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キングテレトリー  作者: フクツノタロウ
ゲンエイガハラ村編ーⅠ
107/281

心情

夜。

メイヒールは、ただ一人で村の門を通って、森へと入り、ある場所へと歩いて向かっていた。

その間、さまざまな事を思索していた。

その思索は、その時だけでなく、集会所を出てからずっとだった。

いや、それ以上にルークドがグールフに勧誘したその時から、視界が広がるように衝撃を感じていた。

昼間は、ゲンエイガハラ村の広い敷地内を歩き回って思索した。

自分は何を取って、これからどうしたいのか・・・。

その問いの答えは、もう目前までたどり着いていた。

ただ、そこからは、ある人物とちゃんと話しておく必要がある。

揃わないとたどり着かない最終結論といえた。


(・・・・・・。)


あの場所にかならず、いる。

メイヒールは、そう確信していた。

だから、そのために今一度、自分のすべてを明快にするために整理する。

きっとゴチャゴチャしたままでは、まとまることはできないと思っていた。


(この村にとって・・・必要だったのは、こもることではなく、外の世界に出ること。これはマリたち、キングリメイカーに気づかされたこと・・・。

私たち半端物が認知され認めて貰うためには、今このときにそれ相応の努力をする必要がある。

その機会が、キングリメイカーから与えられ、人間との共存という理想郷の実現の可能性があるとするなら・・・。)


メイヒールは、マリから聞いたキングテレトリーの現状を思い出す。


(そのために、分裂してしまったこのキングテレトリーを、一つにするためにも戦わなければならない・・・。その一助として、協力したい。あの方たちと共に・・・私も・・・。)


そこで、ある事が思い出される。

それは、12の有識の中の一人に、半端物がいるいうことを本で読んだことだった。

マリから聞いた今では、その12の有識という地位の偉大さがよくわかる。

ゲンエイガハラ村の全員が、その事に、一筋の光のような希望を抱いていた。

自分たちの今の迫害される状況が変わるのではないかと・・・。


(・・・あこがれを持つのは、いえ・・・あるか、ないかすらわからない希望をもう待つ必要もありませんね・・・。)


メイヒールは、その場所に近づいてきた。

草木を分け、目的地は目の前だった。


(あの方たちをもっと知りたい・・・。私たちをもっと知って欲しい・・・。もっと、近づきたい・・・。)


その時、メイヒールの思索は、いつしか切実な気持ちへと変わっていた。

その純粋な願い、もはや心が決しているといえた。


そして、同時に目的地である場所が、眼前に広がる。

その場所は、やや傾斜が掛かっていくような広い野原で、夜の綺麗な星空が広がる幻想的な居場所だった。


(・・・!)


メイヒールは、その広い場所でぽつんと真ん中に存在するものを視認する。

いると確信していたので驚く必要はないが、やはりいざ、そこにいるのを見ると心が通じるような感じがして驚いてしまう。


サァ、サァ、サァ・・・


流れるような草を踏みながらゆっくり歩いて、その人物の元へ歩いて行く。

その人物は、寝っ転がって、夜空を仰いでいる。


「・・・・・・。」


そして、正面に立つとメイヒールは、声を掛ける。


「やっぱり、ここに居ましたか・・・グールフ。」
















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