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キングテレトリー  作者: フクツノタロウ
デサン村編
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ザンギャク戦Ⅲ ~致命傷~

しばらく石の雨が降りつける。

霧の代わりにあたりを砂埃が包む。

所々に燃えており、地面はまるで隕石が落下した後の大きな穴となっていた。

ルークドの剣を纏っていた炎はその時にはすでに消えていた。


「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・・。」


ルークドは体力、魔力共にかなり消耗しており、あとファイアーインパクを1回出せたらいいところだった。

剣を地面から引き抜き、ふらつく足で立っている大きな穴から平らなところへと登って移動する。

そして平らな地面に足をつけた時だった。


「うおおおおおおおおおおぉ!!!」


離れたところで、グオオオォォッ!!と地鳴りのような叫びが聞こえる。

それはなんとアースヴォルケーノを食らって吹き飛んでいたザンギャクの声だった。


「褒めてやるよおぉ!・・・このオレ様に・・ここまで健闘する・・ことをな!」


ザンギャクのロックアーマーは全壊し、上半身は裸の状態になっており、息切れを起こしながら叫んだ。

ザンギャクはそのまま、離れたところにあるロックモンケンに歩き始める。

それを四つん這いで振り返って見ていたルークドは絶望を感じるしかなかった。


(クソッ!体力バカめ・・・!!)


ルークドはなんとか剣を杖がわりにして、ヨロヨロと立ち上がるが、攻撃をするほどの余力はルークドには残されていなかった。


ザンギャクはロックモンケンを手に取れる距離にくると、力んで踏ん張るようなポーズをとる。


「フルマッスル!!」


そう言うとムキムキの体がさらに向上したように見えた。

すると鎖のリードを両手で握り、その場で自身を中心に円を描くようににロックモンケンをぶん回し始める。


「オレ様は風の魔法は使えねえ。だがオレ様のマッスルはそれすらも可能にする!ハッハッハッハッーー!!」


さらに続けて回転し続け、どんどんと回るスピードが上がっていき、ロックモンケンが回る範囲に風がでてくる。


(・・させねぇ・・!)


「ファイアーインパクト!」


ルークドはザンギャクにファイアーインパクトを放とうとするが、途中で手から魔法のエネルギーが消えてしまう。


「クソッ!どうなってる!?」


いつも手を動かすように簡単に使っているファイアーインパクトが出なかった。

ルークド自身初めての経験で、気づかなかったが、魔力枯渇状態になっていたのだ。


ザンギャクはその間にもさらにロックモンケンを回し続け、最終的には大きな竜巻となる。

周りの石や木材などがその竜巻に吸い込まれていく。

ルークドも吸い込まれそうだったので剣を地面に深く突き刺し、それにすがり、なんとか耐える。


「どうだぁ!これがオレ様のマッスルだぁ!その名もマッスルトルネードーーーー!!!」


ザンギャクがそう叫ぶと、竜巻は最大になり、握力の限界を迎えたルークドは遂に竜巻へと吸い込まれてしまう。

ルークドの体は竜巻によって軽々と高く上空まで運ばれる。


(や・・やべっ!)


どうすることもできなかった。

するとザンギャクはルークドに狙いをつける。


「高い高い。で終わりと思うなよ?クソガキィ!ここからがマッスルの真骨頂だ!」


ルークドは竜巻の一番高いところまで運ばれると放物線を描くように勢いよく投げ出される。


「いい角度だぁ・・・死ねえぇ!マッスル対空砲!!!」


するとザンギャクはルークドに目掛けてロックモンケンを投げる。

その動きはまさに陸上競技のハンマー投げだった。


ルークドは竜巻で回されたことによって自分が今どうなっているのかすら理解できなかった。

気づいたら仰向けで空を見上げ、滞空していた。

だが迫り来る衝撃を察知し、なんとか空中で受け身を取り、正面を見る体勢になる。


(・・・!?)


ロックモンケンである大きな岩の球体が迫る。

ルークドにはひとつの選択肢しか思い浮かばなかった。


(イチかバチか・・!)


「すべてを絞りだせええぇ!ファイアーーメガ!インパクトオオオオオオ!!」


自身の限界を突破するようにしてロックモンケンにファイアーインパクトを超える力をぶつける。


ドオオオオオオオオオン!!というとてつもない爆発が空中で起こり、それはパワーとパワーがぶつかった瞬間だった。

岩の破片が墜落するように激しく飛び散り、ロックモンケンは半壊までに至るが、やはりすべてを破壊し食い止めることはできなかった。


風圧を伴った半壊のロックモンケンがルークドに直撃する。


ボキイィ!


「ぐっ!おぉっ!!」


腕でガードをするがほとんど効果はないに等しく、両腕が骨折しルークドは致命傷を負う。

その時の痛みは経験したことがないほどだった。


ルークドに衝突したロックモンケンは全壊し、飛び散る岩と共に身ぐるみ剥がされた鉄球がそのまま真下に落ちる。

ルークドの体も遠く吹っ飛び、最後は民家の木の屋根を突き破る形で叩きつけられるようにして落下した。


仰向けで床に倒れるルークドはもはや虫の息で、眼の色も戻っていた。





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