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新世界へ  作者: 戸雨 のる
惨-3-
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イツキ

 実験は成功した。

 受話器を置きながら、僕はどうしてもにやけてしまう口元を引き締めた。

 夏休みが明ける前に混乱を。僕に繋がらないような人間を犯人に。そのどちらの条件も満たす、今回の事件。直接括らなくとも、この程度までなら操れる。その確認も含め、実に身のある実験だった。

 目立つ場所で目立つように起こしたので、報道も素早かった。緊急速報が出たのが、操り始めて十五分後。繁華街で動かしたので、緊急性が高いと判断されたのだろう。僕の狙い通り、不安を煽るよう伝えられている。

 まるで報道関係者も操っているような、支配しているような気分になる。素晴らしい。完璧だ。

 僕は部屋に戻り、テレビの音声を上げた。これだけ大きな音を上げていれば、僕がいくら笑おうと、隣に声は漏れないだろう。

 想像以上に上手くいった。 

 街中で包丁を振り回せ。理性を取り払えていなければ、上手く操ることは出来なかった。担任の生命はそれほど美味くはなかったが、蓄えるだけなら構わない。

 妻の方は、どう料理しようか。

 包丁を持ち、取り乱し暴れる女。被害者を増やすのも悪くはないが、今から括るのも面倒だ。あの女を介して括るのは、少々時間もかかるだろう。

 仕方がない。ゴミは、処分するに限る。

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