自称「キング」の暴君
ルークドがヘルドッグと戦う一方でザンギャクはさっきの続きを始めようとしていた。
「あのガキィ中々がんばっているようだがあと何秒もつかなぁ!ハッハッハッハッーー!
さてっと!・・・邪魔が入り込んだが続きを始めるぞ!お前ら準備しろ!これが最後だからな!今度は全球命中だぜえぇ!」
「ヘイ!兄貴!」3人そろえて返事をする。
手下が村民らを台へ持っていく。
アリーとドンゴは不安な表情でルークドが戦っているほうを見つめていた。
だが距離があり黒煙もあって、はっきりとは見えなかった。
(ルークド・・・どうか死なないで!)
(くそぉ!この状況なんとかならねぇのか・・・)
二人はそう思っていた。
するとザンギャクが何気なしにアリーへ目をやる。
「そこの女!あのガキとはどうやら知り合いのようだな。
だが残念だったな!今頃ドッグフードだろうな!ハッハッハッハッーー!」
さらに話かける。
「うん?よく見ると・・お前・・・いい顔してるじゃねえぇか・・。」
ザンギャクの目がアリーの全身を嘗め回すように見る。
「スタイル・・も悪くねぇ・・な。」
ザンギャクはアリーに顔を近づけ、アリーの顎を掴んでクイッと顔を上げさせる。
「どうだ?オレ様の女にならねえか?」
アリーは怯えていたが目を合わせることはしなかった。
少しの間を置いてからザンギャクはしゃべる。
「まっ・・・飽きたら捨てるけどな!ハッハッハッハッーー!
でも悪くねぇだろ?将来オレ様はキングになる男だぜえ?
一時とはいえオレ様の女になれるんだぜぇ?」
その時、ドンゴが怒鳴り声をあげる。
「きたねぇ手で触るんじゃねぇ! 今すぐその手を放せ!」
ザンギャクは携帯していたモーニングスターを取り出し、容赦なく全力でドンゴの頭に振り下ろす。
ズドン!と音をたてドンゴの顔が地面へめり込むほどの威力だった。
「きゃあああああああーー!!お父さああぁぁんー!!」
村中に悲鳴が響き渡る。
アリーは反射的に叫んでしまっていた。
するとザンギャクは反応する。
「あーん?なんだお前のオヤジだったのかよぉ?知ってたらもうちょっと手加減してやったのによぉ。」
アリーは堪えきれなくなり、涙が溢れでていた。
その涙が頬に流れる。
それを見たザンギャクは、もう一度アリーの顔をさっきと同じように上げる。
「ほーう・・・泣き顔もいいねえぇ・・・あぁ~そそるねぇ~。」
その時、ドンゴは地面にめり込んでいた顔をなんとか上げる。
頭から流血していた。
「は・・・・はな・・・せ・・・!」
ザンギャクは少しイラついた様子で反応する。
「悪いがオヤジさんにはだまっててもらおうか!」
さらに一撃・・一撃とモーニングスターを振り下ろす。
「・・・もうやめてぇ!」
アリーが制止する。
ザンギャクは手を止め、ヤンキー座りをする。
「なんだあ?オレ様の女になる気になったか?」
アリーはそれでもザンギャクの目に合わせようとはせず、視線をそらしていた。
その態度にザンギャクは激怒し、アリーの首を片手で掴みながらゆっくり立った。
アリーは絞められて、もがいていた。
「オレ様を無視するなんてなあああぁぁ!!!」
そう吠えながら、全力で遠くへ投げる。
アリーはかなり高く遠く放物線を描くように投げられた。
そしてザンギャクは近くにあった農業用のフォークは「オラァ!」とアリーに向かって投げた。
フォークはアリーの腹部に刺さり、アリーはそのまま落下した。
「砲丸投げならぬ人間投げてか!さらには槍投げを加えた新しい競技を生み出しちまったぜー!!
ハッハッハッハッーーー!」
それまで黙って傍観していた手下の3人は乱舞する。
「兄貴すげえぇー!残虐非道を極めるばかりか新しい競技まで発明するなんてよ!」
「すげええええええぇええええぇえ!」
「アーニキ!よっ!アーニキ!よっ!アーニキ!よっ!・・・」
さらにザンギャクは台の上に立った残りの7人の村民に魔法である岩石を投げ、命中させた。
「よっしあああぁあ!百発百中!てめえら!今日は終いだあ!次の街にいくぞおおぉ!」
手下の一人がこう返答する。
「兄貴!今日は宴を開かないですのかぜぇ?」
「あぁ!!今日は白けちまったからな・・・おっそうだてめえら、ミートを連れてこい!もういまごろはクソガキを完食してるだろうよぉ。」
「うっす兄貴!」
そう手下たちは返事をし、ヘルドッグのいる方向へ駆け足へ向かう。
だが手下たちは体に違和感を感じる。
「へ・・・?」
手下たちはほぼ同時にその言葉を発した。
その時、3人はすでに灰になっていたのだった。




