きる話だな、きっと。

魔物の名前付け、難しいです……泣。

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