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キングテレトリー  作者: フクツノタロウ
エングランド訓練所ー実戦編
59/280

門番

(遍!)


ヤンは闘気をまとい小石を持つ。


闘気一石大漁とうきいっせきたいりょう!!」


持った小石を水切りする時のフォームで川に投げた。

闘気によって威力が上がった小石は、水を切ること無く川の水中へ激突した。

ザバアアアアァァン!!と大きく水しぶきをあげる。

その高さは数メートルに及んだ。


「よし!成功した!」


大きい水しぶきが発生した後、魚が何匹か上からヤンが立っている砂利のところに落ちてきた。

見事、魚を打ち上げたのだ。

魚はピチャピチャ・・・ピチャチャ・・と動いていた。


「この数なら十分か。では、いただくと・・。」


ヤンは打ち上がった魚を、そのまま食べ始めたのだった・・・。



そうやって食事を取った後も、ヤンは引き続き川に沿って、ひたすら歩き続けた。

砂利も無くなってきて、土の地面になってきた。


そこからさらに歩き続けた。

辺りは見通しがいい、川に接した野原で、ちょうど昼になっていた。

そして遠いところに遠くを見渡すための木で作った監視塔が見える。


(あれは・・・?)


そして他にも見えてきた。

丸太の上の先端を鋭利に削ったものを隙間無く、地面に釘刺して構成されている大きな柵も見えてきた。

その一部に木の水門も組み込まれていた。

川はその水門の中まで続いているようだった。


(これは何かの防御施設か・・?)


ヤンは丸太の柵に近づいて行く。

その柵の前には誰かが、ぽつんと立っている。


(あれは・・・誰だ・・・・・・あの緑色の皮膚・・まさかホモゴブか・・!?)


ヤンはそのホモゴブの顔が見える距離まで来た。

そのホモゴブは大きな棍棒を地面につけて、両手の手のひらを持ち手の底に置き、堂々と立っていた。

姿は一般的なホモゴブと違い、骨格が人間とまったく同じだった。

身長180後半はあり、上半身は裸、下半身は動きやすそうな軽い布のズボンを着て、裸足だった。

スキンヘッドであるのは通常と同じだが、肉体はシックスパックの腹筋、引き締まった腕、かなり筋肉質で全体の雰囲気は細マッチョであるため、やはり一般的なホモゴブの姿とはかけ離れていた。


ヤンは、そのような肉体を見て警戒する。

その肉体は、戦ってきた過程で養われたものであるとわかったからだ。


しばしのアイコンタクトの後。


「お前が侵入者か?」


なんとホモゴブがしゃべった。


「なっ!・・しゃべった・・!!バカな!!」


「・・やっぱり・・お前たちは俺を人間とは見なさず、ただのホモゴブだと認識するんだな。」


(くっ・・!どういうことだ!?ホモゴブが言葉を持つことなどありえるのか!?)


ヤンは汗をかき、動揺していた。


「ここまでたどり着いたことは認めてやろう。だが、もう終わりだ。俺がお前をここで始末する。」


「待て!後ろの柵の向こうには何がある?なぜ拙者の進行を拒む。」


「・・・・・・・。」


ホモゴブはヤンの問いかけに黙っていた。


ヤンは必死に頭の中を整理する。


(拙者の推測では、おそらくこの柵はゲンエイガハラ村の門。

つまり拙者は一応、川に沿って目的地に着いたことになる。だが門の前には言葉を持つホモゴブが立ちふさがっている。

ゲンエイガハラ村を守っているのか・・。ではなぜ・・?一体、拙者から”何”を守る必要がある・・?)


ヤンは思考を巡らせていた。


(それに守るという行動を取るということは、おそらくこのホモゴブは門の内側の立場。

つまりゲンエイガハラ村の住民ということになる。

まさかゲンエイガハラ村は魔物が生活しているのか・・・?いやそんなことありえない!!

・・・し、しかし言葉を今さっき発したのもまた事実!!)


ヤンが、そこまで思考している時だった。

ホモゴブは棍棒を握り直し、勢いよく間合いを詰めたのだ。










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