思い込み
「で、何の用だ?」
「は?何であんたなんかに言わなくちゃならんの?」
「用があるんだろ?」
「だからなんでお前なんだ!?お前に用はない!」
こいつ・・・ほんとムカつく。かれこれこんなやり取りを10分続けている。
「あぁ、もうやだこいつ。」
「あのさぁ、それはこっちの台詞なんだけど?早く管理人呼んで来いよ。」
「そもそも管理人ってなんなんだ?」
それを言ったらぽかんとした顔で、
「お前、頭大丈夫?」
こいつ〜〜〜〜〜〜!
「まぁまぁ、落ち着きなよ。」
「あぁ、やっと話がわかりそうなやつが来た。あ〜でも化け物かぁ。」
「化け物でもいいでしょ?話はできるんだし。」
「まぁいいや。管理者を呼べ。」
「んっと、ずっと前にいるよ?」
「は?こんな馬鹿が管理者?ありえないだろ普通(笑)」
こいつ殴り飛ばしたい・・・!!
「おおお落ち着きなよ。ってちょっと!ガントレットから炎出すな!風もダメ!ってアバババババババババ、みっ水も雷もダメ!」
「どけ、リゼル。俺はそいつを吹き飛ばす。」
「依頼人だよ!?そんなことしていいの!?」
「いいんじゃないかなぁ?」
「ネタ使うな!てかそれフラグ!」
「大丈夫だ、問題ない。」
「だからフラグだって!」
そんな事を話していると、さっきのやつが割り込んできた。
「な、なぁ。そのガントレットって・・・」
「ん?ああ、これか?俺のだぞ?」
「いや、それって・・・ちょっと見せてもらうよ!」
「おい!何しやがる!」
ガントレットが取られた・・・一体なんなんだよこいつ!!!!
「やっぱり・・・だけどなんであいつが・・・?まさか本当に・・・?」
「あ〜〜。信じてもらえた?」
実はこのガントレット、管理人の証らしいんだよな。だからさっきから説明したりして話してたんだけど、全く信じて無かったんだな。
「ええ〜と、なんだ、その〜・・・疑って悪かった。」
「よろしい。」
ま、これでいいだろ。
「思い込みってすごいんだね・・・」
リゼルの落ち込んだ溜息が聞こえた。