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罰ゲームってなんですか?

いつもの様に短篇に収めて執筆衝動抑えようとしたら二話目を書いてました^^;

集中しては休み、集中しては休みの不定期になるかと思います^^;

 大富豪で5回連続大貧民になった罰ゲームとして、異世界送りになった。


 わけわからんって?


 心配するな、当事者の俺も良く分かってない。


 クラスのダチと罰ゲームありのトランプをするというのが日課になってたんだが、色々やったりやらされたりと、それなりに楽しく過ごしていた。


 でもって、今回、大富豪になった神埼が大貧民の俺に罰ゲームを命令する事になったんだが「チートあげるから異世界行って」と訳の分からない事を言い出した。


 「うわぁ、ラノベの読みすぎだろ、お前・・・」と俺以外のヤツらもドン引きだったのだが、気付けば俺と神崎以外、まるで時間が止まったかの様に動かなくなっていた。


 「いやあ、この間、余所の世界の神様との賭けに負けちゃってね、こっちの世界の住人一人向こうにあげなきゃいけなかったんでちょうど良かった。ああ、こっちは外国で死ぬ寸前の子を君そっくりにして記憶もあげて君の代わりにするから、心配しなくていいよ?」


 「え? なにこれ怖い」


 「あー、もちろん、こっちの都合だからね、チートもあげるよ。手を前に出して『出ろ!』って念じてご覧?」


 「いや、ちょっと待て、神崎・・・神ってなに?」


 「あー、正確には神崎正志って存在自体が神って訳じゃないんだ。ほら君らテレビゲームとかするだろ、それのプレイヤーキャラみたいなもんだ。神である僕が動かしてるのがこの神崎正志。」


 「え、マジ? ってかなんで俺?」


 「いやあ、罰ゲームのネタも無かったし、さっき言ったこっちの都合もあったしね? 君以外の他の人間が負けても同じ罰ゲームだったし、運が悪かったね?」


 「ちょ、ま、うわぁ~!!!!!!」


 「お約束でしょ、落下スタート、あ、そうそう、もう一個チートあげたからねぇ、そっちはレベルアップするよ~! じゃあ、頑張ってねぇ~!」



 ◆

 ◆



 ・・・こうして、俺は落ちた。


 下が固くなかったのと、それほど高い所から落とされた感じじゃなかったことからケガはしなかったんだが・・・・・・アチい・・・。


 岩と砂しかねえし・・・。


 チートくれたって言ってたな?


 攻撃魔法かなんかか?


 手を前に出して・・・「出ろ!」。


 俺の掌から薄緑色の液体が噴出した。


 湯気立ってるし・・・この匂いは・・・お茶?


 『あー、まだ空間つながってるか、最後に説明追加ね、お茶は気合で一度に出る量が変わるけど、どんなに出しても体力も何も減らないという優れものだよ、そうそう入れ物が無かったね、君の飲みかけのペットボトルもオマケにそっちに送ってあげるや、じゃあね、元気で!』


 ちょっと待てぇい!


 いや、待ってください、お願いします。


 『あ・・接・触・・・れそう。残・・・は・・召喚・・・魔・・・・・・』



 声が切れるのと頭に少し中身の残ったウーロン茶のペットボトルが当たるのは同時だった。


 ハハ・・・マジ・・・ですか?


 好きなだけノーリスクでお茶出せる・・・確かにチートって言えばチートだけどさ。

 いや、ないわー、これはないわー・・・。


 百歩譲って異世界送りはいいとしよう!

 ・・・乾き死にはしないだろうけどさ、せめて街の側に送ってくれよ!

 砂漠だろ、ここ?


 送って即死亡じゃ約束果たした事にならねーんじゃねえの、相手の神様に?

 

 しっかしなあ・・・天然だとは思ってたけど、神崎が神様?

 普通、思わねえだろ、クラスのダチが神様だなんて!


 あー、あいつの前で神とかの悪口言ったことあるなぁ、密かに根に持ってやがったか?

 でもなあ、世界の現状見れば無能に見えるべ?


 ・・・っと繋がりは切れたみたいだが、万が一があるからな、わけわからんもんだが現状は命綱とも言えるチート()を取り上げられちゃ敵わん。


 もう一個、レベルアップするっての、切れ切れだったけど「召喚」って言ってたよな?


 何が出てくるか分からんが、その前に砂だらけになった手を洗うか・・・お茶で。

 うお、アチ・・・ってペットボトルの残りで洗って、代わりにお茶詰めりゃいいじゃんな。

 下手するとというよりほぼ確実にウーロン茶は飲み収めだから一口飲んで・・・と。

 

 さて、やってみるか・・・「召喚!」

 

 ・・・・・・すごく、おむすびです。

 

 おいしそうではあるが海苔もなんもついてない、推定「塩むすび」です。


 うん、絶妙の塩加減といい、いい米は使ってはいるが、具もなんも無い塩むすびだな。


 お茶が無限で、おむすびが召喚出来るっと。

 うん、凄いチートですねぇ・・・ってやってられっか!


 街中ならこれで商売して金を稼いでこの世界で暮らしていけるかもしれないが、こんな砂漠でどないせいっちゅうんじゃ!


 あ、お茶ペットボトルに入れて冷ましておこう。

 ここじゃ冷えるなんてことにはならんけど・・・。


 さっきの気合であの程度だったから、軽ーく「出ろ」うん、急須から出るくらいになったな。


 まあ、食料と水の心配は無くなった。

 街に行けば、街までいかんでも人の居るところ行けばなんとかなるだろう・・・なればいいな・・・なってください、お願いします!



