拠点
「・・て・・起きて・・ルークド。」
そんなライネットの声でルークドは目覚める。
移動中ずいぶん寝ていたようだった。
ルークドは欠伸をする。
一行は馬車から降りながら会話する。
「やっと着いたのか。それにしても随分長かったなー。もしかして地方を越えたのか?」
そんな疑問にノルスは答える。
「いやここはデサン村と同じアスーダ地方だよ。」
「えっ?こんなに長く馬車に乗ってたのにか・・・もっと遠く移動したと思ったぜ。」
「アスーダ地方はこの国で一番広い地方ですからねぇ~。
デサン村はかたやもっとも端っこに位置しますからね。
実質地方を横断したくらいの距離に相当するでしょうね。」オックス教授が答える。
一行はデサン村から街まで徒歩で移動し、そこから運送屋を使ってノルスの部下との合流地点まで移動し、そこからノルスの部下が運転する馬車で拠点まで移動してきたのだった。
「腕治ったんじゃない?」とライネットが聞く。
ルークドは包帯とギブスを取って確かめた。
数回剣の素振りをする。
「・・・おぉ!確かに治ってるぜ。これなら戦えそうだ。」
「うぬ。それはよかった。・・・では我々の拠点を紹介しようか。」
それは堅牢な門で中の敷地はかなり広そうだった。
「へえーかなり広いな。ここが活動の拠点になるのか。」
「うぬ。つまり我々の本部というところかね。もともとはキングテレトリー軍の訓練所の一つであるんだ。名前はエングランド訓練所。だから防衛機能もしっかりしているし、施設も充実している。それでいて土地も広い。
我々にふさわしい場所というところだ。もちろん君専用の部屋も用意しているから安心してくれたまえ。」
「それはいいな。」
ルークドとノルスがそんな会話をしながら建物の前についた。
「さて、私とオックス教授は自室に戻ろうかね。明日、君以外の新しい顔ぶれ含めてオリエンテーションをするからまたその時にでも。」
「わかった。楽しみにしておくよ。」ルークドは頷く。
「うぬ。・・・そうだ。ライネット君。部屋や施設の案内を彼にしてやってくれ。」
「御意。」
そうノルスは言い残すと、オックス教授と共に建物に入って行った。
「それじゃあルークド、紹介するから私についてきて。
あっちの建物よ。」
「わかった。」
それからルークドはライネットから施設の案内をしてもらった。
そして最後に部屋の前まで来た。
「ここがあなたの部屋。はい・・これ部屋の鍵。」
ルークドは部屋の鍵を受け取る。
「これで一通り済んだ・・わね。もし何かあれば私に言って。一応部屋はすぐ隣だから。」
「わかった。だいたい把握したぜ。」
「明日朝8時に本棟の大講義室集合だけど・・本棟のほうはわからないと思うから一緒に行きましょうか。
この部屋の前で待ち合わせでいい?」
「あぁ。・・・それにしてもなにからなにまで悪いな。」
「・・・別に気にしないで。それじゃあね。」
そう言うとライネットは自分の部屋に入っていた。
ルークドも自分の部屋に入ることにした。
自分の部屋を見わたす。
さすがに没キングテレトリー軍の訓練所だったとあってかなり広かった。
なんだか新鮮で不思議な気持ちだった。
(俺がこうやって村の外で生活するとはな・・少し前なら考えられなかったな。)
ルークドは長い移動時間で疲れて、日も暗かったのでその日は食事、風呂だけを済まし、明日に備えて寝ることにした。




