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第02話 飛行って難しい

痛たたた。

まさか、山から落ちるとは。


まあ、この前の事故に比べれば軽いものだがな。


《センパイ、大丈夫ですか?》


『ああ、大丈夫だ。問題ない』


あるじよ、何者かが近づいてきます。警戒を》


『えー、戦闘とか嫌なんだけどなぁ』


見渡す限りの広大な森林、こんなの日本では全く見たことのない光景だなぁ。


「ド、ドラゴン・・・!」


「違う、こいつただのドラゴンじゃねぇ。この黒い鱗、この巨体、竜封山に封印されていた邪竜 レイヴァールだ・・・」


「や、ヤバイんじゃない? 逃げましょう?」


「こ、こっちは竜殺し(スレイヤー)が2人もいるパーティだ。 ひ、怯むことはーー」


『えーっと、君たち?』



「あ、ああ」

「・・・・」

「や、し、死ぬ」

「に、逃げよ、う」

「あ、足が・・・」


《エクストラスキル『畏怖の念』を習得しました》


『え、えっと? 俺、何もしてないよな? ただ健全に話しかけただけだよね??』


《さすが(あるじ)、無意識のうちにスキルで無力化するとは・・・》


《どうする?こいつら。殺っちゃう?》


『おいおい、待て待て。早まるな。殺しちゃいかん』


「こ、殺す・・・?」

「殺される・・・」

「あ、わあわ・・」

「に、逃げ、、」

「・・・・」


『ま、待って。お前たちじゃない! 俺・・・じゃなくてワシは無駄な殺生はしない』


そう呼びかけるが、5人の人間は腰が抜けて逃げることもできなくなっていた。


(あるじ)、スキル『畏怖の念』を解かないと意味がありません》


『マジで? じゃあ スキル『畏怖の念』を解除してくれ』


《御意、畏怖の念 解除、、、、成功しました》


『あ、あの。お話し出来ますかね?』


畏怖の念を解除してもらったら5人の冒険者は気絶してしまい、全員が倒れてしまった。


『ど、どうしよう?』


《置いていけば良いんじゃないかしら?》


《西方 182キロメートル先に街があります。

そちらにこの者達を運ぶのが最適解かと》


じゃあ空を飛ぶのが手っ取り早いな。


『じゃあ街までひとっ飛びといきますか』


(あるじ)よ、現在、翼の使用が出来ない状態になっております》


《さっきと同じで空は飛べないわよ》


『うーん、翼ってまだ再生できないの?』


《えっとね、レイヴァールを封印した時に魔王が翼の魔法回路を抜いちゃったみたいで竜翼自体はあるんだけど、魔法回路が自然修復するまで飛ぶのは無理っぽい》


《魔力消費量が多いですが、魔法によって飛ぶことは出来そうです。 実行しますか?》


《ええ! まだセンパイの魔力って完全じゃないからやめといた方が良いんじゃない?》


《いえ、街に行くには十分すぎる魔力量まで回復しています》


『それじゃあ、お願いしようかな?』


《御意、魔法『竜翼』の作成、、、成功しました。

使用しますか?》


『もちろん!』


そう答えるとなんだが背中に違和感が生じる。

なんか、存在しない筋肉を使っている気分になる。


《魔法の起動完了、いつでも飛べます》


そう言われたので、爪で間違っても刺さないように5人を手で慎重に持ち上げる。


持ち上げたら思いっきり地面を蹴り、背中の筋肉を動かす。 すると、結構勢いの強い風が吹いているようで近くの木が吹き飛ばされていく。


ごめん、ガートン森林。


心の中で少し謝り、探究心さんが示す方向に飛ぶ。

けど、全然スピード出ねぇ!!

なにこれ?遅っっ!! 俺をねたハイブリッド車の方が3、4倍早いぞ?


《エクストラスキル『無詠唱』を獲得しました》


《おっそ。センパイもっと早く出来ないの?》


無理。ホントに。

喋る余裕さえも無いくらいにマジで集中して頑張ってるんだけど、全然スピードでない。

しかも背中痛くなってきた。


(あるじ)よ、今使っているのは魔法です。

筋肉ではなく、魔力を動かすイメージです》


んなこと言っても、無理だって。


《今、背中には魔力で翼に擬似的な魔法回路を作っています。 なので、翼の筋肉を動かすのではなく、魔法に身を任せてみてください》


《いいから力を抜けって。 魔法回路が作られてるから心配しなくてもいいって》


し、知らないぞ? 落ちてこの人達がどうなっても責任は俺に無いからな!


目を瞑って手以外の力を抜く。



『・・・・えっ』


背中の力を抜いたがまだ空中に浮いている。

少し足に風を感じるので、翼が意識と関係なく動いていることが分かる。


『すっげぇ・・・』


《エクストラスキル『無詠唱』が『完全無詠唱』になりました》


『無詠唱?完全無詠唱?

何だそれ、どういうことだ?』


《覚えた魔法を意識をするだけで使用可能になり、魔力消費量が減るスキルです》


《ちょい、そんな話をしてる暇ないよ!

魔力残量がもう残り少ないから早く行かないと!》


『じゃあ、スピード上げるか』


背中にある翼でより多くの風を押し出す事を意識して飛んでみる。





『ぬんわぁぁあああ!!』


ちょ、スピードを上げようとは思ったけどさ。

速すぎぃいいい!!

これ絶対ヤバイ! 目が風で開けられないし!


《ちょ、センパイ。速すぎだって!!》


《注意、魔力残量が残り2% 約43秒後に魔力切れとなります》


『ちょ、やばいって! どうすればいいの!?』


(あるじ)よ、意識です。

加速する意識をしたのなら、減速する意識をしてみてください》


意識ね、意識。

えっと、体をもっと起こして風の抵抗を増やして・・・・


ここで気がつく。

確か、俺のステータスに・・・



ステータス

肉体名:邪竜 レイヴァール

魂名:センパイ

称号:邪竜

魔法:不明


スキル

ユニークスキル『賢者 ベガ』

ユニークスキル『探究心』


エクストラスキル『念話』

エクストラスキル『質量変換』

エクストラスキル『完全無詠唱』


固有スキル『邪竜の鱗』


邪竜の鱗

全属性耐性、魔力吸収、空気抵抗無視、超硬質化



『空気抵抗無視ぃぃぃいいいい!!』


あ、これオワタ。魔力切れを起こしての墜落確定じゃん。

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