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キングテレトリー  作者: フクツノタロウ
ゲンエイガハラ村編ーⅠ
103/280

本気の勝負Ⅱ ~激闘~

雷鳴らいめいり!!」


ズドオオオオォォン!!ゴオオォォン!!


雷神らいじん」状態で繰り出された雷鳴切りの威力は凄まじく、一瞬、極太の稲妻の柱が発生する。

さらに、当たったと思われる瞬間には、周囲数十メートルの地面は、軽く吹き飛び、地形が削られた。

衝撃がブワッ!と後に続く形で、がれきや石が遠くへ飛散した。

えぐられた地面が露呈する。


「・・・!」


ライネットは驚いた表情を見せた。

しかし、繰り出したほうのライネットは命中と同時に着地するまで雷神が途切れ、すべての電撃と稲妻が自身の体ととその刀から1秒ほど消えた。

これが意味していることは、ノルスが雷鳴切りに当たる瞬間に、マジックルースンを発動し、電撃稲妻を打ち消して魔法ダメージを防いだということだった。


「・・・。」


ノルスは、冷静な表情を見せた。

さらに、ノルスは、片方の手で煙草を持つときの手、すなわち裏ピースで人差し指と中指で刀身を挟み込んで、雷鳴切りを受け止めていた。

これが意味していることは、パワールースンを発動して刀を防いだということだった。


この二つの状況が示すことは、ライネットの渾身の雷鳴切りは、まったくノルスにダメージを与えられなかったということだった。


そしてノルスが視線を上げると同時に、ライネットは完全に雷神の状態に戻る。


「いい攻撃だ。」


ノルスは、そう呟きながら、もう一方の手でモルトポールウェーブを、さっきと同じ要領で素早く繰り出した。


ドオオオオオォォォン!!!


青い波動が、何層にも広がり、がれきの嵐が直線上に発生する。

その中には、ライネットの影があった。


「・・・いやッ!」


だが、モルトポールウェーブによって飛ばされたライネットは、雷影らいえいによる残像だと気づいた。

ノルスは、自身の背後から気配を感じ、慌てて後ろを振り返ろうとする。


ジジジジジジッ!!


それとほぼ同時に、ノルスの背後斜め45度の空中に雷神状態のライネットが稲妻を大きく発生させ現れた。

いや、正確にはモルトポールウェーブが放たれたる前に空中へ移動したというのが正しかったが、そのライネットの移動速度は、あまりにも人智を超えていたため、突然そこに現れたようにしか見えなかった。


ワンテンポ遅れたノルスであったが、後ろに振り向きざまに手を払い、自身に近づけさせないように波動ウェーブ流転フローを繰り出す。


白い波動が、ライネットに向かう。

そこからは、もはや何が起こっているのかわからないほどの展開スピードに入り、白い波動の塊と雷神状態のライネットとの空中戦が展開される。


ズドオオォォン!!バチチチィッ!!・・・


空中で縦横無尽に伝わって移動するライネットに、白い波動が追尾していく。

移動の途中にも、雷影が何回も発生し、その残像と波動がぶつかる。

ぶつかると雷影の残像は樹状の稲妻、電撃へと解体されていき、空中に広がる。

さらにその度に、衝撃と風圧がブオオォ!!とドーム状に発生し、地面も削れていく。

これが何回も繰り返され、もはや天変地異を思わせるほどだった。


ノルスは、手を顔の前にして衝撃と風圧に耐えながら、一筋の太い稲妻の正体であるライネットを目で追う。


「・・・フフフッ・・・。」


ノルスは、武者震い的に笑う。

ライネットの姿を捉えるどころか必死に目でその稲妻を追っても、まったく追いつかない。


(さらに、反応速度を上げる必要があるか・・・!)


すると、ノルスは拳を作って、力を入れる。


「マジックニューロン!」


ノルスの両手の甲のキング紋章の周りに、赤い線が血管状に。それと繋がるように黄色い斑点が発光して浮かび上がる。


一方、空中を移動し続けるライネットに白い波動はまったく追いつかない。

それどころか、もて遊ばれるように振り回されているだけだった。


(空いた・・・!)


そして、遂に空中戦の末、ノルスの傍から波動ウェーブ流転フローがはがれると、ライネットは、ノルス一直線に、空中から向かう。

その様子は、一つの稲妻が落ちる、落雷だった。

それに反応できるはずもなく、ノルスは突っ立ったままだった。

反応できないならば、タイミングが合わないならば、マジックルースン、パワールースンで打ち消すことができない。


(これで・・・!)


ライネットは、確信して刀で切る!


バッジィッ!!


雷刀身らいとうしん雷切らいきり状態の刀は、派手に電撃を散らしながら、振られた。

勝負はついた・・・。


その時だった。


「・・・いやはや、この状態マジックニューロンでも紙一重が精一杯とはね・・・。」


「・・・くっ!」


なんと、その一撃を、ノルスは避けた。


「マジックニューロン」、それは肉体を魔法で強化する技だった。

反応速度から運動能力まで上昇し、肉体だけでも渡り合うための強力なノルスの技だった。


「まだです・・・!!」


ライネットも、まさか今の攻撃を避けられるとは思わず、必死になり始める。


「・・・おもしろい。」


ノルスは、ここまでの戦闘は久々といった感じで、高揚する感じで言い放つ。


ジジジジジッ!!バッジィッ!バッジィッ!


