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キングテレトリー  作者: フクツノタロウ
エングランド訓練所ー実戦編
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指令

ルークド、マリ、ヤンは、ほぼ同時に本棟で鉢合わせ、3人はノルスがいる指令室へ向かいながら話す。


「こうして集まると、なぜか久しぶりの感じがするな。訓練中にも顔は合わせていたはずなのになぁ。」


「拙者も同じだ。これは訓練が終わった開放感からであろうか。」


「確かに初めて会った時よりも、あんたたち雰囲気が違うわね。う~ん、なんか、垢が抜けたて感じ?

・・・まっ、どっちにしてもあんたたちとこれから協力していかなくちゃならないてのは微妙だけど。」


マリは澄ました顔で言う。


「しかし・・マリ殿が拙者たちと普通に会話ができるようになってよかった。」


「ちょっと・・・ヤン。私が問題児だったみたいな言い方はやめてくれないかしら。」


「実際、問題児だったろ。初めて会った時はどうなるかと思ったぜ。」


ルークドが横から割り込む。


「はぁ!?あれはあんたが悪いでしょ!いきなり馴れ馴れしいし、態度は悪いし、おまけに変態野郎だったし・・・」


「はぁ・・・ちょっとは変わったと思った俺がバカだったよ。なんも変わってねぇわ。なぁ?そう思わないか?ヤン。」


「う・・・うむぅ・・。拙者からは何とも・・。」


マリは2人の反応にムキになる。

そこからは犬猿の仲のようにルークドとマリは言い合いを始め、ヤンは2人を落ち着かせるように仲裁する。

それは訓練所でのいつもの光景で、なんだかんだで仲のよさがあった。


そして3人はそんな状態で扉の前についた。

その時、煙草を口にくわえたケリーが扉の前にやってきた。


「・・・ったく、相変わらず仲がいいな~お前らは~。こんな朝っぱらから言い合いなんてよ。その元気を俺にも分けてもらいたいぐらいだ。」


それを聞いて、ルークドとマリの2人はお互いにそっぽ向いてしまった。

ケリーは煙草を携帯灰皿に入れながら言う。


「まっ、とりあえず続きは後でな。さぁ、中に入った、入った。」


ケリーは相変わらずのテキトーさであしらうように言う。

さっさっとケリーに指令室に入れられた3人は態度を改め、横一列に並び、ノルスが座っているであろう後ろを向いた椅子の前にある長机のほうを見つめる。

大きな窓からは日光が差し込んでいた。

部屋の隅にはすでにライネットとイーサンがだまって立っており、ケリーも扉を締めるとそのすぐそばに立つ。

指令室は緊張感があった。


そして椅子が回転し、ルークドたちが立っているほうへ向いた。

ノルスは相変わらずの厳格さがあった。


「おはよう。諸君。・・・久しぶりかね。」


ノルスは3人をじっくり見つめた。


「それにしてもこの3ヶ月間、随分と磨かれたようだね。」


ノルスは何か満足するような表情を見せる。


「きっと今の君たちならこなせるだろう。では本題に入ろうと思う。

実は君たちが訓練をしている間、我々はこのアスーダ地方にある街や村をキングリメイカー保護下に置いてきたのだ。」


「つまり、キングリメイカーの兵士を駐屯させたてことか。デサン村みたいにならないために・・・。」


ルークドが言う。


「・・・うむ。そういうことだね。」


ノルスは続ける。


「まだすべての街や村を保護下に置いたわけではないが、人員の移動や当住民による反対で保護下に置けないものがほんとんどであり、時間が解決するものばかりだ。ある程度は達成できたといえよう。

ある1つの村を除き。」


「何か意味深な言いぐさであるな。」


ヤンが言う。


「うむ。ではケリー君。」


ケリーはボードに歩いて行き、説明をし始める。


「ここからは俺が説明しよう。じゃあここを見てくれ。」


ボードに貼られた地図を指さす。


「ここエングランド訓練所からそう遠くはない村なんだが、ここはまだ保護下に置けていない。

名前はゲンエイガハラ村。」


「かなり森林の奥深くにあるわね。まるで森に守られているように囲まれているわ。」


「マリの言うとおり、この村は樹海に囲まれていてな。たどり着くのも一苦労な場所だ。」


「なるほどなぁ。地図から見てもかなり深いとわかるし、兵士の人たちがたどり着けないてことだな。」


ルークドが言う。


「それにそれだけの樹海なら魔物もかなり生息しているだろうしな。」


ヤンが付け足すように言う。


「そうだ。兵士が現地の住人の誘導もなしに村にたどり着くのはいろいろと厳しい。

だがお前たちなら難なく突破できるし、魔物程度なら余裕だろう。」


「だな。」

「もちろん。」

「そうね。」


3人は、ほぼ同時に返事をした。


「だからお前たちには先行してもらって、村の住人と保護下の話を取り付けてもらいたい。

それからその後、住人と共に、ルートを開拓しようという算段だ。」


「その程度なら楽勝だな。まかせてくれ。」


「ルークド、意気込みはいい。だが懸念材料があるんだ。」


「懸念?」


「あぁ、まず村の位置だ。こんな場所だからキングテレトリー時代に治安部隊がこの村に訪れた記録は無い。だから個人制作の地図でしか確認できないということ、つまり村の住人がまったく掴めない。」


「それって・・・。」


マリは察するように言う。


「そうだ。こんなところに村を築くなんてのは・・まず普通じゃない。

そして、それと少し関連するかもしれないことがある。」


ケリーは続ける。


「事前に兵士を調査に行かせたんだが・・その兵士は何者かの弓矢で攻撃を受けた。」


「弓矢なら・・・ホモゴブとかか?」


ルークドは答える。


「いや、あくまで俺の推測だがその兵士の話を聞く限り、殺すのが目的ではなく、警告的な攻撃だ。

おそらく”近づくな”というメッセージが含まれている。

こんなこと魔物にはできない。」


3人は真剣に聞いていた。


「・・・だから用心しろってことだな。俺からは以上だ。」


「うむ。説明ごくろうだった。

君たちにやってもらうことはケリー君に述べてもらったとおりだ。・・・・これで以上かね。

早速、明日にでも出発してもらう。門の前で集合してくれるかね。」


3人はうなずき、指令室を後にした。




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