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キングテレトリー  作者: フクツノタロウ
デサン村編
24/280

ルークドの記憶Ⅱ ~少年期~

この話は「デサン村」の番外編となる話です。

ルークドは少年期のことを思い出していた。


(俺はここまでいろいろな人に育ててもらったな・・・。

ドンゴ、アントワネットさん、そして村のみんなにも。

俺はドンゴやアリー、アントワネットさんとは血も繋がっていないし、親戚でもない。

他人だけれでも家族みたいなもので村の部外者である俺をありがたいことに、温かく受け入れてくれた。

まず俺の父親的存在であったドンゴ。力仕事、狩り、そして何より生きるということについて教えてもらった。)


ーーーー デサン村のある日のルークドとドンゴ ーーーー


「そうだ!もっと思いっきりだ!・・・さぁ次だ!次!。休んでる暇はないぞ。」


「・・・はぁ・・はぁ・・もう僕疲れたよ~。」


若きドンゴは少年であるルークドに薪割りを教えていた。


「な~に言っとるんだ~。これもルークド。お前が生きていくために、そして強くなるために必要なんだぞ。」


「強くなってどうするの?」


「ガハハハ!それはな!かっこいいからだ!キングみたいに強いとかっこいいだろ。」


「キングて人はそんなにかっこいいの?」


「あぁ!・・おっとそういえばまだお前は目の前で見たことがないんだな。

ちょうど1か月後に中央でキングの演武会があるんだ。どうせならオレと一緒に行くか?

ちょーかっこいいぞ~。」


「うん!行きたい!」



(俺はドンゴにキングの演武会を見せてもらってから憧れをもつようになったんだっけな~。

そんで将来の夢はキングになるんだ!とか言いふらしてたっけ。

ハハッ・・笑うぜ。でもキングに憧れを抱いた日から俺は力仕事に励んだ。強くなるってな。

いやよくよく考えると実は俺に仕事を本気にさせるためのドンゴの作戦だったかもしれないな・・・。)


ルークドは回想を続ける。


(俺の母親的存在アントワネットさん。デサン村唯一の乳母で俺とアリーを育ててくれた。

なぜドンゴのところに係きっりだったのかはわからない。アントワネットさんには子どもが1人いたっけ。

今から考えると・・・ドンゴ・・まさか・・な?

じゃあアリーは一体誰の・・?いや俺には関係ない・・か。

とりあえずアントワネットさんからは読み書きや日常の生活のこと、勉強を教えてもらった。

そういえばアリーにも料理とか教えてたな。

とにかくなんでも器用にこなす人だった。

ドンゴは読み書きが苦手だったから、もしアントワネットさんがいなかったら今頃大変になってたな。

そしてこの”ルークド”という名前もアントワネットさんが名付けたらしい。)


ーーーー デサン村、ドンゴの家でのある日のルークドとアントワネット ーーーー


「ルークドもずいぶん読み書きできるようになったわね!」


「へへーすごいでしょ。」


「うん。すごいわー、飲み込みがはやいもの。えらい!えらい!」


少年であるルークドは頭をなでられて照れる。


「だから今日はこの本を読んでみましょうか。」


アントワネットが差し出した本は空想魔物図鑑と書かれていた。


「えーっと、くうそう・・まものずかん?」


「えぇ、そうよ!」


ルークドは図鑑を興味津々に開ける。


「・・・うわ!」


ルークドはびっくりし、椅子から転げ落ちる。

その様子を見たアントワネットは大爆笑していた。



(確かあの時、見たのはスケルトンのページだったけなぁ。

今から考えるとアントワネットさんはああ見えてユーモアもあったからきっと狙ってあの本を選んだに違いないな・・。やっぱりどこかドンゴと通じるところがある・・・。)


ルークドは回想を続ける。


(俺の幼馴染みアリー。ドンゴの子供だが正直親子には見えなかった。あんなおっさんからなぁ・・・。

アリーと俺はいつも2人で遊んでいたし、もちろん一緒に住んでいた。

そしてとにかく弓の扱いに長けていた。いつも勝負して負けて、悔しくて泣いてた俺をなだめていた。

くっ・・思い返すと恥ずかしいな・・・。)


ーーーー デサン村すぐ近くの草原のある日のルークドとアリー ーーーー


「くっそーー!!また負けたーーー!」


「もう叫ばないのー。ルークド。」


「だって悔しいぃ!・・・うぐ・・。」


2人はウサギの姿をした草食生物「ラビー」を弓で仕留めた数を競っていた。


「ほら泣かないの。」


「うぐ・・・うぐ・・ぐす・・・。」


少年であるルークドは鼻をすすり、涙を何回も拭く。


「今日はルークドの好物のウルフのハンバーグをしてあげるから!ほら元気だして!」


「ぐすん・・・・うん・・わかった。」


「じゃあ・・帰ろっか!」



(その日のハンバーグは特別にうまかったなことは今でも覚えている。

にしても昔の俺はどこまで、か弱いんだ・・。記憶から消したいぐらいだ。

もはや、同じ年と思えないな。)


ルークドはここまで思い出に浸る。


(でもこんな温かい日常がデサン村での日々だった。

俺は4人で食卓を囲み、デサン村にもまだ人が多くて活気があった。

幸せで、いつまでも続くとあの時は思っていた。

そうデサン村にあの悲劇、「ワァーウルフの悲劇」が起こるまでは・・・。)


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