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キングテレトリー  作者: フクツノタロウ
エングランド訓練所ー実戦編
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追跡

ヤンが川に到着し、ルークドがハイコングに遭遇したころの朝の小屋の中。


「・・・・・・・。」


マリは目を覚ました。

小屋の中には日光が差していた。

壁にもたれて寝ていたはずだが、いつしか床に寝そべって寝ていたようだった。

マリは今までよだれを垂らして熟睡していたようだと気づき、むっくりと起き上がると目をこする。


「一晩寝たおかげで魔力も回復してる・・これなら・・。」


魔力が回復しているのを感じ、真っ先に手の包帯を取る。

そして痛々しい傷口に手をかざし、ヒーリングウォーターを使い治していく。

綺麗に傷口は治った。

羽織っている服を床に置き、脇腹の包帯を取る。

上半身は裸の状態になった。

するとさっきと同じように傷を治す。

脇腹が終わったらまた同じように肩の傷を治す。


「ふぅ・・これで全部ね。これなら動けるわ。」


マリはすべての傷が綺麗に治り、完全回復状態になった。

服に袖を通し、ちゃんと着る。

そこでグウウウウゥゥゥと腹が鳴った。

今まで女エルフと戦い、緊張状態にあったマリはそこで初めて自分が極度の空腹状態であると気づいた。


「そういえば・・昨日の昼から何も食べてないわ。この小屋はどうやらあの女エルフのものみたいだし、今のうちに貰おうかしら。」


マリは小屋にある食料品のあるところに近づき、かなりのスピードで食べ始める。


「・・・・・・・・。」


一心不乱にジャガイモなどをほおばっていく。

味などは特に感じず食べ続けていく。

食事というよりは補給に近い感覚だった。


少しの後、食べ終わるとゆっくり立ち上がる。


「さて・・と!」


マリはすでにその時、取るべき行動を決めていたのだ。


(やっぱり・・・ルークドとヤンにかけたスマッジウォーターは時間が経ちすぎて消滅してるわ・・・・。だけど、あの女エルフにかけたのは残ってる。これなら追える!)


マリは洞窟から出るときルークドとヤンにただ単に怒って氷水を浴びせただけではなかったのだ。

スマッジウォーターを使い、2人の体内に自分の魔力をしみこませ、マーキングしていたのだ。

それは女エルフにも同様だった。

最後のウォーターショットの時に女エルフの体にも、しみこませていたのだった。

そのおかげで今のマリは女エルフの足取りが追える状態にあった。


(・・・でもルークドとヤンの2人にスマッジウォーターを使わなければ、あの時、確実に仕留めることができたはずなのに・・・・悔しいわ。)


スマッジウォーターは便利な反面、継続的に魔力を使う魔法だったので、燃費が悪かったのだ。

2人に使わなければ、あの時リッパーウォーターを発動できて、女エルフを仕留めることが可能だったのだ。


(はぁ・・・結果論で考えても仕方がないわ・・。とりあえず追わないと。もしかしたら拠点も突き止めることができるかもしれないし。)


そこでマリは女エルフの言っていたことを思い出す。


(でも守るってことはやっぱりゲンエイガハラ村の村民よねぇ・・・。じゃあそこまでして一体何を守ろうとしているのかしら・・。それに温泉とこの小屋といい、ゲンエイガハラ村の施設?)


マリは考える。


(今、考えても仕方が無いわね。あの女エルフにはいろいろと聞く必要がありそうね・・・。

もう2人の場所もわからないし、1人で追うしかないわ。あの2人ならどうせ目的地に行けば合流できるでしょうし。)


そこでマリは、何気なく縦に掛けられた鏡で今の自分の姿を見る。


「うぅ・・こんな汚れて破れた格好は、みっともないわね・・・。」


小屋の中を見渡し、吊られたマントを発見する。

そのマントは女エルフが着ていたものと同じだった。


「ちょうどいいわ。借りちゃおう、とっ!」


マリはマントを着て、自分の服を覆った。

そこでまた鏡を見る。

マントをヒラヒラとさせながら、後ろ姿も確認する。


「うん、いいわね。」


そして小屋の外に出た。

昨日の夜と違うので周りがよく見える。

多くの樹木が倒木していた。


「スマッジウォーターもばっちりね。私の魔力がよくわかるわ。さぁ!待ってなさい。今、行ってあげるわ!」


マリは気合いを入れるように女エルフに向けて独り言を言うと女エルフが逃げた方向に歩き出す。


「・・・にしても私ってほんっっと優秀だわ。惚れ惚れしちゃいそうね・・・。

この魅力がわからないなんてねぇ・・・。」


マリはいつもの自信過剰で軽口を叩くようになっていた。

それは体力、気力共に十全しているという表れだった。





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