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第01話 邪竜になりました

『よぉ、センパイさん』


「・・・んーあ? んあっっ!!!???」


目覚めるとそこには夢で見た自称邪竜が居たのだ。


『そこまでビックリすることでもなかろうに』


邪竜は少し落ち込んだように肩を落とす。


「俺って死んだよな?」


『死んだとも。お主は幸運じゃ、数いる虫ケラどもの中からこの邪竜 レイヴァールの次代に選ばれたのだ。 誇ると良い』


邪竜 レイヴァール? なんだその中二病感満載な名前は。 何?漆黒の炎でも出せるのかな?


「えーっと、邪竜?」


『なんだ?なりたくないのか?』


「いや、なんで俺なのかなぁって。

それになんで次代に託す気になったのかなって」


『そんなの簡単だ、ワシの寿命が近い。

そして何故お主かと言うと、ちょうどいい転生者だったから魂を回収させてもらったのだ』


つまり、たまたま俺が死んでこの世界に転生することになったから勝手に魂をここに呼び寄せたのか。

よし。断ろう。


「あの悪いんですけど、俺は普通に人間として転生したいので解放してくれると嬉しいのですが」


『ガーハッハッハー、そう言うと思ったぞ!

だが残念だったな! お主はもう邪竜になることは確定したのだ!』


「お、おい。俺は邪竜なんかになるつもりはなー」


『時間だ。ガーハッハッハー、ではこれからは頼んだぞ? センパイさん、いや邪竜 レイヴァール』


邪竜は片目だけ閉じてこちらを見る


「ふざけんな!! 何カッコつけてるんだーー」


視界が眩い光に包まれた。

何も見えない。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ガアァアア!!!」


上手く喋れない。何事だ?


《あー テステス。 センパイさん聞こえますか?》


「ガァァ!!」


《どっち?聞こえてるの?聞こえてないの?》


「グルルル、ガァ!」


喋れねぇ!!

「グルルル」とか「ガアァアア」しか言えないって、

「ハーイ」と「チャーン」と「バーブー」しか言えない2歳児よりレパートリー少ないぞ?


《あー、もしかして喋れないの?》


「ガアァアア!!」


《えっとね、念話ってスキル持ってると思うから確認して見てよ》


「グルルル」


《え?もしかしてさ、スキル確認も出来ないの!?》


「ガアァアア!」


《・・・ (大丈夫かな?)


「ガアァアア」


《えっとね、多分スキルに『探求心』ってスキルあるからそれに呼びかけて見みてよ》


探究心? なんだよそのスキル。


おーい探究心さんよ、おーい。おーーい!!


「ガアァアア!!!!!!!」


《うるっさいわよ!! 心の中で呼びかければいいの! いちいち叫ぶな!》


んなこと言ったって、反応ないし。


(あるじ)を肉体名"邪竜 レイヴァール" 、魂名"センパイ"に変更。 初めまして、私はスキル『探究心』です。 ステータス確認、スキルの使用、敵感知、鑑定の能力を持ちます》


お、答えてくれた。 よろしくね、探究心さん。


取り敢えず、先輩で固定されているのでいつか脇谷を呪いたいです。


《宜しくお願い申し上げます》


《おーーい! 聞こえてるの? 探究心に呼びかけが出来たのならさっさと念話を起動しろ!》


あ、探究心さん スキル『念話』を起動して。


《御意、念話を起動、、、、成功しました》


『えっ?これで念話って起動完了してんの?』


《おーーい! 使えないなこの邪竜!》


『さっきからうるさいな。この幼女ボイス誰だよ?

探究心さん、これどうしたら黙らされる?』


《うるさいわよ!! だれが幼女よ!》


『うえっ!? もう起動してたんだ……』


《黙らせることは不可能かと、この幼女ボイスは賢者 ベガ と思われます》


《さっきから幼女、幼女って だいたいね、探究心!あんたはレイヴァールとセンパイが世代交代した時にすぐに主の変換くらいしておきなさいよ!》


(あるじ)よ、幼女ボイスおよび雑音の遮断のスキルを使いますか?》


《何よ! 誰が雑音よ!》


『ちょっと? さっきから言い合ってるけど2人?で良いのかな? の関係は何?』


《何って、腐れ縁って奴よ! 友達でも何でもないからね!》


《そうです。腐れ縁と言うべきかどうかは分かりませんが、自我スキルの仲間です》


『自我スキル?』


《自我スキルって言うのは私とか探究心とかみたいな自分の意識を持ったスキルのことね。

まあ、私と探究心とじゃあ勝負にならないほどの差があるけどね》


《うるさいです。ステータス確認と解析しかできない無能スキルは引っ込んでいてもらっても構いませんよ?》



この後、取りつく島もないまま、賢者ベガと探究心の言い争いがしばらく続いた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


どうやら探究心さんは邪竜 レイヴァールのユニークスキルで、幼女のほうは俺のユニークスキルらしい。

できれば探究心さんと幼女を交換してほしい。


『それで? 俺は一体何者なんだ?

