親友になった日
君と出会ってから、僕の世界は目まぐるしく変わり始めた。君は友達を作るのが上手で、引っ込み思案な僕を、自然にその輪の中に入れてくれた。そのおかげでたくさんの友達ができて、入学前にあんなに抱えていた不安や、学校に行きたくないなんていう思いはあっという間になくなってしまった。
みんなで秘密基地を作ったり、学校の近くの林に探検に行ったり、時にはいたずらをして大人に怒られたり、途中まで一緒の帰り道では、みんなで一緒に石けりしたり、虫や蝶を探したり、雨の日はカタツムリも探したね。でもどんなに友達が増えても、僕にとって君は本当に特別だった。一番の友達。だって君は僕にいつも新しい世界をくれたから。きっと君と友達にならなければ、僕はこの町になじむことができずに、いつも泣いていただろうと思うから。君と一緒にいると、なんでもないことが、キラキラ輝いていく気がした。
2年に上がった時、クラス替えでクラスが離れてしまった時、不覚にも泣きそうになってしまった僕に向かって君は言ってくれたよね。
「何泣きそうな顔してんだよ。俺たちは親友だ!クラスが離れたってずっと仲良くやっていくんだろ?それに、休み時間だって一緒に遊んで、帰りはいつものように一緒に帰ろうぜ。先に終わったら待っててやるからさ。あ、でも春樹が先に終わったら春樹が待ってるんだぞ?」
って、いつもの太陽みたいな顔で笑って言ってくれたんだ。僕は泣きそうな顔で笑ってうなずくしかできなかった。・・・今考えると恥ずかしいけどね・・・。でもその時の僕には、君の笑顔とその言葉が本当に嬉しくて、こらえてた涙がうっかり目からこぼれそうになったんだよ。その後、なんだよって僕を小突いてきた君に、なんでもないよってじゃれあいながら、お互いの教室まで走って行った。
家に帰った後、君に親友って言われたこと思い出して、にまにまして、お母さんに、
「どんないい事があったの?そんな顔して・・・。白状しなさい。」
ってからかわれて、
「秘密だよ!」
って、言いながら笑いを止められない僕を、嬉しそうにお母さんが見ていた。