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好感度999まであと少し──俺だけ“関係スキルツリー”と“巻き戻し権”持ってる世界で、最強ヒロインたちを攻略中  作者: 風白春音


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第25話:「期末と青春──四人の勉強会と、動き出す絆」

 「へぇ、これが桐谷くんの家かぁ……意外と普通、って言ったら失礼かな?」


「……いやまあ、普通だと思う」


 日曜の昼下がり。俺の部屋には、天翔星花、アマリエ・ユスティーナ、そして百合栖梨璃栖の三人が勢揃いしていた。


 期末テスト直前、俺の提案で“勉強会”を開いたわけだが――想像以上に華やかになってしまった。


 「ふふっ、攻真くんって案外きれい好きなのね。床もピカピカだし」


 「こら、アマリエさん。いくらでも褒めていいけど、勉強に集中してね」


 星花が軽くツッコミを入れると、アマリエが肩をすくめる。


 「もちろん。じゃあ、まずは数学から始めましょうか。桐谷くん、問題出してくれる?」


 「了解。えーと……」


 俺は参考書を開いて問題を読み上げつつ、時折みんなのノートを覗いた。梨璃栖は少し不安そうな顔をしている。


 「やばいかも……関数系、ちょっと苦手なんだよね」


 「大丈夫、教えるよ。そういうの得意だから」


 「……ありがと。攻真くん、ほんと頼りになるね」


 さらっと言ってくるその一言に、俺の心臓が微妙に跳ねる。


 (なんか空気が甘くなってないか?)


 そんな中、リビングから声がした。


 「攻真~、みんなの飲み物とおやつ置いといたわよ~」


 「うん、ありがとう!」


 俺の母親だ。気さくで明るい人だが、怒ると怖い。

 空気を読んで部屋に入ってこないのは凄く助かる。


 リビングに全員でお礼と挨拶に向かった際


 とても気さくでそれでいて丁寧な対応をしてくれてた。


 「お母様、とてもお綺麗で優しそうな方だったわね」


 「そう? ありがと。まあ、あの人は無敵だから……」


 俺がぼそっと呟くと、星花が笑いをこらえる。


 その後も勉強会は順調に進み、途中から恋愛話や趣味の話に発展していった。


 「でさ、桐谷くんって……どんな子がタイプなの?」


 梨璃栖が言った瞬間、全員の視線が集中する。


 「えっ……あー……その、なんていうか……優しい子?」


 曖昧な返答しかできず、場の空気が微妙に沸いた。


 (いや待て、これは罠だろ……!)


 その時だった。


 ──《関係スキルツリーが更新されました》


 視界の端に、一瞬だけメニューが表示される。


 《新分岐:三人の想い──交差する心模様》


 (やっぱり来たか……)


 恋と友情の狭間で揺れるスキルツリーは、少しずつ複雑さを増していた。


 ──ピロン。


 スマホが鳴った。


 ゲーム内チャットアプリから通知。差出人は──レイジ。


 《今夜、ちょっと話せるか? 姉と妹のことで、相談がある》


 その短い一文に、俺は背筋を伸ばした。


 (姉と妹って……やっぱり訳ありなんだよな)


 すぐさま返信する。


 《夜ログインする。場所指定して》


 それを送った直後、スキルツリーにまた異変が走る。


 ──《新ルート:レイジ攻略ルート(姉・妹含む)》が追加されました。


 (親友ルート……それに、姉と妹まで!?)


 俺の世界はまた少し広がっていく。


 だが、そこで終わりではなかった。


 ──“星花ルートがトゥルーエンドだと思ってる?”


 突如として画面にメッセージが浮かぶ。


 送り主は、「エニグマ」。


 あの、謎の情報通。


 (……また来たな)


 その文字の背後に、赤い警告のような映像が一瞬だけ表示される。


 《※未確認分岐──“禁忌ルート” 開放条件不明》


 それは、ほんの一瞬だった。


 でも確かに見えた。


 (禁忌ルート……?)


 思考が渦巻く中、星花の声が現実に引き戻す。


 「桐谷くん? 次の問題、お願い」


 「あ、ああ。ごめん、すぐ出す」


 俺は問題集をめくりながら、再びこの日常の中に戻った。


 でも、胸の奥に広がったざわつきは、消えなかった──。

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