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キングテレトリー  作者: フクツノタロウ
ゲンエイガハラ村編ーⅠ
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あの男の弟

ルークドとグールフの激闘に終わりを向かえ、一行がちょうどゲンエイガハラ村に着いた時には、空は明るくなってきており夜明けとなっていた。

その夜明けは、一段落を表すかに見えたが、それはまたルークドたち、ゲンエイガハラ村にとって新たな災難の訪れの始まりでもあった・・・。


ゲンエイガハラ村の森の前には300人の兵隊たちが集まり、森に踏み入れる前の最終点呼のようなものを行っていた。


「ヒドウさん・・・ここで間違いないですぜぇ。この森を越えた先にゲンエイガハラ村がありますねぇ!」


そう地図を広げながら言ったのは、小物感溢れるおっさんといった感じの男だった。

だが、そんな雰囲気ではあったが、能ある鷹は爪を隠すというようにそれは本当の姿ではないような感じもあった。

体にホルスターを忍ばせており、そこにはどこから手に入れたのかリボルバーが入っていた。


「よおおぉぉし、よくここまで案内してくれた!!ヘッターレ!!さっそく、進軍だ!!”半端物”たちを乱獲してたんまり稼がせてもらうぜええ!!まだまだ改造したんねぇ!!」


そう大きく声を上げたのは、ザンギャクの弟であるヒドウだった。

全身をまさに重鎧というようなガチガチの鎧を着ており、それは、防具をほんとんど着ていなかったザンギャクと対照的と言えた。

頭からつま先まですべてを守るかのように堅固でバイザーもついていて顔が見えなかった。

さらに鎧の背後には、針1本通りそうな小さい無数の穴が空いており、普通の鎧ではなさそうだった。

自身は何も手に持っておらず、愛用の武器である、人をいとも簡単に真っ二つにできそうなほど大きい斧と三脚が着いていて発射部分が二段機構になっているバリスタは、随伴の部下に持たせていた。


「張り切るのはいいですけど1つ問題が・・・(チッ、相変わらずヒドウはうっせえぇな・・・耳が変になりそうだぜぇ・・・。)」


ヒドウがバイザーを上げて、ヘッターレの方を見る。


「あぁ?何だ!さっさと言え!」


「この森を抜けるには、3日ほどかかるかと・・・それにこの人数ですし・・・(あーうぜぇー)」


「クソッ!!そんなにかかるのかよぉっ!!・・・オラッ!引き返すぞ!」


「えぇぇ!?ちょっと待って下さいよ~。せっかくこんなに兵隊を集めたんですぜぇ!?」


「あぁ!?じゃあ解散、解散、お前ら解散しろ!!帰ってクソでもしてろ!クソ野郎ども!!」


「いやいや!”半端物”たちを乱獲しましょうよぉ!これほど楽に稼げるの他にないですぜ?」


「俺の愛武具たちは3日も待ってられねぇて言ってやがる。『さっさと、改造して!もっともっと・・・もっとおおお改造してええぇ!!』ってな、愛の・・・魂の・・・叫びが俺には聞こえるンだよっ!!」


「(兄弟揃って頭湧いてんのかっ!!)・・・いや、でも・・・ほら、使ってやるのも大事じゃないですか?改造が・・・魅力を高めてやることだとしたら、使ってやることは愛の確認とか・・・じゃないですか・・・?(あぁ、クソッ!やけくそだ!自分でも何言ってるのかわかんねぇ!!)」


ヒドウはバイザーを下ろす。


「・・・そうだな。たまには愛の確認もしねぇとな・・・。すっかりオレは、忘れてしまっていた。魅力を上げてやることばかりが、愛を育むことじゃねぇよな・・・。」


ヒドウは行動を決めたようだった。


「よし、お前らああああぁぁ、進軍だあぁぁぁ!!到着に3日かかろうが関係ねえぇ!!乱獲!乱獲じゃあああああ!!乱獲祭りじゃあああああ!!グヘヘヘヘヘヘヘヘ!!」


そのヒドウのかけ声に兵隊たちは応えるように声を上げた。

ヘッターレは、その叫びには参加せず、ただただ困憊こんぱいしていた。


(はぁ、何で俺様がこんなガキの世話みたいなことをしなきゃなんねぇんだ・・・。いや、そもそもヒドウと俺様はそんな年齢が変わんねぇ!どうやったらこんなやつが出来上がるのか不思議でしかたねぇぜ!!)


ヒドウを先頭に隊は森に踏み入れ出す。


(いや・・・でもこれでいい。これでキングリメイカーの足場を1つ1つ着実に崩していく事ができる。ヒドウはどうせ使い捨てにすぎないんだ・・・このゲリラ的なやり方で、キングリーパーとしては、ノーダメージで最大の効果を上げることができる!!これもすべてボル様のためにっ!!俺様はがんばりますぜ!

このゴミも何とか扱いこなして見せますよー!!)


そんな事を思いながらヘッターレはついていく。



















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