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キングテレトリー  作者: フクツノタロウ
エングランド訓練所ー実戦編
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門番戦Ⅱ ~守る者の力~

(今の攻撃・・・まったく見えなかった・・!)


ヤンは、こちらにゆっくりと歩いてくるホモゴブを見ながら立ち上がる。

ストレートを食らったところがズキズキと痛む状態で分析する。


(あの速さに対抗するにはしゅんしかない・・!)


ヤンは青色の闘気であるしゅんを体に纏い、構える。


ホモゴブはゆっくりと青色の闘気を纏ったヤンをじっと睨みながら歩いて近づいていく。

そしてある程度、間が近くなると、またボクシングスタイルをとる。


「パスド・・・・」


ヤンは次こそは攻撃を捌こうと集中力を高める。


(くる・・!)


「・・・ストレート!!」


その言葉が聞こえたときにはすでに遅かった。

ヤンは顔面にストレートが入り、気がつくと吹っ飛んでいた。

さっきと同じように地面へとズザザッ!と引きずる。


「ぐっ!!」


ヤンはなんとか受け身を取り、すぐにホモゴブのほうを向く。

ホモゴブの足下には煙りがライン上に立っていて、またこちらにゆっくりと歩いて近づいてくる。

ヤンは口から流れている血を手で拭き取りながら、ヨロッと立ち上がる。

2回連続してストレートを食らい、ヤンにはダメージが蓄積していた。


しゅんをもってしても捉えることすらできないとはっ・・・!まさに瞬間移動したストレートだ・・!見切るのが無理なら、あえてここは受け止めてから・・!)


ヤンは今度は、てつ、緑色の闘気を体に纏い、防御を高める構える。


ホモゴブはヤンとの間が近づくと、さっきと同じようにボクシングスタイルをとる。


「パスド・・・」


そうホモゴブが呟いた瞬間だった。

ヤンの懐に突如ホモゴブが現れると、服を掴み、そのまま背負って地面に叩きつけた。

ドスン!と大きな音を立て、地割れが起きるほどの衝撃だった。

ホモゴブはヤンにストレートではなく、背負い投げをしたのだ。


「・・ぐっっ!!!」


ヤンは突然の投げ攻撃に不意を突かれ、闘気が乱れ、てつが解除された状態で地面に叩きつけられてしまった。

叩きつけられた瞬間、呼吸ができなくなるほどだった。


闘気を使う時は、常に意識していなければならず、攻撃の切り口を変えられたことにより、ヤンの意識が乱れて闘気が解除されたということだった。


ホモゴブはヤンを背負い投げた後、倒れたヤンの胸めがけて、両膝を曲げながらジャンプする。

*ニードロップを繰り出したのだ。


ゴキイィ!!


ホモゴブの全体重が乗ったニードロップはヤンに命中し、肋骨を折った。


「ぐっはぁ!!」


同時にヤンは吐血した。


ホモゴブは、手応えを感じつつ即座に後ろに跳ねるように空中へでんぐり返しをして着地をする。

そして後ろ歩きをしながら倒れているヤンと距離を取っていく。

仕留めた自信はあったが、ヤンが立ち上がらないか一応警戒していたのだ。


ダウン状態のヤンであったが、立ち上がれないわけではなかった。

闘気のしゅうを使い、回復させていたのだ。


(さっきのは拙者の不覚・・!ホモゴブだからという理由でどこか甘く見ていたに違いないな・・・。闘気のことを知らなくてもさっきの攻撃を見ればわかる。しっかりと学習している証拠だ・・。フフ、言葉を話し、こうして拳を交え、学習するホモゴブ・・いや、彼は決してホモゴブなどという魔物ではない。彼は人間であり、拙者と同じ1人の武闘家だ!拙者の認識を改めなければいけない。)


少し後、そんなことを思いつつヤンはホモゴブのいる方に向きながら立ち上がる。

その時だった。


ホモゴブは勢いよくヤンに向けて、走ってくる。

スピードがつくと、体操競技の跳馬の技のようにクルクルと回りながら高く飛ぶ。


「はあああぁぁぁぁっ!!」


そこからヤンに向けてかかと落としを繰り出す。


(彼と武闘家として闘えることを誇りに思う。)


ヤンはそんなことを思いながら、迫り来るかかと落としに対して何も行動をしようとせず、立ったままドンと構える。

そしてかかと落としが直撃する瞬間だった。


闘気金剛鉄とうきこんごうてつ!!!」


ヤンが気迫の叫びをすると体にてつの緑色の闘気が大きく纏い、背後に身長以上の人影を形成した。

その人影は何か神々しい像のようだった。


ホモゴブのかかと落としはヤンの脳天を直撃し、同時にドオオオオオォォォォォン!!と轟音と衝撃が発生した。

それはまるで隕石が落ちてきたかのような威力で、土砂をかなり高く舞上げた。

同時に辺りを砂埃で包んだ。


「・・・っ!!」


ホモゴブはかかと落としを振り抜くと同時に後ろへすぐにバク転し、ヤンと距離をとる。

何か異変を感じたのだ。


(俺のかかと落としは確実に、やつの頭へ直撃した・・。だが手応えがない・・!)


砂埃でお互いの姿は見えなかった。

そして砂埃がやや薄まってきた時だった。


「ぐおぉ!!」


ホモゴブはその時、ピキン!とひらめくような痛みを片足に感じる。

こむら返りが起きた時みたいにその片足を手で掴み、うずくまる。


(なんだ・・この痛みはっ・・・!?くおぉぉ・・くっ!パスドストレートを使いすぎたか・・。

いや、だがそんな回数ではないはずっ・・だ・・。)


砂埃の中、ホモゴブは軽く片足けんけんの状態になる。

痛むほうの足は痙攣していた。


その時だった。


闘気瞬斬とうきしゅんざん!!」


砂埃の中から声がするとそれを払いながら飛んできた青色の欠けた月の形をした細いカッターがホモゴブを切りつけた。


「ぬごおおぉぉぉ!!」ズサッ!プシイチイィィ!!


ホモゴブは胴体を斜めに切りつけられ、当たった衝撃で後ろへ倒れ込んだ。

血が大きく飛び散った。


そして砂埃が完全に晴れたのだった。


























*ニードロップ--プロレスの技名。膝落とし。

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