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好感度999まであと少し──俺だけ“関係スキルツリー”と“巻き戻し権”持ってる世界で、最強ヒロインたちを攻略中  作者: 風白春音


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第26話「夜のログイン──交差する“家族”の記憶」

期末テスト勉強会が終わり、家が静けさを取り戻した夜。

 俺はベッドの上でスマホを握りしめながら、考え込んでいた。


(……レイジからのチャット、気になるな)


 昼間の勉強会中に届いたメッセージ。

 あの親友アバター、レイジからの相談──『姉と妹のことで話がある』という一文。


 俺はヘッドセットを手に取り、深く息を吐く。


「……行くか」


 そして、ログイン。


 視界に広がるのは幻想都市セレノア

 どこか現実と似て非なる、もう一つの世界。


 ログイン直後、通知がポップアップする。 


『from:レイジ

場所、変えてない。いつものとこで待ってる』


 俺はうなずいて、レイジの待つ場所へと向かった。


 彼は塔の中庭で、空を見上げながら立っていた。


「来てくれて、ありがとな。悪いな急にメッセージ送って」


「いや別にいいよ、俺も気になってたし。姉と妹のことって……リアルの話?」


 レイジは小さくうなずき、真剣な目で語り出す。


「最近、姉さんと妹の様子がおかしくてさ。特に姉の方。急に部屋にこもるようになったり、俺に対してもよそよそしくて……昔はすごく仲良かったのに」


「妹の方は?」


「……逆に、何も言わない。俺のこと、避けてる感じ。前はそんな事なかったんだけどな……」


 その言葉に、俺は胸の奥が少しざわついた。

 自分と妹の関係とも、どこか重なる。


 その瞬間、俺の視界に“関係スキルツリー”の通知が現れる。


【分岐発生:新ルート『家族を繋ぐ記憶』】

《姉の異変》《妹の沈黙》《交差する兄弟の絆》


(やっぱり……スキルツリーは、恋愛だけじゃない)


 思わず息を呑む。


「……お前の話、他人事とは思えないよ」


 そうつぶやいた俺に、レイジは少し驚いた表情を見せたあと、笑った。


「やっぱり、お前ってちょっと不思議なやつだな」


 その言葉に返すように、空を見上げる。


 「今日はありがとな。少しだけど心が軽くなったわ」


 レイジが俺にお礼を言う。


 「別に大したことはしてないって。またいつでも相談乗るよ」


 俺はそう心から思ったことを口に出す。


 すると――視界の端に、赤黒い警告が一瞬だけ点滅した。


【禁忌ルート:一時接続検出──警戒状態】


 見るだけで胸の奥が締めつけられるような感覚。

 そして、メッセージが届く。


『from:Enigma

「“禁忌ルート”の扉が、また一つ軋んだよ」』


(また……エニグマ)


 不吉な一文に戸惑いながらも、俺の中にはひとつの確信が生まれつつあった。


 このゲーム、このスキルツリー──

 ただの“恋愛攻略”なんかじゃない。


 過去も、家族も、運命も──すべてが繋がっている。


 そして最後、システムメッセージが表示された。


【特別ミッション発生:“家族を救え──二つの鍵を探せ”】

※リアルと仮想、両世界にまたがるマルチレイヤールートです


 深く、静かに、物語は新たなステージへと進み始めていた。

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