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キングテレトリー  作者: フクツノタロウ
エングランド訓練所ー実戦編
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野宿

日が落ちる頃、3人は樹海のかなり深いところまで進んでいた。

そこに至るまでに何度もホモゴブの群れに遭遇し、その都度全滅させていた。

そのせいでいくら格下相手とはいえども3人とも歩き続けたことも加えてそれなりに消耗していた、が何とか日が落ちるまでに見通しのいい場所までたどり着いたのだった。


「ここは木も無く見通しがいい。だいぶ視界も悪くなってきたことだし、ルークド殿。ここらへんで夜を過ごそう。」


「あぁ・・そうだな。」


「見て。あそこに洞窟があるわ。あれなら私たちの姿も隠せてちょうどいいんじゃない?」


3人は洞窟に近づき確認する。

ルークドが魔法で手に炎を灯し、洞窟内を照らす。

中の高さは身長より少し高いぐらい、深さは10メートルほどだった。


「にしてもこの場所だけ開けていて、洞窟まであるとは・・。そして暗くなってきたと同時に、ちょうど着く。・・・出来過ぎてはいないか?何かの罠かもしれない。」


ヤンが深刻な口ぶりで言う。


「へへっ上等上等。向こうから出てきてくれるなら早い話だ。倒してしまえば解決。

後は進むことだけに集中できるし、ここはあえて掛かってやろうぜ!」


そのルークドの言葉を聞き、ヤンは笑みを浮かべながら言う。


「ルークド殿らしい強さだな。拙者も心強い。」


「私は念のため、周囲を確認してくるわ。」


「頼んだ。」


マリは周囲を確認しに行った。


ルークドは地図とコンパスを照らし合わせ、確認する。


「来た方角も間違えてないっと・・・にしても出没する魔物もホモゴブばかりなのも考えると今日一日でけっこう深いところまできたんじゃないか。この調子なら、明日には村に着くかもな。」


「それならいいが・・・。」


ヤンはルークドに加えて、マリもいることに心強さも感じていたが不安はなぜか捨てきれなかった。


2人は落ち葉や石、枝を洞窟内に一カ所に集めた。

そしてルークドが魔法でそれに火を点けて、たき火を作った。

洞窟内は明るくなった。

それと同時にマリが帰ってきた。


「見た感じ魔物もいないわ。ただすごいものを見つけたわ。」


「すごいもの・・?」


ルークドが聞いた。


「ここからすぐ近くに温泉があるわ。」


「温泉!?」


ルークドとヤンは思わず驚いてしまう。


「・・ど、どういうことだ。もしかして誰か使っているのか・・?」


「いえ、誰もいなかったけど・・・とても自然にできたとは思えないほどよ。」


「はっ!もしかすると過去にここに来た人が作ったのではないか。それならこの辺りの木が伐採されているのも、洞窟があるのも納得できる。」


ヤンは2人の会話を結論づけるように言う。


「まぁ・・確かに地図があるってことは誰かは一度来ているはずだしな。」


「じゃ・・・あぁ・・私も使わせてもらおうかなぁー。スッキリしたいし。」


マリは何か色っぽい言い方をする。


「そうか、じゃあお好きに。俺たちは先に食っとくよ。念のため周りには警戒しとけよ。」


ルークドはあっさりと返す。


「なっ!そ、それだけ!?」


「・・?」


「も、もう少し食いついてもいいんじゃないの?・・この!私が温泉に入るのよ?」


「あぁ・・そういうことか。別にお前のなんて覗かねーよ。余計な心配なんかするな。ごゆっくり~。」


「拙者はずっと修行していた身であるから、そういうのに興味はない。」


ルークドとヤンの言葉を聞き、マリは顔を赤くする。

それは怒りと恥、いやもっと複雑な感情だった。


「あっっっっっそ!!でもあんたたちも身なりぐらいは綺麗にしときなさい!」


そう言いながらマリは魔法を使い、ルークド、ヤンの2人に大量の氷水を掛けた。

掛けられた2人は突然のことで驚いた表情をしたまま、マリの方を見て固まっていた。

同時にたき火も消えてしまった。

そしてマリはスタスタと洞窟を出て行った。


(いやいや怒るポイントがわかんねぇーよ・・・・・てか冷たっ!!)

(う、うーん拙者は本音を言ったまでなのだが・・何か気にくわないことでもあったのだろうか。

・・・やはりマリ殿の事はまだわからないな。)


洞窟を出て行ったマリは大きい歩幅で、速く歩いて温泉へと向かっていた。

感情がまさに表れていた。


(ほんっっと失礼するわ!特にルークド!何よ!澄ました顔で”別にお前のなんて覗かねーよ。余計な心配なんかするな。”ですって・・・!理由にもなってないじゃない!)


地面を強く踏みしめながら歩く。


(自分でも言うのもなんだけどキングリメイカーの中じゃローズ先生に次ぐスタイルの良さだと思うんだけど。それに魅力を感じないってことは、やっぱりルークドってライネットさんみたいな人がタイプなのかしら・・・。)


マリは自分がなにを考えているのか自覚すると顔が真っ赤になった。

歩く速度が上がった。


(違う・・違うわ!な、なぜあいつのことなんて気にしているの・・!!

そ、そうだわ、きっと疲れているのね。む、無理もないわ。まだ慣れない魔法を使い続けたんだもん。

えぇ・・そうよ!そのためにさっさと温泉で疲れをとらなきゃいけないわ!)


マリはそんなことを考えていたのであった・・・。


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