表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

死にました そして転生するようです。

初投稿です。 甘口評価も辛口評価もどんどんお願いします!

『我は魔王軍幹部であり封印されし邪竜』


 邪竜で魔王軍幹部とか…魔王軍最強かよ?

 そこは魔王軍と人間をダブルで敵に回す第三勢力になるべきだろ。


『知らん、我の封印はもう時期解ける。

 自由となるのだ。だが力はもう無いのだ』


 無力な邪竜って……やる気あんの?

 もはやただの大きいトカゲじゃん。


『貴様、我を愚弄するか?

 それほど死に急ぎたいか?』


 あれ? そういえばなんで俺って邪竜と話してるの?

 あ〜理解した。 これ夢だ。


『もう行ってしまうのか? もう少し話がしたかったのに行ってしまうのか?』


 悪いな、俺はこれから仕事だ。

 会社員は実に疲れる。


『そうか。お主に言っておくことがある。

 お主は今日ーーー』



 そこで目がさめる。


「あー まだ五時半か。 早起きし過ぎたな」


 凄く変な夢を見たな。

 しかも話の途中で目がさめた所為せいで続きが気になってしょうがない。

 なんならもっと話を聞いていても良かったな。




 早朝では何もする事がない。

 俺にもそう思っていた時期がありました。


 気持ち良い。


 早朝は空を見ると夜のように真っ暗なのに、見る景色は夕方のように明るい。


 現実世界なのにファンタジーの世界のような、そんな感じの少年心をくすぐる景色が広がっているのだ。


 早起きは三文の得と言うが、三文以上の得をした気分だ。これからは毎日早起きをしよう。



 自宅から1キロほど歩いた場所にあるコンビニまで散歩して、コンビニに入る。


 そういえば4日くらい前に隣町の大手コンビニチェーン店に強盗が入ったらしいからな。

 怖い怖い、俺のいる時に強盗にこないでくれよ。マジで。 ってこれただのフラグじゃん!


 1人でボケとツッコミをしていると店員が凄く『何かの人?』っていう嫌悪の目で見るのだが。


 とりあえず無糖のブラックコーヒーとレジ横に置いてある『唐揚げちゃん』という唐揚げを買い、店を出る。



「あ、せんぱーい!」


 後ろから声をかけられ振り向くと、2年前に入ったまだぺーぺーの社員、脇谷わきたにが声をかけてきた。


「どうした?朝帰りか?」


「はい! 最近、仕事がキツくて・・・」


 嘘を言え、なんだその爽やかな顔は?

 脇谷はかなりイラつく系の後輩だが、やる事はちゃんとやるし、目上の人には敬意を払う。

 まあ、なんだかんだで憎めない奴だ。


「まあ、頑張れよ。新人ちゃん」


「やめてくださいよぉ。俺も入社から2年たったんですから」


「まだ2年だ、分からない事はなんでも先輩に聞いておけよ〜。 新人だって認識されるのは3年目までだからな」


「うっす!分かりました!

 それはそうと、先輩は何でここに?」


「早起きをし過ぎたからコンビニに買い物だ」


「そっすか、じゃあ俺はこの辺で失礼しますね!」


「ああ、良く寝ろよ」


「子供じゃないんですから!」



 やっぱり、憎めない良い奴だな。


「!?」


 脇谷があくびをしながらでた交差点の向こうから猛スピードで車が走ってくるのが見える。


 音がない? あー 最近流行りのハイブリッド車か。

 隣の沢田さわださんが買って自慢してたなぁ。


 ってそんなこと考えてる場合じゃねぇ!

 脇谷のやつ気がついてない!


「あ、っぶねぇ、っぞおぉおお!!」


 ドンッと ぶつかり、脇谷が前へ転んで今まで見せたことのない驚いた表情で振り向く。


 よかったぁ 間に合った。あと数秒遅かったら俺も脇谷も流行りのハイブリッド車に轢かれて死んでただろうなーー


 ドンッ


 次は脇谷にぶつかった時とは違う、もっと低く、鈍い音が響いて俺が宙に舞う。


 そして俺が地面に叩きつけられると同時に車が民家に突っ込み停止した。


「大丈夫っすか!!?? しっかりしてください!」


 いってぇ。何が起きたんだ?


「救急車を呼びましたから! もう少し頑張ってください! 先輩!せんぱーい!」


「う、るせぇ、よ。 生、きてる、っての」


「先輩、、、、なんで? 俺のためなんかに・・・」


 あー いてぇな。 クッソあのハイブリッド車の野郎、スピード緩めやがって。

 止まるなら止まって、止まれなさそうなら即死するくらいにスピードを上げろよ。


「先輩! 先輩!」


 あれ? 痛くない。 もしかして、神様が俺の善行を称えて全ての怪我を治してくれた系か?

 んな訳ねぇか。何処かで神経切断されて痛みが感じなくなっただけか。


 やべぇ、死ぬ。

 だんだん何も聞こえなくなってきた。

 しかもめっちゃ眠い。

 3日くらい寝ないでオンラインゲームをやったあの日と同じくらい眠い!


「わき、、たに!! 俺の、、会社の、、パソコン」


「は、はい! パソコンがどうしました!?」


「パソコン、、の、、、フォ、、ルダは、、全て、、、お前に、、、託す!」


「せ、先輩!!」


 急激な眠気に耐え、最後の力で脇谷に俺の全てを託して、眠るように息を引き取った。




 あー 会社のパソコンに入ってる物を誰かに託すのはもったいなかったかなぁ?

 上司の目を盗んで作ったゲームとかオンラインゲームのデータとか他のOLには見せられない秘蔵画像とか。


 まあ、いいか。 脇谷だったらちゃんと要るものと要らないものを分別してくれるだろう。


 そういえばこの後どうなるんだろ?

 脇谷が7つの玉を集めて蘇らせてくれるのかな?

 それとも輪廻転生して魚あたりに転生するのか?


 あ、異世界転生とかあっても良さそう。


 この前読んだ転生物のラノベみたいに美女に囲まれるハーレム天国だと最高なのにな。



 《肉体名"先輩"の活動限界となりました。

 魂名"先輩"を解脱させ、転生の準備に入ります》



 なんで名前が先輩なんだよ?



 そうして、42歳の独身&童貞の何事もなく、海外に行くことさえもなかった肉体名"先輩"の俺の人生が幕を下ろした。



 このまま名前固定で転生したら脇谷を呪う。



 これが最後に思った言葉だ。

評価、ブックマークをよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