そこからライネットは、ノルスの周りを高速に移動しながら、360度どこからでも刀で攻撃を繰り出す。


ノルスはスッ!スッ!スッ!と何とか反応してギリギリで避ける。

だが雷神の状態の猛攻に、ルースンで打ち消す余裕などなく、その激しい展開スピードに対応して、避け続けるため、さすがのノルスも大量の汗を流していた。


その格闘戦のような攻防が、しばらく続く。

拮抗しているに見えたが、ジリジリとノルスは消耗が表れてくる。

さらに、接近戦であるためライネットの雷衛防らいえいぼうによってジワジワと電撃のダメージがノルスの体を蝕む。

それに対し、ライネットは、攻撃の手を緩めない。

ライネットの一撃が決まるのは時間の問題に思えた。

だが、ノルスはどこか、冷静に何かを見計らっているような、集中して研ぎ澄ました目をしていた。


「・・・。」


そして、その時はやってくる。


(今ッ!!経験的けいけんてき動作帰納どうさきのう発動ッ・・・!)


スパッ!


ライネットの一太刀が繰り出される。


スッ!


ノルスは、ライネットの空中から側面の攻撃を避けた。


「・・・(この反応はッ!?)」


その回避だけは、次の攻撃がどこからくるかがわかっていて、先に回避動作に移ったように見えるほどの反応速度だった。


ノルスは、マジックニューロンによる「経験的けいけんてき動作帰納どうさきのう」という性質を使った。

その性質は、敵の動作、個々の攻撃をある一定量、体で覚えることで、さらに自身の反応速度を上げるというものだった。

しかし、それと同時に、マジックニューロンの際の手の甲の発光部分は引いていき、解除に向かう。

いわば、その状態が短くなる代わりに、一瞬のパフォーマンスを上げる一種の燃焼型ブーストだった。


そして、その反応速度によってできた余裕でノルスは次の動作に移る。

視界に横腹ががら空きのライネットが映る。


「はあああッ!!」


ノルスは、マジックルースンを使うと同時に、手の平を勢いよく突き出しモルトポールウェーブを放つ。


ドオオオオオォォォン!!!


「・・・ぐッううっ!!!」


雷神が一瞬打ち消されたと同時に、モルトポールウェーブを食らったライネットは、大きく吹っ飛んだ。

すなわち直撃だった。


ドサッ!ドサッ!ズザアアアァァッ!!


地面に何回か体を打ちつけた後、激しく引きずる。

刀も手から落ち、勢いよく回って地面に突き刺さる。


「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」


それでもライネットは、すぐに雷神状態に戻り、片腕を押さえながらも立ち上がる。

外見からボロボロ具合が見て取れた。


「・・・。」


ライネットが立ち上がるのを見たノルスは、間髪を入れずモルトポールウェーブを放った格好のまま、追撃する。


「ウェーブインパクト!!」


手の平から青い波動の球体が放たれる。

高速で、着弾する。


ドオオオォォン!!バチッチチッ!!


ライネットの雷衛防に当たり、爆発して、稲妻が砂埃と一緒に天に伸びる。


「くっ・・・!」


そして、遂にライネットは膝をつくが、地面に刺さった刀に視線を向ける。

稲妻や電撃もバチッ・・・と途切れ途切れかつ帯電具合も弱くなるほど消耗した雷神状態であったが雷走を試みて、動こうとする。


しかし、ノルスは甘くなかった。

ウェーブインパクトを放った後、そのままの体勢ですぐにもう一撃繰り出す。


「・・・では、少し拝借させていただこう。」


ノルスは、そう呟いた。


「ファイアーインパクト!」


なんとルークドの技を使う。

ルークドとまったく同じようにエネルギーが手の平に集まっていく。

3秒ほどで炎の球体ができあがり、放たれる。

炎の球体がライネット一直線に向かう。


ドオオオォォン!!


爆発と黒煙を上げて、ライネットに命中した。

派手に、石ころやがれきが飛散した。


「・・・・・・。」


ライネットの雷神状態は解除され、ドサッと倒れる。

黒煙の中、ぐったりと倒れていた。


そして黒煙が晴れた後、ノルスがライネットの元に歩いて行き、倒れているライネットに手を貸す。

そのノルスの手は電撃のダメージで焦げていた。

お互いに、激しい戦闘の痕が見られる。


「大丈夫か?ライネット。」


「・・・はい、何とか・・・。」


ライネットはピクピクとさせた動作で握手のようにがっちりとノルスの手を掴み、起き上がる。


「・・・負けました。」


「しかし、見事だったよ。・・・その力で、精々護衛に励むことだ。」


ライネットは、ぼーとしながら、空を見ていた。


(護衛・・・。)








































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