姿を見てもとても邪竜とは思えないのだが』


自分の姿を見ると、邪竜とは言えないくらい小さい竜だったのだ。 というか竜じゃなく巨大トカゲと言っても通用しそう。


(あるじ)は現在、スキルによって最小化しております。スキルの解除をすると元の大きさに戻りますが、山の崩壊が危惧されます》


『ここ、山なの?』


《ここは竜封山よ。文字通り、竜が封印されていた山》


『レイヴァールさんって封印されてたのか?』


《そんな訳ないでしょう? ねぇ?探究心》


《・・・・》


『探究心さん?』


《前 レイヴァール様はこの山で魔王様の1人と戦い、死闘の末、封印されました》


『なんで魔王と? レイヴァールさんって魔王軍の幹部じゃないのか?』


《あんた、何百年前の話をしているのよ?》


『ふぇ?』


《邪竜 レイヴァール様が魔王軍幹部だったのは2350年と4ヶ月と18日間前です》



その後、この世界についての話を色々と聞いた。


どうやらこの世界は5人の魔王と2000年以上前に魔法評議会が定めた5人の魔導王と呼ばれる者の子孫が大陸を支配しているらしく、その支配している地域ごとに国家があり、その国家の領地がある とのこと。


で、ここは唯一の誰も支配していない地域で中立地域と言われていて、この大陸の中心に位置しているらしい。



『えっと、話が長い』


《前 レイヴァール様が転生されました。

南方、1万7千キロメートルの魔王シュトリの支配地域にあるアルグラッド王国にて誕生の模様》


《そんなことどうでも良いでしょ!

で、センパイはこれからどうするの?

先代のレイヴァール(アホ)みたいな戦闘狂でもないだろ?》


『うーん、まずは人型になりたい』


《邪竜になったのになんで人? バカなの?》


《私は(あるじ)が望むのならスキルを実行します》


『人型になれるの?』


《いえ、なれませんが変身スキルを持った魔物は魔王ガイアスの支配地域の南西のダンジョンに出現するようですので、それを捕食 及び 解析にて変身スキルを手に入れることが出来る可能性は78%ほどあります》


《ちょっとぉ!? 私は解析するつもりなんてないよ!?》


『良いじゃん、俺のスキルなんだしやってくれよ!』


《そうですよ。

センパイ・・・ではなくレイヴァール様のスキルとして、命令されたら実行するのが当然です》


『な、頼むよ!』


《・・・分かったわよ! ただし、卑猥な格好は許さないからね!》


このユニークスキルは何を想像しているのやら?

健全かつ紳士である清らかな心を持つ俺にはよく分からないよ。

・・・ホントダヨ? ボク、ウソツカナイ。


『はいはい。そういえばレイヴァール()の封印ってどうなってるの?』


《私が解いてあげたわよ! 感謝しなさい!》


『あーうん、感謝 感謝。

じゃあ探究心さん、大きくして』


《御意、質量変換 解除、、、、成功しました》



するとグングン体が大きくなって鋭く尖った黒い竜鱗、1本1本が刀のように鋭い巨大な爪がよく目立つようになる。


バキバキ


《注意、竜封山の耐久が限界の模様》


《竜翼の再生失敗、飛行不可》


『ふぁあ!? ちょ、どうなるの?』


《約13秒後に竜封山の崩壊。

レイヴァール様が麓のガートン森林に墜落する確率は99.75%》


四捨五入したら100%じゃん。

そう思った瞬間に山が崩壊して、下へ落ちる。


邪竜に転生したと思えば 即、危険な目に合うってどういうことよ?




ステータス

肉体名:邪竜 レイヴァール

魂名:センパイ

称号:邪竜

魔法:不明


スキル

ユニークスキル『賢者 ベガ』

ユニークスキル『探究心』


エクストラスキル『念話』

エクストラスキル『質量変換』


固有スキル『邪竜の鱗』


邪竜の鱗 付属効果

全属性耐性、魔力吸収、空気抵抗無視、超硬質化

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