心情
夜。
メイヒールは、ただ一人で村の門を通って、森へと入り、ある場所へと歩いて向かっていた。
その間、さまざまな事を思索していた。
その思索は、その時だけでなく、集会所を出てからずっとだった。
いや、それ以上にルークドがグールフに勧誘したその時から、視界が広がるように衝撃を感じていた。
昼間は、ゲンエイガハラ村の広い敷地内を歩き回って思索した。
自分は何を取って、これからどうしたいのか・・・。
その問いの答えは、もう目前までたどり着いていた。
ただ、そこからは、ある人物とちゃんと話しておく必要がある。
揃わないとたどり着かない最終結論といえた。
(・・・・・・。)
あの場所にかならず、いる。
メイヒールは、そう確信していた。
だから、そのために今一度、自分のすべてを明快にするために整理する。
きっとゴチャゴチャしたままでは、まとまることはできないと思っていた。
(この村にとって・・・必要だったのは、こもることではなく、外の世界に出ること。これはマリたち、キングリメイカーに気づかされたこと・・・。
私たち半端物が認知され認めて貰うためには、今このときにそれ相応の努力をする必要がある。
その機会が、キングリメイカーから与えられ、人間との共存という理想郷の実現の可能性があるとするなら・・・。)
メイヒールは、マリから聞いたキングテレトリーの現状を思い出す。
(そのために、分裂してしまったこのキングテレトリーを、一つにするためにも戦わなければならない・・・。その一助として、協力したい。あの方たちと共に・・・私も・・・。)
そこで、ある事が思い出される。
それは、12の有識の中の一人に、半端物がいるいうことを本で読んだことだった。
マリから聞いた今では、その12の有識という地位の偉大さがよくわかる。
ゲンエイガハラ村の全員が、その事に、一筋の光のような希望を抱いていた。
自分たちの今の迫害される状況が変わるのではないかと・・・。
(・・・あこがれを持つのは、いえ・・・あるか、ないかすらわからない希望をもう待つ必要もありませんね・・・。)
メイヒールは、その場所に近づいてきた。
草木を分け、目的地は目の前だった。
(あの方たちをもっと知りたい・・・。私たちをもっと知って欲しい・・・。もっと、近づきたい・・・。)
その時、メイヒールの思索は、いつしか切実な気持ちへと変わっていた。
その純粋な願い、もはや心が決しているといえた。
そして、同時に目的地である場所が、眼前に広がる。
その場所は、やや傾斜が掛かっていくような広い野原で、夜の綺麗な星空が広がる幻想的な居場所だった。
(・・・!)
メイヒールは、その広い場所でぽつんと真ん中に存在するものを視認する。
いると確信していたので驚く必要はないが、やはりいざ、そこにいるのを見ると心が通じるような感じがして驚いてしまう。
サァ、サァ、サァ・・・
流れるような草を踏みながらゆっくり歩いて、その人物の元へ歩いて行く。
その人物は、寝っ転がって、夜空を仰いでいる。
「・・・・・・。」
そして、正面に立つとメイヒールは、声を掛ける。
「やっぱり、ここに居ましたか・・・グールフ。」




