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キングテレトリー  作者: フクツノタロウ
エングランド訓練所ー訓練編
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戦闘訓練Ⅳ ~縛り~

ルークドは道場へと着いた。


(ここは確か・・靴を脱ぐんだったな。)


ルークドは靴を脱ぎ、素足で木の床が一面広がる道場へ入る。

壁には木刀が数本、掛けられており、窓から日光が差し込んでいた。

そこにはすでにライネットがいた。

ライネットはいつもの没キングテレトリー軍の軍服と違い、和風の服を着ていた。


歩くたびにドン、ドン、ドン、と音がする。

ルークドにとって素足で床を歩くということは新鮮だった。


「ルークド。早速で悪いけど、まず、これに着替えて。後で説明するから。」


ライネットは見慣れない和風の服装を差し出す。


「わかった。」


ルークドはそれを受け取り、着替える。


「これでいいか?・・・にしてもすごい風通しと軽さだ。何も着ていないみたいだ。」


「その服はある地方の伝統的な剣士の服装よ。着心地はどう?」


「へーこれも剣士の服装なのか。慣れないが、着心地はいいぜ。」


「ならよかった。初めて着たわりには似合ってる。」


「この服装で訓練を行うのか?」


「えぇ。」


ライネットはそう返事をすると壁に掛けてあった木刀を二本とってきて、そのうちの一本をルークドに差し出す。


「もちろん、ただ気分のために着替えてもらったわけではないの。」


ルークドは木刀を受け取る。


「いつもと違う服装、武器で戦ってもらうのが目的なの。」


「これが前に言ってた”変化”だな?」


「えぇ、そう。イーサンにも同じこと言われたと思うけど、ルークド。あなたの圧倒的な力は素晴らしいの。でも、その力を増すことだけが強さじゃない。

だからあなたには今の戦い方を再構築してもらいたいの。」


ライネットは凜とした雰囲気で言う。

ルークドはいつもと違うライネットに少し緊張した。


「そのために、私との訓練はこの木刀だけで戦ってもらうわ。

魔法も禁止ね。」


「それは中々厳しいな・・・。」


「安心して。私も魔法は使わないし、力量に合わせてちゃんと調整するから。」


ライネットは続ける。


「私もイーサンとの戦闘を見ていたけれど、今のあなたは剣で切るというより叩いているという感じだった。だから今までの剣の扱いはいったんここでは封印して切るということを意識してもらいたいの。

・・・・じゃあ、まず私に今までと同じやり方で攻撃してみて。」


「わかった・・・じゃあ行くぜ!」


ルークドは間合いを詰め、木刀で力いっぱいライネットに攻撃する。

ブォン、ブォン、ブォンと風を切り音がし、軽く風圧が発生するほどだった。


だがライネットは最小限の動作で、すべての攻撃をいとも簡単に避ける。


「はい!そこまで。」


ルークドは攻撃をやめる。


「どう感じた?」


「いつも使っている剣より軽くて、過剰な力に振り回された感じだった。

正直、まったく当たらないと思ったな。」


「そう。いつも使っている剣より軽いから自分がどれだけの力で攻撃しているかわかりやすいでしょ。

そしてそれだけスキが多いということ。力の加減を覚えて。」


(今のは自分でもわかった。・・・これだけ、がら空きだったとはな・・。

それに素足だから自分の軸や動きがわかりやすい。無駄の多さも自覚するな・・・。)


そしてライネットは実際に構えの見本を見せながら指導する。


「構えとしては脇をもっと締めて、歩幅はこれぐらい。・・・・そう。その構え。

その構えから攻撃、動くことを意識して。」


すると今度はルークドと間合いを取って、言う。


「そしてこの訓練ではそのことを意識しつつ、このスピードに対応できるようにしてもらうわ。

いい?」


「よし!こい!」


ルークドは構える。


(・・!?)


(き、消えた!?)


遅れて反応したルークドはすでに懐に入られているのに気づき、思わずバランスを崩し後ろへよろめいてしまう。


(し・・しまっ・・!!)


カァン!!!


ライネットの鋭い一太刀により持っていた木刀に当てられて、手からはじき飛ばされた。


そしてルークドはその事を理解する間もなく、首に数ミリ手前で水平に入った木刀が止められた。


「・・・はぁ・・・はぁ・・はぁ・・・。」


ルークドは汗びっしょりで、その一滴が顔から木刀へと流れ落ちた。

唖然とし、もはや動けなかった。

それは生命の危険を感じたことによるものだった。


コン!カヵッ


木の床に木刀が落ちる音だけが道場に響き渡った。


少しの間の後、ライネットがルークドの目を見て言う。


「さぁ・・・拾って。」


その凜としながらも、圧倒的な気迫があるライネットにルークドは再認識せざるを得なかった。

エルード・ライネットは12の有識であったことを・・・・。




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