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キングテレトリー  作者: フクツノタロウ
デサン村編
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鎮魂歌の灯火

ルークドの決意は当然ノルスに歓迎された。

その日から一週間が経過した。

その間オックス教授の魔法での治療やライネットが街で買いだした治療薬のおかげで完治はしていなかったがある程度は動けるようにまではなっていた。

ノルスは村周辺の魔物から守り、食事はライネットが調理し、食べさせていた。

まさに全員の努力の賜物だった。

そのためノルスたちの拠点へ出発することになり、ルークドにとって村で過ごす最後の日となった。

その日、ルークドは村でやるべきことがあった。


「うぬ。だいぶ動けるようになったかね。これなら夜が明けたら出発できそうである。」


ノルスがルークドの体を見て言う。


「これなら腕のギブスも着く頃には外せるようになってるでしょうね。

それにしてもすばらしい自然治癒力ですね~。」


同様にオックス教授が言う。


「そうか。よかった。これもみんなのおかげだ。礼を言う。」とルークドは返す。


そしてルークドはライネットを見て言う。


「特に世話をかけたな。助かったぜ。」


するとライネットは「・・いえ・・・別に。」と目をそらしながら言う。


ノルスは少し笑いながら言う。


「うぬ。これから一緒に戦う仲だ。これくらい当たり前であるかね。」


「そうだな!じゃあ改めてよろしくな!」と言いルークドは一人ずつ握手をしていく。


まずノルスとの握手。


「期待してるよ。」と言い、ルークドが強く握りながら答える。「あぁ・・まかせてくれ。」


次にオックス教授。


「フフフ・・こういうのはあまりやったことはないので照れますね。」


「あぁよろしくな。」と言いながら骸骨の手と握手する。


最後にライネット。


「よろしくお願いします。」とライネットは手を差し出す。


するとルークドは言う。


「そう言えば、まだちゃんと自己紹介してなかったな。俺の名はルークド。よろしくな。

過去のことは流そうぜ!」


「私の名はエルード・ライネット。改めましてよろしくお願いします。」


「固くてやりずらいなぁ・・・一緒に戦う仲だ。もっと軽くいこうぜ。」


そうルークドが言うと、ライネットは目を若干そらし、少し照れたような気がした。


「・・わかりました・・じゃなくて。そ・・そうね・・よ・・よろしく?・・ル・・ルークド。」


それはぎこちない言い方だった。


「あぁよろしくな。」と言ってルークドは握手する。


そのやり取りを見ていたノルスは少しニヤリとしたような気がした。

少し間が空く。

そしてルークドが扉に近づいて行きながらノルスに聞く。


「夜が明けたら出発だよな。それまでならいいか?」


「うぬ。別に構わないがどこか行くのかね?」


「この村にはしばらく帰ってこれないんだ。

ここを離れる前にみんなの墓を作ってやらねぇと。」


「私たちもよかったら手伝おうかね?」


「いや・・いい。俺がやらねえと。」


「そうか。一応すべての死体を回収してきれいにして袋に入れておいた。余計だったかね。」


「そうなのか・・ありがとう。助かる。」


そう言うとルークドは出て行った。


ルークドは死体袋が並べられた場所まで来る。

そして一人ずつの袋を開け、顔を確認し、名前を言ってから火葬する。

全部で29人。


「安らかに眠ってくれ・・・・。」


手をそっと差し出す。


「・・・・レクイエム。」


そう言うとボッと火が手のひらにでる。

その火はとても優しく、尊さが感じられる火だった。

そしてそっと袋に灯す。

その一連の動作を一人ずつやっていく。


ある袋を開けるとそれはアリーだった。


「ア・・・アリー・・・。」


アリーはライネットは言うとおり、とても綺麗な顔をし、まるで寝ているみたいだった。

とても死者の顔とは思えなかった。


「・・・・・。」


ルークドは顔だけ確認すると、袋を閉じて火を灯す。

火が燃える音だけがする。


そして次の袋を開けるとドンゴだった。

血もまったく付いていない顔だった。


「・・・ドンゴ・・・。」


庇ってくれた時の背中がフラッシュバックする。


「・・・・・・。」


そして袋を閉じて火を灯す。


全部の袋に火を灯し終わるとルークドは少し離れて、黙祷をする。


ただ燃える音だけがする。



とても閑散としていた。













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