表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
キングテレトリー  作者: フクツノタロウ
エングランド訓練所ー実戦編
69/280

間一髪

「~で、ここまでがキングテレトリーの現状で・・・」


マリはキングテレトリーの今の”現状”から、メイヒールに説明をしている最中だった。

メイヒールも真剣に聞いており、お互いの立場、情報をすべて共有するかのようだった。


「で、私たちキングリメイカーはその分裂した・・・」


「お話の途中すいません。なんだか外が随分と騒がしいような気がします。ちょっと見てきてもよろしいでしょうか・・?」


「・・えぇ・・別にかまわないけど・・。」


「ありがとう。すぐに戻りますので。」


そう言うとメイヒールは急いで、扉を開けて出て行った。


(どうしたんだろう・・・急に。)


1人家の中に残されたマリは、急にメイヒールの表情が不安げになったことに困惑したがとりあえず待つことにした。

外から来たマリは何も感じなかったが、その時メイヒールはいつもゲンエイガハラ村にいるからこそ、察知できる異変を感じていた。


そして5分ほど経った後だった。

勢いよく扉が開いた。

突然のことだった。


「ハァ、ハァ、ハァ、・・・ハァ、ハァ、た、大変です!マリさん!」


「そんなに息を切らしてどうしたの!?」


尋常ではないメイヒールの慌てぶりに、マリは驚くしかなかった。


「今すぐ門まで来てください・・!!」



門の前にいた住民たちはみんな逃げ、ヤンとファイだけになっていた。


へん・・!!)


ヤンは首を絞められている状態からへんを使い、ファイの脇腹へ肘鉄を食らわせる。


「ぐぉぉっ!!」


ファイはダメージのあまりヤンを放してしまい、後ろへ2、3歩下がると、膝をついてしまう。

ヤンはほどけたと同時に、後ろを見て、自分を絞めていた相手を確認する。


(・・・起き上がれない程度に回復させたはずだが・・・まさか動けるほどまでになるとはっ!)


ヤンは闘気修応活とうきしゅうおうかつの調整を間違えたわけではなく、あの微量のしゅうで瀕死の状態からここまで復帰するファイの生命力の強さに驚いた。

だが同時にヤンの中に心変わりが起こったのであった。


「名前は・・・ファイと言ったか・・。」


あの時の、キャアシーの叫びをヤンは聞いていた。

膝をついた状態のファイに続けて話す。


「ファイ殿。あなたの強さは十分わかった。しかし、拙者には果たすべき目的があるのだ。何度も立ちふさがるようなら、次こそは覚悟を決めてもらうぞ!」


ヤンはとても気迫のある目でファイを見る。

それはファイを武闘家ではなく、初めて敵とみなした瞬間だった。

生かしておくと、何度でも自分を追ってきて、自分の身に危険が及ぶとそこで判断したのだ。


そんなヤンの様子の変化を感じたファイはニヤリとして、口に溜まった血をタンみたいに吐くとゆっくり立ち上がり、構える。


「随分と舐められたものだな・・。やっと本気とは、遅すぎるぐらいだ・・。」(俺に意識が向いたか・・ここから少しでも時間を稼ぐんだ・・!あいつらが逃げられるように!)


ファイは自分の最後の役割を言い聞かせながら覚悟の目でヤンを睨む。

ヤンもそのファイに応えるように構える。


「こんな形で会っていなかったらきっと良き友になれたのであろうな・・・・仕方があるまい。ではいくぞ!」


そしてそれを合図にヤンとファイの第3回戦のゴングが鳴った。


「パスド・・・」


「遅い!」


ドスッ!!


「ぐっ!くはぁっ!!」


ヤンはファイのパスドストレートが出る前にしゅんを使って、間を詰め鳩尾に正拳突きを入れる。

ファイはその速さに姿を捉えることも、防御することもできず、まともに食らってしまう。

大きく吐血した。


その一撃が決定打でファイはフラフラとなり、意識が飛んだ。

だがそれでも体の反応だけでなんとかヤンに攻撃を試みる。

脱力し、酔っ払いのようなおぼつかない動きで、回し蹴りやパンチを繰り出す。

だがあまりにものろく、ヤンは少し体を反らす最小限の動きだけで避けていく。


(もう・・もはや気力だけで動いている状態か・・。)


どんどんファイの動きのキレはなくなっていき、最終的にパンチも腕をぶん回しただけの攻撃になっていた。

ヤンも攻撃はせずヒョイッと避けるばかりであり、ヤンの最初の正拳突きで、もはや終わっていたといっても過言ではなかった。


(拙者がなにもせずとも・・・。)


そして1分間ほど、まるで殴られ屋であるヤンが、ファイである素人の攻撃をただ、避け続けるような状況が続くと、遂にファイの動きは止まり、棒立ち状態になってしまった。

目は開いておらず、立ったまま、気絶していた。


ヤンはそれにごうの赤色の闘気を出しながらゆっくりと歩いていく。

立ったままのファイにトドメをさすためだった。


闘気打衝とうきだしょう・・なにっ!!」


ヤンが闘気打衝とうきだしょうを繰り出そうとした時だった。

ヤンの腕が凍りだし動かなくなっていく。


「魔法・・・!!」


(魔法を使えたのかっ!!・・・だがっ!!この魔法はまるでマリ殿の・・!!)


ヤンの体の動きを止めた突然の氷の魔法はマリのコールドフリーズだったのだ。

そしてその時だった。


「ストップ!ストップ!スト~ップ!!」


ヤンを制止する大声を発しながら、人影は割り込むようにファイと、ヤンの間に滑り込んだ。


「・・マリ殿!!」


その人影の正体はマリだった。


ヤンとファイの間に間一髪入り込んだマリは、顔を上げる。

大量の汗をかいて、息切れを起こしていた。


「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ・・・なんとか・・間に合った・・感じ?」















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