 ◆

 ◆



 制服の上着を頭に被って、まくっていたワイシャツの袖を伸ばし、ボタンを留める。

 手持ちの物の確認もしとくか?

 左のズボンポケットにハンドタオル、右のズボンポケットにハンカチ、尻ポケットに財布、制服の胸ポケットに生徒手帳とボールペン、制服の右ポケットに鍵、左ポケットにポケットティッシュ、ワイシャツの胸ポケットにスマホ・・・あ、電源切っとこう。

 それにお茶の入ったペットボトル。

 せめて通学用のデイバッグ持ってればなあ・・・。


 ともかく、この暑さだ、じっとしてても誰か来る当ても無いし、体力の残っている内にせめて休める場所を見つけよう。


 サソリとか居ねえよな?

 毒蛇とか?


 いや、異世界だって話だから、砂虫サンドワームとかデザートウルフとか居るかもしれん。

 狼っておにぎり食うのかな?

 食うんだったら召喚したのを投げて、食ってる間に逃げるとか出来るのに・・・。


 

 ◆

 ◆



 砂に足を取られて、かなり疲れはしたものの、根元付近にくぼみのある大岩を見つけ、取り敢えずの休憩地点とする事にした。


 警戒して、足で蹴ったり踏んづけたりしながら足探りで安全を確認し、根元の地べたに座り込む。

 日陰になってるんで、少し涼しい。

 焼きイカや鉄板の上の焼きソバの気分を味あわなくて済むのは有り難い。


 あー、でも夜になると砂漠って冷えるって話だよなあ。

 いくらでもお茶出せるっていうし、周りに大量に出せばちょっとはあったかいかな?



 ◆

 ◆



 気が抜けて、少しうつらうつらしていた俺は騒音に目を覚ました。

 ガチャガチャと金属が触れ合う音。


 人間か!?


 いや、ぬか喜びは早い。

 スケルトンとか、リビング・アーマーとか、そういうモンスターかもしれん。


 岩に背中をへばりつかせるようにしつつ、すぐに立ち上がれるよう足を動かした時、ガシッと力強く肩を掴まれた!


 「み、水・・・」


 歩くボロキレとでも言うべき外見の存在から擦れた声が聞こえる。

 中にはおそらく鎧を着込んでいるのだろう。

 動くたびにガチャガチャと音がする。


 流石にこの状況で「え? ミミズ?」なんてやれないよな?

 ペットボトルの口を開け、飲み口を相手に向けて差し出すとひったくる様にして抱え込み飲み始めた。


 「ゴクゴク・・・う、済まない、全部飲んでしまった、君のものなのに本当に申し訳ない、だが、助かった、本当にありがとう・・・!」


 俺がココに落とされなきゃ、この人死んでたよな? おそらく・・・。

 

 「あー、気にしないで下さい、それより、熱くても平気なら、まだお茶出せますけど?」


 言いながらペットボトルにお茶を補充していく。

 何やってるのか、相手からは良く分からないだろうし、普通に考えれば体に身につけていたものから移し変えている様に思うだろう。


 「けっこう熱いんで気をつけて飲んでくださいね」そう言って再度手渡す。

 「助かる・・・途中でモンスターに水袋を破られてしまってな・・・」

 モンスター居るんだ、俺、運が良かったんだな。


 「俺が言うのもなんですが、なんでこんな場所に? あ、お代わり入れますね。」

 「ありがとう・・・この近くに古代の遺跡があり・・・そこを目指していたのだ・・・」

 「冒険者とか探索者とかなんですか?」

 「こんな格好では説得力が・・・無いかもしれんが・・・これでも勇者・・・なのだ」

 え?

 え?


 えええええええええええっ!?

 ゆうしゃってあの勇者?

 魔王とかと戦ったり、ドラゴン退治したりする勇者?


 「そうなんですか、お一人で? 大変ですねぇ。」

 出来れば町につれてって欲しいところだが、相手は自称・勇者である。

 本物だろうが、偽物だろうが下手に関わるとろくな目に会いそうも無い。

 俺はさりげなくペットボトルにお茶を足すと「この蓋をこっちに捻ると締まって、こっちに回すと緩んで外せるようになります、蓋を無くすと中身とっておけませんから気をつけてくださいね」と自称・勇者を送り出そうとしたが、ペットボトルごと手をガッシリと握られた。


 「この飲み物がニホンチャというものなのだな・・・そして、君はそれを無限に出せる・・・それだけでなく、オムスビというものも召喚出来るのか・・・重ね重ね申し訳無いが、是非私の仲間になってくれないだろうか?」


 疑問形を装った命令形ですね、分かります。

 にしてもなんでバレたんだろう?


 「私は『鑑定眼』というスキルを持っている。自分より下のレベルの人やモンスター、アイテムなどの情報を見る事が出来るのだ。」

 お茶で元気を取り戻したのか、途切れ途切れだった話し方が、声はかすれたままだがしっかりとしたものになっていた。


 ふーん、それにしても『鑑定眼』か、便利そうというか、流石勇者というか、流石勇者汚いというか・・・。

 「君のステータスを見る限り、レベル1という今のレベルのままでは街に行く事も難しいだろう。君にとっても悪くは無い話だと思うが?」


 俺ってレベル1なんだ・・・、某・国民的RPGならスライムに負けるレベル・・・。


 「よろしくお願いします・・・。」

 「うむ、こちらこそ!」

 こうして俺は自称・勇者のお供になった・・・。




次話は既に出来てます^^

警告タグは念のためです

ある意味、主人公にとっては残酷な描写はあるかも?

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