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キングテレトリー  作者: フクツノタロウ
デサン村編
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猛犬

ルークドは先制する。


「燃えろ!!ファイアーブロウ!!」


炎の球体はヘルドッグに向かう。

しかしヘルドッグは易々と避け、不発した球は地面にあたり、燃え広がる。


「くっ、クソ!速い!」


ヘルドッグがルークドに走って間を詰めそこから小さく飛びかかり、爪をたて引っ掻こうとする。


キン!


ルークドは剣で反射的にガードし、爪が剣にあたった音が大きく立てた。

だがヘルドッグは一瞬にしてもう一方の手で引っ掻く。

ルークドはバックステップするが少し間に合わず、顔に爪が擦れ、ほんのわずかに出血してしまう。

何とか軽傷で済んだ。


だがヘルドッグの猛攻は収まらない。

今度は牙をたて、ルークドの首を狙う。

ルークドは咄嗟に剣で見切って横にスッ!とスライド移動し、ヘルドッグを後ろへ受け流す。

ルークドはそのまま後ろへ振り向きながら魔法を使う。


「ファイアーブロウ!」


ヘルドッグの後ろ向きに着地した瞬間を狙ったのだ。

だが、それでもヘルドッグの反応は速かった。

ヘルドッグはこちらへ向きなおすと、すぐさまサイドステップし、かわす。


「まだだ!」


ルークドはそう叫ぶと、球の状態を大火へと拡散させる。

それはちょうど爆弾が爆発するのと同じだった。

1回目の動きを見て、ある程度想定していたのだった。


範囲は広くヘルドッグの体に延焼した。

燃えたヘルドッグは、ひるんで隙が生まれる。


ルークドはその隙を見逃さない。

一気にゼロ距離までつめて、ヘルドッグの体を空中に蹴り上げる。


「クウゥン!」


ヘルドッグはそんな弱々しい鳴き声をあげた。


ルークドは、そこで畳みかけるように追撃する。

浮き上がった体を今度は全力ストレート。

内臓にめり込み、鈍痛は避けられない攻撃だった。

ヘルドッグは軽く吹っ飛んだ。


「これでっ!!」


一瞬の間もなく、ルークドは、ファイアーインパクトをお見舞いする。


ドゴオオオオオン!!


ファイアーインパクトは見事に命中し、大きな音を立てた。

大きな爆発が起き、黒煙が舞い、石や砂埃が飛散する。


「ど・・・どうだ!?」


黒煙が薄くなっていく。

薄くなっていく煙の中から見えたのは死体・・・・・・・






ではない。


ヘルドッグの赤い瞳が光り、「ゴルルウゥゥ」とさらに怒りを露わに吠えるとルークドに向かって、駆ける。

さっきより一段速くなっていた。

その動きは残像が見え、赤い瞳の光が残光となる。


(捉えられない・・・!)


飛びかかるヘルドッグに剣を振るが遅れもいいところだった。


「ぐッ!!」


腕を爪で切られる。スピードとあいまってかなりのダメージだった。

ルークドは痛みで剣を地面に落としてしまった。

そこからヘルドッグの猛攻が始まる。


シャッ!シャッ!シャッ!シャッ!


ルークドに飛び交うように次々に、爪で全身を切りつける。

ルークドはまるで風に切りつけられている感覚だった。

姿も目で追えず、防御すらすることも困難だった。

さらに激痛と出血が増えていく。


(このままじゃ・・・!!)


ルークドはついに膝をつく。


ヘルドッグは勝ちを確信したのか、攻撃を止めて、ゆっくりルークドに近づいてくる。

それはおそらく首に牙をいれ、トドメをするためで、本能的に余裕を感じていたのだ。


ルークドはなんとか足を震わせ立ち上がるが、痛みでどうすることもできなかった。


するとヘルドッグは飛びかかってルークドを仰向けの状態にし、そのままのしかかる。

口を開き、牙を見せルークドの首へ噛みつこうとする。

ルークドは必死に手でヘルドッグの開いた口の下顎と頭上を掴んで引き離そうと抵抗するが、噛みつかれるのは時間の問題だった。


ヘルドッグの吐息と鼻息がかかり、さらによだれも体に垂れる。

迫る牙。


ルークドは、痛みと出血により、意識が朦朧として視界が薄くなっていく。


(俺は・・ここで・・死・ぬ・・の・・・か・・・)


死を意識し始める瞬間だったのだ。

















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